世界のヤギ飼養頭数ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）による1978年度のヤギ飼養頭数ランキングによると、1位はインド（79,200,000頭）、2位は中国（67,824,000頭）、3位はパキスタン（25,597,008頭）となっています。アジアの国々が上位に位置しており、これらの国々の食文化や経済状況がヤギの飼養に大きく影響していると考えられます。一方で、先進国である日本（101位、78,500頭）やドイツ（104位、70,075頭）では相対的に低い順位となっています。

順位	国名	地域	飼養頭数(頭)
1	インド	アジア	79,200,000
2	中国	アジア	67,824,000
3	パキスタン	アジア	25,597,008
4	トルコ	アジア	18,276,000
5	ソマリア	アフリカ	17,200,000
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	16,500,000
7	バングラデシュ	アジア	12,339,000
8	ナイジェリア	アフリカ	9,201,000
9	メキシコ	南アメリカ	9,111,712
10	ニジェール	アフリカ	8,687,133
11	インドネシア	アジア	8,051,000
12	ケニア	アフリカ	7,900,000
13	ブラジル	南アメリカ	7,665,000
14	マリ	アフリカ	6,050,000
15	モロッコ	アフリカ	5,972,000
16	タンザニア連合共和国	アフリカ	5,462,500
17	南アフリカ	アフリカ	5,400,000
18	ネパール	アジア	4,550,000
19	ギリシャ	ヨーロッパ	4,508,332
20	モンゴル	アジア	4,411,000
21	チャド	アフリカ	3,319,000
22	アルゼンチン	南アメリカ	3,200,000
23	アフガニスタン	アジア	3,000,000
24	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	2,945,950
25	イエメン	アジア	2,871,000
26	モーリタニア	アフリカ	2,812,000
27	ブルキナファソ	アフリカ	2,800,000
28	コンゴ民主共和国	アフリカ	2,636,300
29	ウガンダ	アフリカ	2,609,100
30	アルジェリア	アフリカ	2,592,090
31	カメルーン	アフリカ	2,484,000
32	フィリピン	アジア	2,290,000
33	スペイン	ヨーロッパ	2,174,000
34	サウジアラビア	アジア	2,077,535
35	イラク	アジア	2,059,000
36	ジンバブエ	アフリカ	1,944,000
37	ガーナ	アフリカ	1,940,000
38	ペルー	南アメリカ	1,818,300
39	リビア	アフリカ	1,616,900
40	ナミビア	アフリカ	1,467,151
41	エジプト	アフリカ	1,440,000
42	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,355,000
43	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	1,354,000
44	アンゴラ	アフリカ	1,200,000
45	マダガスカル	アフリカ	1,100,300
46	シリア・アラブ共和国	アジア	1,065,452
47	フランス	ヨーロッパ	1,048,000
48	チュニジア	アフリカ	1,013,000
49	イタリア	ヨーロッパ	959,600
50	ハイチ	南アメリカ	945,221
51	セネガル	アフリカ	937,000
52	ポルトガル	ヨーロッパ	906,000
53	コートジボワール	アフリカ	900,000
54	ベナン	アフリカ	873,759
55	中央アフリカ共和国	アフリカ	832,000
56	マラウイ	アフリカ	794,438
57	トーゴ	アフリカ	780,000
58	ルワンダ	アフリカ	774,862
59	アルバニア	ヨーロッパ	665,000
60	コロンビア	南アメリカ	632,300
61	チリ	南アメリカ	600,000
62	ミャンマー	アジア	590,000
63	レソト	アフリカ	582,499
64	ブルンジ	アフリカ	564,000
65	オマーン	アジア	525,000
66	ボツワナ	アフリカ	520,000
67	ジブチ	アフリカ	500,000
68	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	450,000
69	スリランカ	アジア	449,998
70	ルーマニア	ヨーロッパ	404,300
71	ドミニカ共和国	南アメリカ	395,000
72	ヨルダン	アジア	392,000
73	ギニア	アフリカ	388,000
74	マレーシア	アジア	355,038
75	ジャマイカ	南アメリカ	350,000
76	レバノン	アジア	330,000
77	ブルガリア	ヨーロッパ	326,034
78	モザンビーク	アフリカ	325,000
79	アラブ首長国連邦	アジア	310,566
80	ザンビア	アフリカ	308,282
81	エスワティニ	アフリカ	256,925
82	エクアドル	南アメリカ	246,400
83	大韓民国	アジア	244,274
84	キプロス	アジア	240,000
85	ベトナム	アジア	201,300
86	中国、台湾 中国省	アジア	200,536
87	リベリア	アフリカ	185,000
88	ギニアビサウ	アフリカ	168,000
89	ガンビア	アフリカ	154,000
90	クウェート	アジア	151,234
91	イスラエル	アジア	148,000
92	シエラレオネ	アフリカ	134,000
93	パラグアイ	南アメリカ	120,300
94	コンゴ	アフリカ	118,795
95	東ティモール	アジア	100,000
96	キューバ	南アメリカ	97,000
97	フィジー	オセアニア	90,000
98	ガボン	アフリカ	88,560
99	コモロ	アフリカ	85,000
100	スイス	ヨーロッパ	79,977
101	日本	アジア	78,500
102	グアテマラ	南アメリカ	76,000
103	ノルウェー	ヨーロッパ	71,870
104	ドイツ	ヨーロッパ	70,075
105	オーストラリア	オセアニア	70,000
106	モーリシャス	アフリカ	69,000
107	ガイアナ	南アメリカ	66,000
108	カーボベルデ	アフリカ	65,000
109	タイ	アジア	63,138
110	グアドループ	南アメリカ	57,000
111	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	47,000
112	カタール	アジア	39,115
113	オーストリア	ヨーロッパ	37,231
114	オランダ	ヨーロッパ	35,000
115	レユニオン	アフリカ	32,700
116	ラオス人民民主共和国	アジア	32,000
117	ニュージーランド	オセアニア	28,192
118	プエルトリコ	南アメリカ	26,000
119	ホンジュラス	南アメリカ	24,767
120	マルティニーク	南アメリカ	22,800
121	カナダ	北アメリカ	21,000
122	ブータン	アジア	16,100
123	バルバドス	南アメリカ	15,000
124	エルサルバドル	南アメリカ	13,500
125	ハンガリー	ヨーロッパ	13,500
126	バハマ	南アメリカ	13,244
127	バーレーン	アジア	13,200
128	ウルグアイ	南アメリカ	12,000
129	フランス領ポリネシア	オセアニア	11,960
130	トンガ	オセアニア	11,850
131	バヌアツ	オセアニア	10,550
132	グレナダ	南アメリカ	10,519
133	ニューカレドニア	オセアニア	10,000
134	セントクリストファー・ネイビス	南アメリカ	9,560
135	セントルシア	南アメリカ	9,042
136	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	8,000
137	マルタ	ヨーロッパ	7,210
138	赤道ギニア	アフリカ	7,100
139	スリナム	南アメリカ	6,657
140	ニカラグア	南アメリカ	6,400
141	パナマ	南アメリカ	6,200
142	ドミニカ	南アメリカ	5,500
143	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	3,600
144	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,400
145	セーシェル	アフリカ	3,300
146	クック諸島	オセアニア	2,700
147	フィンランド	ヨーロッパ	2,000
148	パプアニューギニア	オセアニア	1,650
149	コスタリカ	南アメリカ	1,300
150	ベリーズ	南アメリカ	1,100
151	ブルネイ ダルサラーム	アジア	1,000
152	フランス領ギアナ	南アメリカ	850
153	シンガポール	アジア	600
154	中国、香港特別行政区	アジア	350
155	アイスランド	ヨーロッパ	300
156	ツバル	オセアニア	12
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1978年度におけるヤギ飼養頭数のランキングは、各国の畜産業の特性や地域的なニーズを反映しています。インドが1位に位置していることは、ヤギがインドの農村地域で重要な収入源であり、また多くの菜食主義者がいるインドにおいて乳製品供給源としてヤギが重宝されていることを示しています。同様に、中国も多様な地理条件のもとでヤギ飼育が盛んであり、肉、乳、毛など多目的に活用されています。これらの国々ではヤギが地域農業と人々の生活に深く関わっていることが伺えます。

一方で、日本やドイツ、イギリスなどの先進国ではヤギの飼養頭数は相対的に少なく、100位以下のランクとなっています。こうした背景として、これらの国々の畜産業が牛や豚を中心に発展してきた歴史や、ヤギ肉およびヤギ乳が一般的には消費されにくい食文化が影響していると考えられます。

ランキングの全体的な分布を見ると、高順位の国々はインド、中国、パキスタン、トルコ、ソマリアといったアジアおよびアフリカ地域に多く、これは農村社会におけるヤギの重要性を物語っています。ヤギは乾燥地帯や牧草が乏しい地域でも飼育可能であり、その生命力の強さがアフリカのソマリアやニジェールといった地域での飼養を支えています。また、これらの国々の一部は経済的に厳しい状況にあるため、低コストで飼育可能なヤギが人々の暮らしを支える役割を果たしていると言えるでしょう。

一方で課題として、ヤギの飼養がもたらす環境負荷や土地の過放牧問題が挙げられます。土地の荒廃や砂漠化は、特にアフリカや中東など乾燥地帯の地域課題として深刻視されています。この状況を改善するためには、飼育頭数の適正化や牧草地の管理、さらには持続可能な農業技術の導入が必要となります。また、地球規模での気候変動が進む中で、日照時間や降雨不足による食糧供給リスクに備えた国際的な協力も重要です。

さらに、ヤギ乳や肉の需要増加を受けて、地域間での畜産品貿易が今後の課題となるでしょう。特に、ヨーロッパや北アメリカでの需要が増加する一方、生産地と消費地の地理的ギャップがあることは、物流や食品輸出規制の課題を明らかにしています。例えば、輸出に必要な衛生基準や検疫ルールの統一が求められると同時に、温室効果ガス削減の観点から地域生産・地域消費への転換も考える必要があります。

過去のデータから将来の傾向を示唆するならば、アジアやアフリカにおける人口増加と食糧需要の高まりに加え、都市化がヤギの飼養にも影響を及ぼす可能性があります。例えば、都市近郊での小規模飼育モデルや持続可能性を重視した「アグリビジネス」としてのヤギ農業が普及するかもしれません。

結論として、1978年のヤギ飼養頭数ランキングは単なる数値以上の意味を持ち、そこからは各国の地理的条件、経済状況、文化的背景が浮かび上がります。今後、持続可能な畜産の枠組みを国際的に整備し、ヤギという多機能な家畜の可能性をさらに引き出すことで、人類と環境の調和ある発展が実現するでしょう。国際機関や各国の政策立案者は、こうした観点を踏まえた施策を推進すべきです。