世界のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）のデータによると、2021年度のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量ランキングでは、中国が7,328,888トンで世界1位を占め、世界の圧倒的な生産リーダーとして位置づけられています。2位のウクライナは1,314,540トン、3位のロシア連邦は1,105,086トンと続きます。これらの上位3カ国は他国に対して大きな生産差を見せています。一方、日本は174,300トンで28位に位置しており、同じアジア地域内の主要生産国である中国やバングラデシュ（8位：696,000トン）に大きく遅れを取っていることがうかがえます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	7,328,888
2	ウクライナ	ヨーロッパ	1,314,540
3	ロシア連邦	ヨーロッパ	1,105,086
4	アメリカ合衆国	北アメリカ	1,063,438
5	スペイン	ヨーロッパ	789,780
6	トルコ	アジア	771,651
7	メキシコ	南アメリカ	738,009
8	バングラデシュ	アジア	696,000
9	イタリア	ヨーロッパ	601,660
10	インドネシア	アジア	539,395
11	パキスタン	アジア	466,121
12	マラウイ	アフリカ	428,931
13	アルジェリア	アフリカ	404,851
14	フランス	ヨーロッパ	403,590
15	モロッコ	アフリカ	329,177
16	キューバ	南アメリカ	323,650
17	ポーランド	ヨーロッパ	316,300
18	スリランカ	アジア	281,182
19	南アフリカ	アフリカ	276,449
20	フィリピン	アジア	267,943
21	ルワンダ	アフリカ	264,821
22	ニジェール	アフリカ	261,415
23	アルゼンチン	南アメリカ	261,336
24	大韓民国	アジア	242,914
25	ペルー	南アメリカ	217,267
26	イラン（イスラム共和国）	アジア	188,834
27	カメルーン	アフリカ	178,221
28	日本	アジア	174,300
29	ポルトガル	ヨーロッパ	162,820
30	エジプト	アフリカ	152,900
31	コロンビア	南アメリカ	151,509
32	ドイツ	ヨーロッパ	141,600
33	ニュージーランド	オセアニア	136,025
34	シリア・アラブ共和国	アジア	132,610
35	カナダ	北アメリカ	129,040
36	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	119,839
37	タイ	アジア	107,804
38	ヨルダン	アジア	101,244
39	グアテマラ	南アメリカ	95,716
40	オーストラリア	オセアニア	91,710
41	チリ	南アメリカ	84,623
42	チュニジア	アフリカ	84,511
43	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	71,660
44	南スーダン	アフリカ	68,578
45	ガイアナ	南アメリカ	66,364
46	サウジアラビア	アジア	64,650
47	ギリシャ	ヨーロッパ	60,810
48	ジャマイカ	南アメリカ	59,226
49	中国、台湾 中国省	アジア	52,070
50	ベルギー	ヨーロッパ	50,580
51	ドミニカ共和国	南アメリカ	42,533
52	パレスチナ国	アジア	39,514
53	オランダ	ヨーロッパ	36,110
54	イラク	アジア	35,579
55	スーダン	アフリカ	34,113
56	リビア	アフリカ	33,982
57	ハンガリー	ヨーロッパ	32,310
58	アルバニア	ヨーロッパ	30,912
59	コンゴ民主共和国	アフリカ	30,722
60	中央アフリカ共和国	アフリカ	30,109
61	マリ	アフリカ	29,970
62	アラブ首長国連邦	アジア	29,701
63	アゼルバイジャン	アジア	29,534
64	オーストリア	ヨーロッパ	27,820
65	レバノン	アジア	26,946
66	ウルグアイ	南アメリカ	26,526
67	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	24,683
68	ホンジュラス	南アメリカ	22,965
69	マレーシア	アジア	21,750
70	モーリシャス	アフリカ	21,635
71	パナマ	南アメリカ	21,387
72	トンガ	オセアニア	20,466
73	ルーマニア	ヨーロッパ	19,320
74	コートジボワール	アフリカ	19,307
75	セネガル	アフリカ	17,261
76	ブルガリア	ヨーロッパ	16,900
77	オマーン	アジア	15,446
78	クウェート	アジア	11,745
79	モルドバ共和国	ヨーロッパ	11,500
80	カタール	アジア	9,624
81	スウェーデン	ヨーロッパ	9,380
82	プエルトリコ	南アメリカ	8,844
83	パラグアイ	南アメリカ	8,740
84	エルサルバドル	南アメリカ	8,491
85	スイス	ヨーロッパ	8,365
86	イスラエル	アジア	6,508
87	リトアニア	ヨーロッパ	5,970
88	ブータン	アジア	5,695
89	クロアチア	ヨーロッパ	5,200
90	スロベニア	ヨーロッパ	5,010
91	エクアドル	南アメリカ	4,324
92	マルタ	ヨーロッパ	4,050
93	グルジア	アジア	3,900
94	キルギスタン	アジア	3,589
95	バーレーン	アジア	3,350
96	ラトビア	ヨーロッパ	2,800
97	スロバキア	ヨーロッパ	2,710
98	キプロス	アジア	2,700
99	フィンランド	ヨーロッパ	2,500
100	バハマ	南アメリカ	2,116
101	フィジー	オセアニア	1,977
102	ドミニカ	南アメリカ	1,826
103	カーボベルデ	アフリカ	1,525
104	モザンビーク	アフリカ	1,086
105	アイルランド	ヨーロッパ	1,040
106	デンマーク	ヨーロッパ	890
107	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	741
108	ハイチ	南アメリカ	640
109	ブルネイ ダルサラーム	アジア	617
110	バルバドス	南アメリカ	454
111	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	413
112	セントルシア	南アメリカ	388
113	グレナダ	南アメリカ	387
114	ルクセンブルク	ヨーロッパ	300
115	中国、香港特別行政区	アジア	240
116	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	195
117	パプアニューギニア	オセアニア	151
118	フランス領ポリネシア	オセアニア	120
119	ベリーズ	南アメリカ	100
120	ジブチ	アフリカ	17
121	ナウル	オセアニア	0
+ すべての国を見る

このデータは、カボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン（以下「カボチャ類」）の生産量について世界各国の生産状況を定量的に示しており、食糧安全保障、農業の国際競争力、地域ごとの気候条件や地政学的背景が与える影響を考察する上で貴重な情報を提供しています。

まず、中国が世界の生産量の約50％以上を占めるリーダーである点が特徴的です。その背後には、広大な耕作地や生産効率を高める大規模な農業技術の進展、巨大な国内市場への需要があります。一方、2位のウクライナや3位のロシア連邦も高い生産力を示していますが、地政学的なリスクが影響を与える側面があります。特に、近年ウクライナとロシア間での地域紛争により、安定した農業生産が損なわれる可能性が懸念されています。これらのリスクは、輸出先の交渉や物流網への影響としても表れるでしょう。

アメリカ合衆国は4位で、約1,063,438トンを生産しており、主に国内のハロウィンや感謝祭などの伝統行事での需要が生産の推進力となっています。これとは対照的に、日本の生産量は174,300トンで28位に留まっています。この相対的な低生産量は、耕作地の面積の制約や少子高齢化による農業人口減少が影響していると考えられます。

他のアジア地域で注目すべきは8位のバングラデシュ（696,000トン）で、国内市場向けの消費が高い一方、インフラの改善次第では輸出競争力を高める可能性を秘めています。さらに、5位のスペインや6位のトルコも高い生産力を維持しており、これらの国々でも地中海性気候が生産に適している点が伺えます。

課題として、日本を含むいくつかの国々では、小規模農業者への技術支援が依然として不十分であることが挙げられます。また、気候変動が野菜の育成に影響を及ぼし、生産量が不安定になるリスクも顕在化しています。これらの課題を克服するためには、効率的な農業技術の導入、地域間の協力ネットワークの強化、気候変動対策としての適応型農業の推奨などが必要です。

地政学的な背景を考慮すると、ウクライナとロシアの紛争が世界的な食糧供給に与える影響に関しては引き続き注視する必要があります。同時に、物流や市場価格への影響が競争力の差を生む可能性も高いです。これらを考慮し、国際機関は生産能力を高めるための技術協力と情報共有を進めるべきでしょう。

未来に向けた具体的な提言としては、各国政府が農業分野での研究開発投資を拡大すること、そして若年層の農業参入を促す政策を取り入れることが挙げられます。さらに、国際市場ではフェアトレード（公正な取引）を推進し、持続可能な農業モデルを組み込むことが重要です。特に、世界規模で需要が高まる中、カボチャ類が貴重な食材として広がりを見せることが期待されています。そして、これに対応するためのサプライチェーン改善も欠かせないでしょう。

総じて、このランキングは、各国が食糧安全保障と輸出競争力のバランスを取る上で重要な指標です。食料生産の安定性を確保しつつ、将来的な変化に柔軟に対応するための具体的な行動が必要です。これが実現すれば、全世界的な食糧供給の課題に対し、より持続可能な解決策を提供することができるでしょう。