Skip to main content

プエルトリコのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、プエルトリコのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は、2023年で10,825トンとなっています。この生産量は、近年の低迷からやや回復の兆しを見せていますが、1960年代や1980年代のピーク時に比べてかなり落ち込んだ状態にあります。特に2010年代以降、顕著な減少が見られ、2018年の7,819トンが最低値となっています。その後、緩やかな回復が見られるものの、依然として大きな課題が残されています。

---

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 10,825
25.99% ↑
2022年 8,592
-2.84% ↓
2021年 8,844
-3.29% ↓
2020年 9,145
22.25% ↑
2019年 7,480
-4.33% ↓
2018年 7,819
-21.62% ↓
2017年 9,976
-6.71% ↓
2016年 10,694
-21.58% ↓
2015年 13,637
23.85% ↑
2014年 11,010
-4.84% ↓
2013年 11,570
-8.78% ↓
2012年 12,684
3.5% ↑
2011年 12,255
-3.88% ↓
2010年 12,751
-1.5% ↓
2009年 12,945
-2.35% ↓
2008年 13,256
-4.04% ↓
2007年 13,814
-1.4% ↓
2006年 14,011
-1.71% ↓
2005年 14,254
9.53% ↑
2004年 13,014
0.35% ↑
2003年 12,968
-6.19% ↓
2002年 13,824
-11.98% ↓
2001年 15,705
-7.76% ↓
2000年 17,027
10% ↑
1999年 15,479
-18.1% ↓
1998年 18,900
3% ↑
1997年 18,350
12.38% ↑
1996年 16,329
-6.49% ↓
1995年 17,463
-12.7% ↓
1994年 20,004
-6.17% ↓
1993年 21,319
-2.69% ↓
1992年 21,908
-0.44% ↓
1991年 22,004
7.8% ↑
1990年 20,412
-7.22% ↓
1989年 22,000
9.24% ↑
1988年 20,140
0.57% ↑
1987年 20,026
5.12% ↑
1986年 19,051
-0.94% ↓
1985年 19,232
-1.85% ↓
1984年 19,595
-2.91% ↓
1983年 20,183
2.52% ↑
1982年 19,686
-5.24% ↓
1981年 20,775
15.95% ↑
1980年 17,917
0.76% ↑
1979年 17,781
0.51% ↑
1978年 17,690
9.86% ↑
1977年 16,103
0.01% ↑
1976年 16,102
10.93% ↑
1975年 14,515
-9.86% ↓
1974年 16,102
24.56% ↑
1973年 12,927
-9.53% ↓
1972年 14,288
8.62% ↑
1971年 13,154 -
1970年 13,154
-4.29% ↓
1969年 13,744
1% ↑
1968年 13,608 -
1967年 13,608
-6.25% ↓
1966年 14,515
-5.99% ↓
1965年 15,440
15% ↑
1964年 13,426
-5.13% ↓
1963年 14,152
5.05% ↑
1962年 13,472
1.71% ↑
1961年 13,245 -

プエルトリコのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産統計データを見ると、過去60年以上にわたる変動の大きな推移が確認できます。1960年代は生産量が年間13,000トン前後で推移しており、1980年代には20,000トンを超える年もありました。この時期は豊作期とも言える時期であり、農業の安定性も比較的高かったと考えられます。しかし、1990年代以降、徐々に生産量が減少し始め、2010年以降はさらに下落傾向が強まっています。

特に注目すべき点は、2017年から2018年にかけての急激な減少です。この期間はハリケーン・マリアの影響が大きかったとされています。2017年にはプエルトリコ全土に大規模な被害をもたらし、農地や水源への甚大な影響があり、農業生産全般が大打撃を受けました。その後、農地の復興が進む中で2020年以降回復の兆しが見られるものの、完全な復活には至っていません。

また、生産量の減少には自然災害以外にも様々な要因が関係していると考えられます。特に、プエルトリコの地政学的背景や経済的な課題が影響しています。プエルトリコはアメリカ合衆国の自治領であり、多くの産業が輸入品に依存する構造になっています。このため、地元農産物の需要が低下し、農業人口の減少や高齢化の問題も進んでいると言われています。さらに、若い労働力が都市部や海外へ流出する傾向が強まり、農業従事者の減少が生産量低下の要因として挙げられます。

2023年のデータにおいては、10,825トンという記録が示されてることから減少した生産量が持ち直しつつあると見ることができます。しかし、これは一時的な反発か、それとも長期的な回復トレンドの始まりなのかは慎重に判断する必要があります。安定した成長を実現するためには、具体的な農業政策やインフラ整備が必要です。

今後、プエルトリコが直面する課題として、特に気候変動が大きな懸念材料です。島国であるプエルトリコは自然災害のリスクが高く、台風や洪水が多発しています。このため、災害に強い農業インフラの整備が急務です。たとえば、適切な灌漑システムの導入や気候変動に対応した品種改良が必要になるでしょう。

加えて、地元農業の活性化のためには市場開拓も重要です。輸入品に対抗するために、地元産カボチャやスクワッシュのブランド化や独自性を打ち出す戦略が考えられます。たとえば、オーガニック農産物や地元文化に結びつけた「プエルトリコ産ブランド」を強調することで、国際市場での競争力を高めることができるかもしれません。

結論として、プエルトリコのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタン生産量の減少は、多岐にわたる問題が複雑に絡み合っています。しかし、的確な政策と地域独自の強みを活かした戦略によって、今後の回復と持続可能な発展が期待されます。プエルトリコ政府や国際機関は、農業人口の支援、災害対策の強化、農産物の市場競争力の向上を中心に具体的な取り組みを進めることが不可欠です。