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セネガルのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年7月時点の最新データによると、セネガルにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は、2000年の35,812トンをピークに、以降大きな変動を見せつつ、2014年以降はおおむね17,000トン台で安定しています。特に過去20年間では、2004年の49,396トンという急増と、2009年の最低値3,155トンが目立ちます。直近の2023年においては17,259トンという安定的な水準に留まっていますが、歴史的には大きな変動が見られる点が特筆されます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 17,259
-0.03% ↓
2022年 17,264
0.02% ↑
2021年 17,261
0.05% ↑
2020年 17,251
-0.17% ↓
2019年 17,281
0.18% ↑
2018年 17,250
0.15% ↑
2017年 17,224
-0.83% ↓
2016年 17,368
1.22% ↑
2015年 17,158
0.08% ↑
2014年 17,144
-3.7% ↓
2013年 17,802
-1.7% ↓
2012年 18,111
-15.41% ↓
2011年 21,411
-30.67% ↓
2010年 30,882
878.83% ↑
2009年 3,155
-73.2% ↓
2008年 11,774
-52.87% ↓
2007年 24,980
-1.81% ↓
2006年 25,440
185.04% ↑
2005年 8,925
-81.93% ↓
2004年 49,396
145.75% ↑
2003年 20,100
-21.61% ↓
2002年 25,640
-1.76% ↓
2001年 26,100
-27.12% ↓
2000年 35,812 -

セネガルにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量の推移は、農業生産の歴史的背景や環境の影響、そして地政学的な要因が複雑に絡み合っています。このデータを見ると、2000年から2004年にかけての高生産量、2005年から2009年にかけての激減、そして2014年から今日までの安定期という三つの主要な時期に分けることができます。

まず、2000年から2004年の期間はセネガルの農業政策が比較的順調であり、気候条件にも恵まれていたと推測されます。この背景には、農作物の価格が比較的安定しており、また地域内での需要が高かったことが考えられます。しかし、2005年以降、政治的・経済的な混乱、降雨量の不安定さ、そして地球温暖化に伴う気候変動が影響し、2009年の3,155トンという急激な減少につながりました。これは周辺地域での作物政策の失敗や貿易の縮小、インフラ不足など、複合的な理由によるものとも考えられます。

一方で、2014年以降の生産量の安定は評価に値します。この期間には、灌漑設備の拡充、一部地域での技術指導の強化、また国際的な農業支援などが寄与したとみられます。この安定は、セネガル国内の食料安全保障の観点からは重要であり、一部輸出市場も見られることが生産量の維持に関与した可能性があります。しかし、この安定がほぼ横ばいの17,000トン台であることを考えると、国内需要の増加や輸出機会を踏まえると、さらなる生産増加が課題であることが分かります。

2020年代に入ってからの持続可能な生産上の課題としては、まず気候変動への適応が挙げられます。セネガルは干ばつや洪水などの自然災害のリスクが高まる地域であり、食料作物の安定生産を脅かしています。さらに、セネガルを取り巻く地政学的要因も無視できません。西アフリカ地域での農産物市場の競争や、輸出に関する政策の不確実性が生産量や市場価格に影響を与える可能性があります。具体的な政策提言としては、灌漑システムのさらなる改良、気候変動に強い作物の品種改良、そして地域間での農業技術共有が効果的であると考えられます。

また、新型コロナウイルス感染症の流行は、農作物の販売チャネルや物流に一定の影響を与えました。しかし、セネガルのデータを見る限り、パンデミックの影響下でも生産量はほぼ横ばいを維持しており、その点では国内の農業基盤の堅牢さを示しています。ただし、パンデミック後の世界的な食料安全保障の議論の中で、輸出ポテンシャルの向上や輸出市場の多角化を進めることは、セネガル農業の発展に大きく貢献すると考えられるでしょう。

最終的に、セネガルのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタン生産量の推移は、地域ごとの問題を超えたグローバルな食料問題と密接に関わっています。セネガル政府や国際機関は、気候変動への適応、技術面での支援、そして効率的な作物市場の形成を通じて、農業セクターの持続可能性を高めるべきです。このような取り組みは、食料安全保障を向上させるだけでなく、農業が地域の経済をけん引する柱となるための重要なステップとなるでしょう。