最新のFAOのデータによると、ホンジュラスにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は、1990年の1,100トンから2022年には24,641トンと、30年以上で約22倍に増大しました。しかし、2023年には17,702トンに減少しており、近年の生産量は不安定な動きを見せています。この急激な増加と減少の背後には、農業技術の発展や気候変動、新型コロナウイルスパンデミックの影響など、複数の要素が関連していると考えられます。
ホンジュラスのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 17,702 |
-28.16% ↓
|
2022年 | 24,641 |
7.29% ↑
|
2021年 | 22,965 |
9.44% ↑
|
2020年 | 20,984 |
-6.17% ↓
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2019年 | 22,365 |
11.82% ↑
|
2018年 | 20,000 |
25% ↑
|
2017年 | 16,000 |
13.48% ↑
|
2016年 | 14,100 |
8.46% ↑
|
2015年 | 13,000 |
22.64% ↑
|
2014年 | 10,600 |
0.95% ↑
|
2013年 | 10,500 |
162.5% ↑
|
2012年 | 4,000 |
1.59% ↑
|
2011年 | 3,937 |
2.27% ↑
|
2010年 | 3,850 |
2.37% ↑
|
2009年 | 3,761 |
2.27% ↑
|
2008年 | 3,677 |
2.14% ↑
|
2007年 | 3,600 |
7.46% ↑
|
2006年 | 3,350 |
1.33% ↑
|
2005年 | 3,306 |
1.5% ↑
|
2004年 | 3,257 |
1.53% ↑
|
2003年 | 3,208 |
1.55% ↑
|
2002年 | 3,159 |
12.82% ↑
|
2001年 | 2,800 |
12% ↑
|
2000年 | 2,500 |
-0.38% ↓
|
1999年 | 2,510 |
4.57% ↑
|
1998年 | 2,400 |
0.67% ↑
|
1997年 | 2,384 |
1.97% ↑
|
1996年 | 2,338 |
1.92% ↑
|
1995年 | 2,294 |
-8.24% ↓
|
1994年 | 2,500 |
-2% ↓
|
1993年 | 2,551 |
109.79% ↑
|
1992年 | 1,216 |
3.14% ↑
|
1991年 | 1,179 |
7.18% ↑
|
1990年 | 1,100 | - |
ホンジュラスのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量データを振り返ると、1990年代から2000年代前半にかけては緩やかな増加が見られました。1990年の1,100トンから2000年には約2.5倍の2,500トンへと成長しています。この時期は主に国内市場向けの小規模生産であり、農業発展に必要な技術や資本の不足が生産量の増加を抑える要因になっていました。
2000年代後半から2010年代にかけては、緩やかな増加に加えて、顕著な成長も見られるようになります。特に2013年から顕著な変化があり、生産量は10,500トンと、それまでの約2倍近い急成長を記録しました。その後、2022年には歴史的なピークである24,641トンに達しました。この時期の急激な伸びには、ホンジュラス国内の農業技術の向上、政府による輸出促進政策、農業従事者への教育や支援プログラムの拡充が寄与したとみられます。
一方で、2023年には17,702トンと生産量が減少しています。この減少の背景として挙げられるのは気候変動です。ホンジュラスは台風や干ばつの影響を受けやすい地理的条件にあります。また、2020年代初頭の新型コロナ関連の社会的・経済的混乱も、労働力や供給網に影響を及ぼし、農業生産に直接的なダメージを与えました。このような不安定要素が増える中、2023年の生産量減少に繋がった可能性があります。
ホンジュラスの農業セクターにおける課題として重要なのは、灌漑技術の発展や気候変動への対応です。効率的で持続可能な農業を目指すためには、先進国や国際機関と共同で気候適応型農業技術を導入し、小規模農家へ普及させることが重要です。また、所得格差が大きいホンジュラスでは、農業従事者が公平に利益を得られる仕組みを整備することも課題です。これには、国内外での市場拡大を目指した農産物のブランド化や付加価値の高い商品の開発も含まれます。
地域的な競争力向上の観点では、近隣国との農業協力の推進も鍵となります。例えば、近年著しい経済成長を遂げるメキシコやコスタリカに向けた輸出ポテンシャルを最大化するため、インフラの整備や物流網の強化が必要です。さらに、他国の成功事例から学ぶため、日本や韓国といった農業技術の先進国から積極的に技術移転を受けることも視野に入れるべきです。
長期的には、地政学的リスクを軽減するため、特に中米地域での気候変動対策や自然災害防止策にも注力する必要があります。特にホンジュラスは、農業セクターが自然災害に非常に脆弱であるため、早急な国際支援を得て緊急時のシステム構築を行うことが求められます。
結論として、ホンジュラスのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は過去30年間で大幅に増加しましたが、自然災害や気候変動、社会経済的要因による不安定が続いています。将来的には、持続可能な農業モデルを構築し、安定した生産体制を確立するための政策や国際協力が重要です。これにより、農業セクターは地域経済全体を牽引する可能性を秘めています。