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ヨルダンのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、ヨルダンのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は年ごとに大きな変動を見せています。2023年の生産量は86,303トンとなり、2021年に記録した最大値の101,244トンを下回っていますが、依然として2000年代初期と比べ高い水準を維持しています。全体的な傾向として、特に1960~70年代の不安定な推移から1990年代以降は生産量が徐々に底上げされ、2020年代には大幅な増加傾向が見られるという特徴があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 86,303
-10.94% ↓
2022年 96,909
-4.28% ↓
2021年 101,244
18.39% ↑
2020年 85,514
61.22% ↑
2019年 53,043
-7.33% ↓
2018年 57,237
-20.96% ↓
2017年 72,411
-5.62% ↓
2016年 76,722
18.44% ↑
2015年 64,777
7.96% ↑
2014年 60,002
-23.71% ↓
2013年 78,653
14.04% ↑
2012年 68,967
-25.94% ↓
2011年 93,118
33.68% ↑
2010年 69,655
17.55% ↑
2009年 59,256
21.42% ↑
2008年 48,803
-10.48% ↓
2007年 54,519
-11.85% ↓
2006年 61,849
-14.48% ↓
2005年 72,324
30.23% ↑
2004年 55,537
-7.46% ↓
2003年 60,014
25.89% ↑
2002年 47,671
-17.04% ↓
2001年 57,462
16.12% ↑
2000年 49,484
38.51% ↑
1999年 35,727
-4.23% ↓
1998年 37,306
2.48% ↑
1997年 36,404
28.63% ↑
1996年 28,301
-41.16% ↓
1995年 48,100
69.28% ↑
1994年 28,414
82.99% ↑
1993年 15,528
-51.24% ↓
1992年 31,845
21.95% ↑
1991年 26,114
-24.75% ↓
1990年 34,701
64.87% ↑
1989年 21,048
-32.86% ↓
1988年 31,348
-8.61% ↓
1987年 34,302
-6.91% ↓
1986年 36,850
-25.59% ↓
1985年 49,525
15.98% ↑
1984年 42,702
-11.04% ↓
1983年 48,000
16.21% ↑
1982年 41,304
-10.81% ↓
1981年 46,312
4.94% ↑
1980年 44,130
12.78% ↑
1979年 39,128
-14.06% ↓
1978年 45,529
56.85% ↑
1977年 29,027
72.68% ↑
1976年 16,810
973.44% ↑
1975年 1,566
-82.44% ↓
1974年 8,916
-22.74% ↓
1973年 11,540
36.18% ↑
1972年 8,474
18.62% ↑
1971年 7,144
-40.32% ↓
1970年 11,970
276.18% ↑
1969年 3,182
-72.06% ↓
1968年 11,387
-48.12% ↓
1967年 21,949
-0.23% ↓
1966年 22,000
-4.56% ↓
1965年 23,052
-0.72% ↓
1964年 23,219
17.02% ↑
1963年 19,842
-0.64% ↓
1962年 19,970
10.26% ↑
1961年 18,111 -

ヨルダンにおけるカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量推移を時系列的に分析すると、いくつかの重要なパターンや特徴が浮かび上がります。まず、1960年代から1970年代初頭にかけて、天候変動や農業技術の未整備、さらには地域的な地政学的リスクが影響し、生産量が3,000トン台にまで低下した年も確認されます。このような時期には、1967年の第三次中東戦争やそれに続く経済的不安定が農業生産に負の影響を与えた可能性があります。

一方、1978年以降には生産量の安定化と増加が見られ、1980年代にはおおむね30,000~50,000トンの水準を維持しました。この向上の背景には、ヨルダン国内の灌漑システムの整備や農業用水の計画的配分が挙げられるでしょう。また、1980年代後半から1990年代にかけて再び減少する時期もありましたが、これには周辺諸国の紛争や水資源の管理に関連する課題が影響したと考えられます。

2000年代に入り、特に2001年以降、生産量が50,000トンを上回る安定した基準を確立し始め、2005年には初めて70,000トンを超えました。これは、農業技術の近代化やヨルダン政府の農業政策の改善に起因するとみられます。また、2020年には85,514トンを記録し、2021年には過去最高の101,244トンに達しました。この成長は、地域の需要増加だけでなく、輸出用作物としての地位向上とも関連していると考えられます。

しかし、2022年および2023年には再び減少傾向が見られます。この背景として考えられる要因には、2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大による農業労働力の不足や、世界的な物流混乱が挙げられます。また、近年の気候変動により地域的な干ばつや降水量の変動が影響し、生産効率が低下した可能性も高いです。

今後の課題としては、持続可能な農業を目指した水資源のさらなる効率的な管理や、降水不足に備えた気候対応型の農業政策の導入が挙げられます。また、ヨルダン国内外のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン需要を長期的に見据えた輸出戦略の強化も重要です。例えば、高品質化を目指し、海外市場での競争力を高める施策が必要となるでしょう。

結論として、ヨルダンのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産は、数十年に渡る改善の取り組みによって大幅に向上しましたが、新たに現れる農業の課題に対応する柔軟性が求められます。国際機関や地域協力を通じ、技術支援や資源配分の強化を図ることで、生産の安定性を高めることが期待されます。これにより、国内の食料安全保障だけでなく、輸出による経済面での利点をも得られる可能性があります。