Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによると、ハイチのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は1990年の200トンから2023年の648トンへと、長期的には増加傾向にあります。特に1990年代から2012年にかけては安定した成長が見られ、2012年には初めて600トンを突破しました。しかし、2013年以降は生産量の伸びが鈍化し、一部の年で減少が見られることもあります。最近のデータでは、2020年以降600トン台で推移しており、横ばいの状況が続いています。
ハイチのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 648 |
1.22% ↑
|
2022年 | 640 |
0.05% ↑
|
2021年 | 640 |
-0.49% ↓
|
2020年 | 643 |
0.83% ↑
|
2019年 | 638 |
-0.18% ↓
|
2018年 | 639 |
-2.06% ↓
|
2017年 | 653 |
4.89% ↑
|
2016年 | 622 |
-3.19% ↓
|
2015年 | 643 |
3.01% ↑
|
2014年 | 624 |
3.99% ↑
|
2013年 | 600 | - |
2012年 | 600 |
4.88% ↑
|
2011年 | 572 |
3.11% ↑
|
2010年 | 555 |
3.21% ↑
|
2009年 | 538 |
3.32% ↑
|
2008年 | 520 |
3.44% ↑
|
2007年 | 503 |
3.56% ↑
|
2006年 | 486 |
3.7% ↑
|
2005年 | 468 |
3.84% ↑
|
2004年 | 451 |
4% ↑
|
2003年 | 434 |
4.17% ↑
|
2002年 | 416 |
4.35% ↑
|
2001年 | 399 |
4.55% ↑
|
2000年 | 382 |
4.77% ↑
|
1999年 | 364 |
5.01% ↑
|
1998年 | 347 |
5.28% ↑
|
1997年 | 329 |
5.58% ↑
|
1996年 | 312 |
5.92% ↑
|
1995年 | 295 |
6.34% ↑
|
1994年 | 277 |
6.91% ↑
|
1993年 | 259 |
7.76% ↑
|
1992年 | 240 |
8.97% ↑
|
1991年 | 221 |
10.33% ↑
|
1990年 | 200 | - |
ハイチにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量データを見ると、過去30年以上の間に生産量が着実に増加してきた経緯が明らかになっています。1990年代前半から2000年代にかけては一貫した増加傾向があり、これは農業技術の改善や栽培面積の拡大、国際市場の需要増加などが要因となった可能性があります。この時期の平均増加率は約10トン前後を誇り、特に2006年から2012年にかけての伸びは顕著でした。2012年には、生産量が600トンを突破し、国の農業分野においてひとつの成功事例を示しました。
一方で、2013年以降のデータを見ると、生産量の伸びは鈍化し、2016年には622トンまで減少しました。その後は再び増加しましたが、2020年以降は640トン前後で横ばいの動きを示しています。この要因として、自然災害、地政学的リスク、農業従事者の高齢化や苗木・肥料などの農業資材の不足、新型コロナウイルスの影響による物流の遅滞などが考えられます。特にハイチは、地震やハリケーンといった自然災害の影響を頻繁に受ける地域であり、これが農作物全般の生産量に大きな影響を与えています。また、政治的不安定性や社会問題も農家の活動にかかる負担を増大させていると考えられます。
さらに、2013年以降の生産量が減速した背景には、国内外の需要と供給のバランスにも注目する必要があります。他の国、例えばアメリカや中国などからの安価な輸入製品が増加することで、ハイチ国内の生産活動が抑制される可能性があります。また、農業への資金や技術的支援が不足していることも、地元農家の競争力を低下させている一因です。
対策としては、まず第一に、災害に強い農業を実現するための支援が必要です。これには耐久性の高い品種の開発、災害後の農業再建プランの策定、農業従事者への教育や技術指導が含まれます。また、地元で生産されたカボチャやスクワッシュ、ヒョウタンの付加価値を高める取り組みも重要です。これにより、単なる生産量の増加だけでなく、農家の収益向上にも寄与するでしょう。
さらに、地域間協力を強化し、隣国や国際市場との連携を深めていくことが求められます。これには、輸出を促進するための物流インフラの整備や、国際的なフェアトレードの仕組みを活用することが含まれます。加えて、農業分野における地元の若者への啓発運動を展開し、次世代の働き手を確保することも重要です。
総じて、ハイチにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は、長期的な視野では増加傾向を維持していますが、近年の伸び悩みは国家の農業発展に関わる多くの課題を浮き彫りにしています。この分野の成長を持続的に促進するためには、気候変動や社会経済的課題に立ち向かう包括的な戦略が必要です。国際連合や地域機関のサポートを活用しながら、ハイチ国内での農業の安定と発展を目指すべきです。