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ドミニカのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年7月の最新データによると、ドミニカ共和国のカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は、ここ数十年で一貫して成長してきました。1979年の427トンから2023年には1,820トンと、生産量は4倍以上になっています。特に2000年代後半から顕著な増加傾向が見られましたが、近年では年間1,800トン前後で安定しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,820
0.26% ↑
2022年 1,815
-0.6% ↓
2021年 1,826
0.43% ↑
2020年 1,818
0.94% ↑
2019年 1,801
-3.1% ↓
2018年 1,859
3.57% ↑
2017年 1,795
2.54% ↑
2016年 1,750
-1.47% ↓
2015年 1,776
3.2% ↑
2014年 1,721
5.76% ↑
2013年 1,627
1.2% ↑
2012年 1,608
-10.8% ↓
2011年 1,803
45.17% ↑
2010年 1,242
-16.31% ↓
2009年 1,484
3.06% ↑
2008年 1,440
29.73% ↑
2007年 1,110
-2.14% ↓
2006年 1,134
3.61% ↑
2005年 1,095
4.59% ↑
2004年 1,047
4.44% ↑
2003年 1,002
4.1% ↑
2002年 963
4.71% ↑
2001年 919
13.51% ↑
2000年 810
0.18% ↑
1999年 809
0.77% ↑
1998年 802
0.72% ↑
1997年 797
1.85% ↑
1996年 782
-0.8% ↓
1995年 789
-1.43% ↓
1994年 800
-2.91% ↓
1993年 824
12.57% ↑
1992年 732
-1.35% ↓
1991年 742
34.42% ↑
1990年 552
-7.54% ↓
1989年 597
-20.08% ↓
1988年 747
9.05% ↑
1987年 685
-24.14% ↓
1986年 903
34.38% ↑
1985年 672
45.14% ↑
1984年 463
-3.34% ↓
1983年 479
-10.97% ↓
1982年 538
4.06% ↑
1981年 517
4.87% ↑
1980年 493
15.46% ↑
1979年 427 -

ドミニカ共和国のカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量推移を振り返ると、1979年から2023年にかけて着実に拡大していることが確認できます。1980年代までは500~900トン台での変動が中心でしたが、1990年代になると生産量が徐々に安定し、2000年代以降には1,000トンを超える規模へと成長しました。特に2008年以降、それまでの生産量を大きく上回る増加が目立ち始め、2011年には1,800トンを突破しました。その後、ここ10年では1,800トン前後の水準で推移しています。

この長期的な増加の背景には、農業技術の進歩や作付面積の拡大が挙げられます。また、ドミニカ共和国は熱帯気候を有しており、カボチャやスクワッシュなどの比較的強い作物の生育に適した条件が揃っています。一方で、自然災害の影響が生産量に影響を及ぼす場合もあり、2010年の生産量がやや低下した背景にはハリケーンなどの気象条件が関与した可能性が高いと言えます。

しかし、近年の安定した生産水準を維持する背後には、国内外での需要の伸長があります。カボチャやスクワッシュはビタミンや食物繊維が豊富で健康食品としても評価されており、アメリカやヨーロッパ諸国に向けた輸出も増加しています。これにより、持続可能な市場の形成が進んでいることが分かります。他方で、COVID-19パンデミックにより2020年以降の国際的な貿易構造が変化する中、輸送コストの上昇や物流の停滞が課題として浮き彫りになりました。

このような状況下で、ドミニカ共和国が持続可能な農業を確立するためには、いくつかの具体的な対策が必要です。まず、気候リスクへの対応として、灌漑システムの整備や耐性の強い品種の導入が重要です。また、グローバルサプライチェーンの影響を軽減するため、国内市場の需要を喚起する取り組みや地域間協力による物流の強化を検討することが求められます。さらに、デジタル技術を活用した生産性の向上と市場連携の強化も競争力を高める重要な鍵となるでしょう。

地政学的な観点では、カボチャやスクワッシュのような作物は主に食料確保の観点から安定した輸出品目と見なされています。他国との協力強化が安定供給の実現に寄与する一方、紛争や貿易摩擦などが予期せぬ形で価格や流通に影響を及ぼす可能性もあります。そのため、政策として多様な貿易相手国を確保し、リスクを分散させることが推奨されます。

結論として、ドミニカ共和国の農業セクターは大きな成長を遂げてきましたが、今後の持続可能性を確保する上で環境対策や市場変化への柔軟な対応が不可欠です。農家の収入向上や地域経済の発展も重要なテーマとなるため、政府や国際機関が協調して農業分野の強化を推進する必要があります。

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