国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、カーボベルデのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1987年の800トンから2023年の1,609トンまで推移しており、多くの年において変動を伴っています。一部の年には急激な増減が見られる一方で、近年は2020年以降、1,500トン以上を維持し、2023年には過去最高記録となっています。この数値から、カーボベルデの農業生産が一定の改善を遂げていることがうかがえますが、依然として課題も残されています。
カーボベルデのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 1,609 |
5.15% ↑
|
2022年 | 1,530 |
0.32% ↑
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2021年 | 1,525 |
0.39% ↑
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2020年 | 1,519 |
127.06% ↑
|
2019年 | 669 |
-39.31% ↓
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2018年 | 1,102 |
39.36% ↑
|
2017年 | 791 |
44.08% ↑
|
2016年 | 549 |
-31.38% ↓
|
2015年 | 800 |
-47.37% ↓
|
2014年 | 1,520 |
64.15% ↑
|
2013年 | 926 |
-20.85% ↓
|
2012年 | 1,170 |
35.1% ↑
|
2011年 | 866 |
1.88% ↑
|
2010年 | 850 |
6.25% ↑
|
2009年 | 800 |
6.67% ↑
|
2008年 | 750 |
0.67% ↑
|
2007年 | 745 |
6.43% ↑
|
2006年 | 700 | - |
2005年 | 700 |
-0.71% ↓
|
2004年 | 705 |
-4.08% ↓
|
2003年 | 735 |
0.68% ↑
|
2002年 | 730 |
1.39% ↑
|
2001年 | 720 |
1.41% ↑
|
2000年 | 710 |
-4.51% ↓
|
1999年 | 744 |
-5.63% ↓
|
1998年 | 788 |
-6.73% ↓
|
1997年 | 845 |
-6.14% ↓
|
1996年 | 900 |
5.26% ↑
|
1995年 | 855 | - |
1994年 | 855 | - |
1993年 | 855 |
14% ↑
|
1992年 | 750 |
6.38% ↑
|
1991年 | 705 |
17.5% ↑
|
1990年 | 600 |
-42.86% ↓
|
1989年 | 1,050 | - |
1988年 | 1,050 |
31.25% ↑
|
1987年 | 800 | - |
データを見ると、カーボベルデのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、これまで様々な要因により大きな変動を見せてきたことが分かります。1987年から1990年の間に生産量が800トンから600トンと減少していることは、自然災害や干ばつの影響が関与している可能性が考えられます。この地域は降雨量の変動幅が大きく、水不足が持続的な農業の主な障壁となっています。しかし、それ以降、例えば2012年には1,170トン、2014年には1,520トンといった急激な増産が記録されています。これらの変化には、農業技術の改善や品種改良、政府や国際機関による支援が関連している可能性があります。
興味深いのは、比較的安定している2010年代のデータの一部ではありますが、2015年と2016年には生産量が再び800トンや549トンと低下している点です。これにより、地域的または一時的な要因があったと推測されます。特にカーボベルデは、大西洋の孤立した諸島国であり、地政学的な隔離性による物流問題や、気候変動の影響を受けやすい地理的立地が多大な影響を与えていると考えられます。
さらに目を引くのは、2020年以降の急激な生産量の増加です。この年には1,519トンとそれまでの平均を大きく上回り、2023年には1,609トンという記録を更新しています。これには、恐らく政府による農業振興政策や灌漑設備の導入、また国際的な支援の影響が大きいと考えられます。しかし、持続可能な農業モデルを確立することには依然として課題が残り、気候変動による将来的な影響については注意が必要です。
また、カーボベルデは主要な輸出国ではないため、これらの作物の大部分が国内で消費されている可能性が高いです。同地域における食糧安全保障の観点からは非常に喜ばしい結果ですが、他国と比較すると依然として限られた生産規模であることも否めません。例えば、中国やインドといった農業大国の生産量はこの数値を桁違いに上回ります。したがって、地域の特性を活かした特色ある農業戦略を構築することが望まれます。
将来的には、灌漑技術のさらなる導入や、気候変動に強い作物の品種改良が具体的な課題となります。また、地域間の農業協力や国際機関からの投資の呼び込みが重要です。同様に、自然災害時でも生産を安定化させるための仕組みづくりも必要です。さらに、地政学的観点からは、大西洋貿易ルートに位置する優位性を活かし、収穫物の一部を近隣アフリカ諸国や欧州諸国へ輸出する新たな経済モデルも検討されるべきです。
結論として、カーボベルデのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、困難な環境下でも着実に成長を見せています。ただし、さらなる生産拡充のためには、気候変動への適応能力を高める政策を中心に、地域レベルでの協力や支援体制の強化が不可欠です。こうした取り組みは、同時に地域の食糧安全保障を確実なものとし、経済的な自立性を高める鍵となるでしょう。