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トンガのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に更新したデータによると、トンガのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1985年の300トンから急速に増加し、1991年には22,322トンに達しています。その後、1990年代後半から2000年代初頭に生産量が上下する期間を挟み、2010年代以降は安定して19,000~20,000トン台を維持しています。2023年の生産量は20,654トンで、前年から微増しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 20,654
0.34% ↑
2022年 20,585
0.58% ↑
2021年 20,466
0.62% ↑
2020年 20,339
-0.3% ↓
2019年 20,401
1.41% ↑
2018年 20,117
0.66% ↑
2017年 19,985
0.37% ↑
2016年 19,911
0.13% ↑
2015年 19,885
1.38% ↑
2014年 19,615
0.41% ↑
2013年 19,534
-2.33% ↓
2012年 20,000
3.98% ↑
2011年 19,235
0.62% ↑
2010年 19,116
0.62% ↑
2009年 18,998
0.62% ↑
2008年 18,881
-10.09% ↓
2007年 21,000
13.36% ↑
2006年 18,524
0.78% ↑
2005年 18,380
0.8% ↑
2004年 18,234
0.63% ↑
2003年 18,119
-9.4% ↓
2002年 20,000
12.41% ↑
2001年 17,791
0.79% ↑
2000年 17,652
3.84% ↑
1999年 17,000
70% ↑
1998年 10,000
-35.7% ↓
1997年 15,552
11.08% ↑
1996年 14,000
40% ↑
1995年 10,000
-50% ↓
1994年 20,000
-4.26% ↓
1993年 20,890
99.71% ↑
1992年 10,460
-53.14% ↓
1991年 22,322
123.22% ↑
1990年 10,000
100% ↑
1989年 5,000
150% ↑
1988年 2,000
100% ↑
1987年 1,000
100% ↑
1986年 500
66.67% ↑
1985年 300 -

トンガのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1980年代後半から急激に増加し、1991年にはピークの22,322トンに達しました。この急拡大の背景には、手作業による農業生産への依存が高い中でも農地面積の拡大や輸出市場への参入が成功したことが挙げられます。当時、日本やニュージーランドなどの輸出先が確立されたことで、輸出型農業が成長しました。しかし、1992年以降は輸出市場の競争激化や価格変動、農業政策の不確定性などにより、生産量が急落する年が見られました。この変動期を経て、2010年代以降、生産量は19,000トン台から20,000トン台で安定しています。

この生産量の推移からは、トンガがカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの主要生産国としての地位を維持する努力を行ってきたことがうかがえます。ただし、安定した生産量の裏には複数の課題があります。例えば、輸出先の市場ニーズ変化に迅速に対応する体制が求められています。日本を例にとると、近年健康志向や地産地消の流れが強まり、輸入量が抑制される傾向があります。これに応じた品質管理や異なる作物への転換戦略も視野に入れる必要があります。

さらに、地政学的なリスクも見逃すべきではありません。トンガは自然災害、特にサイクロンの発生リスクが高い地域であり、生産量や輸送に直接的な影響を及ぼす可能性があります。例えば、サイクロンによる農地被害や輸出の遅延が、長期的な生産体制を脅かすリスクとなり得ます。そのため、災害対応能力や農地の保護策が一層重要になるでしょう。

これらの課題への対策としては、まず持続可能な農業を推進するための農業技術の導入が挙げられます。具体的には、気候変動の影響を軽減するための耐性品種の育成や、効率的な水資源管理の開発が必要です。また、多様な輸出市場の開拓も重要であり、アジアや太平洋諸国以外の市場に対してもマーケティング戦略を強化するべきです。さらに、輸出への依存を軽減するため、国内需要の喚起や加工品産業の育成も有望な方向性といえます。

特に2023年時点で20,654トンを記録している生産量は、安定した供給体制と輸出市場の維持に成功している一方で、現状維持にとどまることへのリスクも考えられます。今後の方向性として、トンガ政府や農業団体、さらに国際的な支援機関が連携し、気候や市場変化に強い農業体制を構築するべきです。そのためには、技術革新や市場多様化に加え、若い世代を農業に引き込むための教育・訓練プログラムも欠かせないでしょう。これにより、トンガはこれからも農業輸出国としての地位を強化し、経済的自立へとつなげていくことが期待されます。