国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、中央アフリカ共和国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量は、1961年の3,500トンから徐々に増加し、2006年には30,000トンを超えました。ただし、その後2007年から2009年までは緩やかな増加が続く一方で、2010年以降に大幅な減少が見られ、2013年には14,673トンに急落しました。2014年以降は回復が始まり、2023年には31,943トンに達し、過去最高生産量に迫る水準となりました。このような生産量の変動には、国内の紛争や気候変動が強く影響していると考えられます。
中央アフリカ共和国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 31,943 |
3% ↑
|
2022年 | 31,012 |
3% ↑
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2021年 | 30,109 |
3% ↑
|
2020年 | 29,232 |
23.32% ↑
|
2019年 | 23,705 |
4% ↑
|
2018年 | 22,793 |
4% ↑
|
2017年 | 21,917 |
0.04% ↑
|
2016年 | 21,908 |
15.18% ↑
|
2015年 | 19,020 |
4.08% ↑
|
2014年 | 18,275 |
24.55% ↑
|
2013年 | 14,673 |
-23.99% ↓
|
2012年 | 19,305 |
0.41% ↑
|
2011年 | 19,227 |
-5.32% ↓
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2010年 | 20,307 |
-38.29% ↓
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2009年 | 32,906 |
2% ↑
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2008年 | 32,261 |
2% ↑
|
2007年 | 31,628 |
5.43% ↑
|
2006年 | 30,000 |
3.45% ↑
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2005年 | 29,000 |
3.57% ↑
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2004年 | 28,000 |
3.7% ↑
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2003年 | 27,000 |
3.85% ↑
|
2002年 | 26,000 |
4% ↑
|
2001年 | 25,000 |
4.17% ↑
|
2000年 | 24,000 |
4.35% ↑
|
1999年 | 23,000 |
4.55% ↑
|
1998年 | 22,000 |
4.76% ↑
|
1997年 | 21,000 |
5% ↑
|
1996年 | 20,000 |
5.26% ↑
|
1995年 | 19,000 |
5.56% ↑
|
1994年 | 18,000 |
2.86% ↑
|
1993年 | 17,500 |
2.94% ↑
|
1992年 | 17,000 |
3.03% ↑
|
1991年 | 16,500 |
3.13% ↑
|
1990年 | 16,000 |
3.23% ↑
|
1989年 | 15,500 |
3.33% ↑
|
1988年 | 15,000 |
3.45% ↑
|
1987年 | 14,500 |
3.57% ↑
|
1986年 | 14,000 |
3.7% ↑
|
1985年 | 13,500 |
3.85% ↑
|
1984年 | 13,000 |
4% ↑
|
1983年 | 12,500 |
4.17% ↑
|
1982年 | 12,000 |
4.35% ↑
|
1981年 | 11,500 |
4.55% ↑
|
1980年 | 11,000 |
4.76% ↑
|
1979年 | 10,500 |
5% ↑
|
1978年 | 10,000 |
5.26% ↑
|
1977年 | 9,500 |
5.56% ↑
|
1976年 | 9,000 |
5.88% ↑
|
1975年 | 8,500 |
6.25% ↑
|
1974年 | 8,000 |
6.67% ↑
|
1973年 | 7,500 |
7.14% ↑
|
1972年 | 7,000 |
7.69% ↑
|
1971年 | 6,500 |
8.33% ↑
|
1970年 | 6,000 |
9.09% ↑
|
1969年 | 5,500 |
5.77% ↑
|
1968年 | 5,200 |
15.56% ↑
|
1967年 | 4,500 |
12.5% ↑
|
1966年 | 4,000 | - |
1965年 | 4,000 |
14.29% ↑
|
1964年 | 3,500 | - |
1963年 | 3,500 | - |
1962年 | 3,500 | - |
1961年 | 3,500 | - |
中央アフリカ共和国は農業が経済の基盤となっており、特に生産の中心にある作物の一つがカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンです。これらの作物は、地域の食文化や現地の栄養供給源として非常に重要な役割を果たしています。データによると、初期の1961年から1980年代までは年間約500トンから1,000トン規模の安定増加が続きました。これは、当時の農業技術の向上や、国内の比較的安定した情勢に伴うインフラ整備が生産性向上に寄与したと考えられます。
しかし、注目すべきは2010年以降の急激な生産量の低下です。2010年の20,307トンは前年の32,906トンから大幅に減少しており、2013年には14,673トンと過去最低を記録しました。この減少は、主に国内の武力衝突や紛争が引き起こした農業活動の停滞が原因とされています。特に、農地の荒廃や治安の悪化から生産力が一時的に著しく低下したことが推測されます。さらに、気候変動の影響を受ける地域でもあり、不規則な降雨や干ばつも悪影響を及ぼした可能性があります。
2014年以降、データは徐々に回復基調を示しており、2023年には31,943トンに到達しました。この回復は、国際的な援助活動や地域での農業復興プログラムが奏功している兆しといえます。また、農業従事者が適応を進め、より効果的な灌漑技術や気候変動対応型農業手法を導入していることも生産改善に寄与していると考えられます。ただし、近年の気候変動や不安定な経済状況、さらには地政学的リスクが依然として課題です。
今後、中央アフリカ共和国が農地の整備や農業技術のさらなる近代化を進めることが重要です。具体的には、持続可能な灌漑技術の普及や気候に強い作物品種の導入などが優先事項といえます。また、農業分野での地域間協力を強化し、経験の共有や共同戦略を策定することが、将来的な生産安定化に向けて重要となるでしょう。さらに、国際社会からの継続的な支援が、国内の農業再建に不可欠です。
全体として、このデータは中央アフリカ共和国の農業の変遷を示し、地域や国レベルでの課題と成果を具体的に浮き彫りにしています。過去の減少期の苦境を踏まえ、この国が未来に向けた成長を継続するためには、農業分野への積極的な投資と平和的安定が鍵となるでしょう。気候変動の影響を踏まえた政策設計も同時に求められます。国際社会は、この国の食料安全保障を確立するため、引き続き多面的な支援を提供し続ける必要があります。