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エルサルバドルのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、エルサルバドルにおけるカボチャ、スクワッシュおよびヒョウタンの生産量は、1999年以降増加傾向にあることが確認されています。その間、2004年の5,773トンという最低値と、2022年の8,554トンという最高値を記録しています。総じて、特に2009年以降は安定した増加基調が見られ、2023年にはやや微減して8,545トンとなりましたが、近年の水準を維持しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 8,545
-0.1% ↓
2022年 8,554
0.74% ↑
2021年 8,491
0.74% ↑
2020年 8,429
0.13% ↑
2019年 8,418
2.15% ↑
2018年 8,241
0.58% ↑
2017年 8,193
0.43% ↑
2016年 8,159
0.44% ↑
2015年 8,123
2.98% ↑
2014年 7,888
1.28% ↑
2013年 7,789
-2.64% ↓
2012年 8,000
4.03% ↑
2011年 7,690
0.62% ↑
2010年 7,643
-4.46% ↓
2009年 8,000
9.18% ↑
2008年 7,327
1.76% ↑
2007年 7,200
4.35% ↑
2006年 6,900
0.69% ↑
2005年 6,853
18.71% ↑
2004年 5,773
-9.96% ↓
2003年 6,411
-0.48% ↓
2002年 6,442
-0.44% ↓
2001年 6,471
-0.44% ↓
2000年 6,499
-4.42% ↓
1999年 6,800 -

エルサルバドルにおけるカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産動向を見ると、過去25年間で緩やかながらも持続した生産量の増加が見られます。1999年には6,800トンに達していましたが、2004年には5,773トンまで減少しました。この低迷の背景には、当時の天候変動や農業インフラの不足といった国内事情が影響した可能性が高いと考えられます。しかしながら、2005年以降は回復基調に入り、特に2009年以降は比較的安定した増加が続いています。

これは農業技術の改善や、作物の需要と市場価格の回復が影響したと推測されます。また、地域環境の安定化や政府による農業支援政策の強化も、生産性向上の一助となった可能性があります。とりわけ2015年以降、年間の生産量はおおむね8,000トンを超える水準で維持されており、特に2022年には8,554トンという過去最高値を記録しました。このような実績は、エルサルバドル国内における野菜生産の底上げに寄与していることを反映しています。

他国との比較を見ると、エルサルバドルの野菜生産量は国土面積や経済規模の関係もあり、他の中米諸国や世界の主要農業国(例:アメリカ、中国、インドなど)と比べると依然として少ない水準にとどまります。一方で、この地域の中規模農業における役割を担うには十分な生産量となっています。

しかしながら、持続的な増加傾向の裏にはいくつかの課題も見逃せません。気候変動による大規模な干ばつや豪雨の影響を受けるリスクがあり、災害対策が重要な課題です。また、市場の需要変動や国際的な農産物価格の競争が生産者に与える影響も無視できません。

これらの課題を克服するためには、いくつかの具体的な取り組みが必要です。まず、水資源管理技術の強化や灌漑システムの普及を進めることで、気候変動に伴う干ばつへの対応力を高めることが求められます。さらに、農家への技術支援や教育を拡大し、収量の向上や新しい農業手法の普及を図ることも有効です。加えて、中央アメリカの地域協力を通じて、輸出市場の拡大や価格の安定化を目指すことも重要です。

このように、生産量の増加はエルサルバドルの農業の進展を示す良い例である一方で、安定した生産基盤を築くためには、自然災害や市場変化への対応能力を高める必要があります。今後、政府や国際機関が連携して農業支援を強化し、持続可能な成長を実現するための具体策を策定することが期待されます。