モザンビークにおけるカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1961年の196トンから2023年の1,085トンまで緩やかな増加を見せています。特に2010年以降、年間生産量が1,000トンを超える水準を維持しており、安定した生産基盤を形成しています。歴史的には、1990年代前半に一時的な減少が見られましたが、その後再び上昇傾向に転じています。
モザンビークのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 1,085 |
0.71% ↑
|
2022年 | 1,078 |
-0.78% ↓
|
2021年 | 1,086 |
0.95% ↑
|
2020年 | 1,076 |
0.46% ↑
|
2019年 | 1,071 |
1.4% ↑
|
2018年 | 1,056 |
1.22% ↑
|
2017年 | 1,043 |
0.77% ↑
|
2016年 | 1,035 |
-0.18% ↓
|
2015年 | 1,037 |
3.52% ↑
|
2014年 | 1,002 |
0.21% ↑
|
2013年 | 1,000 |
-16.67% ↓
|
2012年 | 1,200 |
20% ↑
|
2011年 | 1,000 |
11.11% ↑
|
2010年 | 900 |
-3.02% ↓
|
2009年 | 928 |
1.6% ↑
|
2008年 | 913 |
15.1% ↑
|
2007年 | 794 |
-10.32% ↓
|
2006年 | 885 |
1.93% ↑
|
2005年 | 868 |
1.85% ↑
|
2004年 | 852 |
1.88% ↑
|
2003年 | 837 |
4.52% ↑
|
2002年 | 800 |
-0.38% ↓
|
2001年 | 803 |
33.91% ↑
|
2000年 | 600 |
-40% ↓
|
1999年 | 1,000 |
5.26% ↑
|
1998年 | 950 |
5.56% ↑
|
1997年 | 900 |
5.88% ↑
|
1996年 | 850 |
6.25% ↑
|
1995年 | 800 |
14.29% ↑
|
1994年 | 700 |
-12.5% ↓
|
1993年 | 800 |
33.33% ↑
|
1992年 | 600 |
-15.96% ↓
|
1991年 | 714 |
-28.61% ↓
|
1990年 | 1,000 |
25% ↑
|
1989年 | 800 | - |
1988年 | 800 | - |
1987年 | 800 | - |
1986年 | 800 | - |
1985年 | 800 | - |
1984年 | 800 | - |
1983年 | 800 | - |
1982年 | 800 | - |
1981年 | 800 |
-5.88% ↓
|
1980年 | 850 | - |
1979年 | 850 | - |
1978年 | 850 | - |
1977年 | 850 | - |
1976年 | 850 | - |
1975年 | 850 | - |
1974年 | 850 | - |
1973年 | 850 |
6.25% ↑
|
1972年 | 800 | - |
1971年 | 800 | - |
1970年 | 800 | - |
1969年 | 800 | - |
1968年 | 800 |
33.33% ↑
|
1967年 | 600 | - |
1966年 | 600 | - |
1965年 | 600 | - |
1964年 | 600 | - |
1963年 | 600 |
17.42% ↑
|
1962年 | 511 |
160.71% ↑
|
1961年 | 196 | - |
モザンビークのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量データを分析すると、60年以上にわたる長期間で徐々に増加していることが確認されます。この生産量の増加には、いくつかの要因が背景にあると考えられます。主な要因としては、農業技術の向上、国内外の需要の増加、農地拡大などが挙げられます。例えば、2010年以降の年間生産量が安定して1,000トンを超えたことは、気候条件の改善や政府主導の農業支援政策の効果を示唆しています。
それでも、見逃せないのは1970年代から2000年頃までの間にみられる生産量の変動です。特に1991年と2000年に急減したことがデータから明らかです。この当時、モザンビークでは内戦後の復興過程にあり、農業インフラや市場の不安定さが影響を及ぼしたと考えられます。また、2000年の急減は、サイクロンや洪水といった自然災害が原因である可能性があります。このような地域的な自然災害が農業生産に大きなリスクとして働くことは、モザンビークや他のアフリカ諸国でも共通の課題です。
一方で、2012年以降の持続的な増加からは、災害後の復興努力や生産基盤の強化の成功がうかがえます。特に、2018年から2023年にかけては、毎年微増ではありますが確実に生産量が向上しており、これは農業技術のさらなる進歩や国内市場の成長の結果と考えられます。また、カボチャやヒョウタンはアフリカの家庭で広く利用される食材であり、日常的な食料としての需要が高いことも、モザンビークにおける生産の安定化に寄与しているといえます。
しかしながら、今後の課題として、気候変動の影響や経済不安定による農業リスクが挙げられます。近年、モザンビークでは洪水や干ばつの頻発が農業全般に影響を与えています。これに対応するためには、灌漑システムの強化や干ばつ耐性のある作物の導入が必要です。また、農村部における生産者の支援、例えばクレジット制度や技術指導の充実も求められます。さらに、生産物を国際市場に結びつけるための輸送インフラや貿易の効率化が必要不可欠です。現在、モザンビークは輸出向け作物としてカシューナッツや綿花が知られていますが、カボチャやスクワッシュのような作物もニッチ市場へ展開することで農業の多様化を図ることができます。
地政学的な視点から見ると、モザンビークはインド洋に面しており、港湾都市マプトやベイラを通じた輸出の可能性があります。この立地を活かし、近隣諸国やアジア、中東の市場へ新たな展開を図ることが期待されます。一方で、モザンビーク国内や隣国の社会的・政治的不安定が輸出活動にリスクを与える可能性もあるため、地域協力の強化が不可欠です。
まとめとして、モザンビークのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量は60年以上で確実に向上してきましたが、未来に向けてはさらに持続可能な農業の実現が求められます。具体的には、気候変動への取り組み、生産と輸出の効率化、そして国際市場の開拓が重要な課題です。この実現のためには、国際機関や地域的な協力の枠組みの中で、資金や技術の支援を活用していくことが鍵となるでしょう。