国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、大韓民国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は、1961年には約29,753トンに始まり、その後波を描くように増減しながらも、1990年代になると着実な増加傾向を示しました。しかし近年では再び減少傾向が見られ、2021年には242,914トン、2022年には207,039トンと大きな減少を記録、2023年には282,652トンと部分的な回復が観察されました。この生産量の変動は、国内外の農業政策や気候変動、農産物需要の変化など多くの要因による影響が考えられます。
大韓民国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 282,652 |
36.52% ↑
|
2022年 | 207,039 |
-14.77% ↓
|
2021年 | 242,914 |
-25.33% ↓
|
2020年 | 325,325 |
-5.29% ↓
|
2019年 | 343,511 |
10.73% ↑
|
2018年 | 310,218 |
-0.79% ↓
|
2017年 | 312,690 |
4.86% ↑
|
2016年 | 298,206 |
-18.17% ↓
|
2015年 | 364,416 |
5.49% ↑
|
2014年 | 345,465 |
6.83% ↑
|
2013年 | 323,364 |
-0.54% ↓
|
2012年 | 325,113 |
8.23% ↑
|
2011年 | 300,400 |
-0.81% ↓
|
2010年 | 302,868 |
-11.22% ↓
|
2009年 | 341,163 |
4.17% ↑
|
2008年 | 327,502 |
-0.77% ↓
|
2007年 | 330,040 |
2.48% ↑
|
2006年 | 322,047 |
-5.03% ↓
|
2005年 | 339,097 |
11.42% ↑
|
2004年 | 304,337 |
11.96% ↑
|
2003年 | 271,823 |
-1.7% ↓
|
2002年 | 276,521 |
-6.45% ↓
|
2001年 | 295,592 |
22.92% ↑
|
2000年 | 240,484 |
10.84% ↑
|
1999年 | 216,958 |
11.49% ↑
|
1998年 | 194,598 |
7.64% ↑
|
1997年 | 180,779 |
4.9% ↑
|
1996年 | 172,332 |
8.26% ↑
|
1995年 | 159,185 |
4.46% ↑
|
1994年 | 152,392 |
-6.56% ↓
|
1993年 | 163,099 |
20.16% ↑
|
1992年 | 135,740 |
21.62% ↑
|
1991年 | 111,606 |
35.64% ↑
|
1990年 | 82,280 |
21.4% ↑
|
1989年 | 67,777 |
4.77% ↑
|
1988年 | 64,692 |
7.34% ↑
|
1987年 | 60,266 |
50.97% ↑
|
1986年 | 39,919 |
-9.71% ↓
|
1985年 | 44,214 |
-1.81% ↓
|
1984年 | 45,029 |
12.96% ↑
|
1983年 | 39,863 |
11.18% ↑
|
1982年 | 35,854 |
-12.46% ↓
|
1981年 | 40,956 |
2.2% ↑
|
1980年 | 40,076 |
-13.25% ↓
|
1979年 | 46,199 |
39.77% ↑
|
1978年 | 33,053 |
4.68% ↑
|
1977年 | 31,576 |
26.32% ↑
|
1976年 | 24,997 |
32.79% ↑
|
1975年 | 18,824 |
-86.43% ↓
|
1974年 | 138,696 |
2.86% ↑
|
1973年 | 134,841 |
-8.31% ↓
|
1972年 | 147,059 |
37.08% ↑
|
1971年 | 107,276 |
0.29% ↑
|
1970年 | 106,969 |
7.08% ↑
|
1969年 | 99,900 |
15.21% ↑
|
1968年 | 86,710 |
4.39% ↑
|
1967年 | 83,065 |
-4.55% ↓
|
1966年 | 87,026 |
2.81% ↑
|
1965年 | 84,645 |
-24.41% ↓
|
1964年 | 111,986 |
6.3% ↑
|
1963年 | 105,348 |
51.94% ↑
|
1962年 | 69,335 |
133.04% ↑
|
1961年 | 29,753 | - |
大韓民国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量の推移を振り返ると、初期の1960年代から1970年代初頭にかけて急速な成長が見られます。1961年の生産量は29,753トンでしたが、1964年には111,986トンに達しています。この時期の成長は、当時の食料需要の拡大や農業生産性向上の取り組みによるものと考えられます。しかし、1970年代半ばにおける生産量の突然の急減(1974年の138,696トンから1975年の18,824トンへの大幅減少)は、同時期の韓国内の社会経済情勢や気候的要因、作物需要の変化といった外的要因との関わりが推察されます。
その後、1980年代になると安定的な生産体制が整い始め、1990年代には持続的な増加が顕著になっています。1990年の82,280トンから1997年には180,779トン、さらに2000年には240,484トンへと着実に増加しています。この成長は、韓国が経済的発展を遂げる中で、農業分野でも機械化や品種改良、輸出機会の拡大が進められた結果といえます。特に1990年代にはアジア全体での農産物需要が増加しており、韓国独自の品種や農法が国際市場で注目を集めていたことも要因と考えられます。
それにもかかわらず、2010年代後半から再び変動が目立ち始め、特に2021年以降生産量が大きく減少しています。2021年には242,914トン、2022年には207,039トンと大幅に落ち込んでおり、これは新型コロナウイルスの影響による農業輸出入体制の混乱や、天候不順、農業労働力不足が複合的に影響した可能性が高いです。また、気候変動による予測不可能な天候の変化や適応農業の戦略遅れも、この減少傾向に寄与していると言えるでしょう。
2023年のデータでは282,652トンと部分的な回復が見られますが、この回復が持続的なトレンドに変わるかは不透明です。将来的な課題として、カボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの需要動向だけでなく、韓国内での高齢化による農業従事者の減少や、若年層の農業離れが深刻化している点が挙げられます。また、国際市場での価格競争が激化する中で、コスト効率の高い生産技術や高付加価値の農産物開発が必要です。
具体的な対策として、気候変動に対応可能な耐性品種の開発や導入を急ぐことが重要です。さらに、若者の農業参入を促進するための政策支援、例えばスマート農業技術の普及や農業経営教育の充実などが有効でしょう。また、地域間協力を強化し、近隣諸国での需要を取り込む輸出拡大戦略も検討すべきです。特に日本や中国、東南アジアの国々ではカボチャ系作物の需要が今後も見込まれるため、近隣地域への市場拡大を行いつつ、輸出ルートの多角化を図ることが考えられます。
結論として、韓国のカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量は経済発展の一部として成長を遂げた一方で、近年の減少傾向には気候変動や社会的変化が大きく影響していることが明らかです。今後、持続可能な農業体制を構築するため、国内外の市場の需要と供給の調整を行い、技術革新や政策的支援を通じて新たな成長のきっかけをつくる必要があります。このような取り組みが、韓国の農業競争力を再び高める重要な鍵となるでしょう。