国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータを基にすると、2023年時点でインドネシアのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量は557,439トンに達しており、長年にわたる増減を経て安定した成長基調にあります。特に1980年代初頭の3万トン台から現在に至るまで、生産量は約18倍に増加しています。一方で、年による大幅な増減や停滞も見られ、特に1990年代半ばから2000年代初頭にかけての低迷期が顕著です。近年は安定的な伸びが見られ、国内需要の増加や輸出市場の拡大が背景にあると考えられます。
インドネシアのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 557,439 |
0.97% ↑
|
2022年 | 552,093 |
2.35% ↑
|
2021年 | 539,395 |
-1.59% ↓
|
2020年 | 548,123 |
17.52% ↑
|
2019年 | 466,425 |
2.74% ↑
|
2018年 | 454,001 |
-19.91% ↓
|
2017年 | 566,857 |
-6.04% ↓
|
2016年 | 603,325 |
39.92% ↑
|
2015年 | 431,203 |
20.6% ↑
|
2014年 | 357,561 |
-7.75% ↓
|
2013年 | 387,617 |
-9.45% ↓
|
2012年 | 428,061 |
-0.03% ↓
|
2011年 | 428,197 |
15.78% ↑
|
2010年 | 369,846 |
15.21% ↑
|
2009年 | 321,023 |
-18.6% ↓
|
2008年 | 394,386 |
55.24% ↑
|
2007年 | 254,056 |
19.45% ↑
|
2006年 | 212,697 |
18.15% ↑
|
2005年 | 180,029 |
0.1% ↑
|
2004年 | 179,845 |
73.85% ↑
|
2003年 | 103,451 |
-39.9% ↓
|
2002年 | 172,125 |
27.81% ↑
|
2001年 | 134,676 |
-15.11% ↓
|
2000年 | 158,654 |
30.87% ↑
|
1999年 | 121,233 |
42.84% ↑
|
1998年 | 84,873 |
106.97% ↑
|
1997年 | 41,007 |
-8.24% ↓
|
1996年 | 44,689 |
-4.04% ↓
|
1995年 | 46,569 |
-68.1% ↓
|
1994年 | 145,999 |
2.8% ↑
|
1993年 | 142,020 |
-28.26% ↓
|
1992年 | 197,960 |
67.92% ↑
|
1991年 | 117,890 |
-8.09% ↓
|
1990年 | 128,270 |
9.38% ↑
|
1989年 | 117,273 |
-30.19% ↓
|
1988年 | 168,000 |
-11.97% ↓
|
1987年 | 190,847 |
20.03% ↑
|
1986年 | 159,000 |
59% ↑
|
1985年 | 100,000 |
56.25% ↑
|
1984年 | 64,000 |
29.95% ↑
|
1983年 | 49,250 |
63.12% ↑
|
1982年 | 30,192 | - |
インドネシアのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタンの生産量データは、農業分野の成長や農業政策の変更、さらには自然災害や市場の需要の変動など、さまざまな要因を反映しています。データによると、1982年の生産量は30,192トンと控えめでしたが、次第に増加基調を示し、2023年には557,439トンに達しています。1980年代から2020年代までの約40年間で、生産量は劇的に増加しているものの、その過程で顕著な変動も記録されています。
例えば、1986年から1988年にかけて急増した後、1989年に117,273トンへと半減しました。この減少は、気候変動の影響や農業インフラの未整備、また他の作物収穫へ重点が移った可能性を示唆しています。1990年代半ばから1990年代後半にかけては深刻な低迷期が確認され、1995年から1997年には5万トンを下回る生産量で停滞していました。しかし、2000年代に入ると再び増加が始まり、2008年には394,386トンを記録しています。このような回復の背景には、農業技術の導入や国内の農業政策の改善が挙げられます。
さらに、2016年には603,325トンとピークを迎え、その後は多少の減少を経つつも、概ね安定的な成長を続けています。2020年以降、50万トン台を記録し続けており、この安定した水準は国内外の需要の調整が進んでいることを示していると考えられます。また、2020年以降の増加は、新型コロナウイルス感染症の影響で自家栽培や地元農家を支援する動きが増加したことも背景にあるかもしれません。
地政学的観点から見ると、東南アジアは気候条件が多様で農作物生産に有利な一方、自然災害や地域的な紛争のリスクも抱えています。特にインドネシアは火山活動や洪水等の災害が多く、その影響が農業生産に及んだ年も少なくありません。したがって、気候変動への対応と農業生産のリスク管理が、今後も重要な課題となるでしょう。
カボチャやスクワッシュ、ヒョウタンといった作物は、インドネシア国内のみならず、国際市場でも需要が高まっています。主に食料品としての利用や農村経済の基盤としての役割が大きく、バイオマス資源としても注目されています。しかしながら、国際競争力を高めるためには、品質管理やサプライチェーンの整備が不可欠です。
具体的な対策として考えられるのは、まず効率的な灌漑設備の導入や耐病性の高い品種の開発によって、自然災害による影響を最小限に抑えることです。また、地域間での協力による情報共有ネットワークの構築や、輸出市場でのブランド化戦略も効果的です。さらに、農業従事者への教育や技術指導によって持続可能な農業を推進することも、長期的には生産量の安定化に寄与するでしょう。
このように、インドネシアのカボチャ、スクワッシュ、ヒョウタン生産量は全体として増加傾向にあり、地域の農業発展に大きく寄与しています。しかし、これらの作物生産を持続可能な形で発展させるためには、国や国際機関、さらには民間企業が共同して効果的な政策と技術支援を進める必要があります。