Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)の最新データによれば、コートジボワールのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は1990年から2023年までで一部の変動を含みつつも、概ね安定した推移を示しています。1990年の生産量は18,000トンであり、ピークとなったのは2002年の24,646トンです。その後は減少傾向が見られ、2023年の生産量は19,303トンとなっています。
コートジボワールのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタン生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 19,303 |
-0.01% ↓
|
2022年 | 19,305 |
-0.01% ↓
|
2021年 | 19,307 |
-0.01% ↓
|
2020年 | 19,308 |
0.14% ↑
|
2019年 | 19,280 |
0.13% ↑
|
2018年 | 19,255 |
-0.01% ↓
|
2017年 | 19,257 |
-0.05% ↓
|
2016年 | 19,267 |
-0.1% ↓
|
2015年 | 19,286 |
-0.13% ↓
|
2014年 | 19,311 |
0.47% ↑
|
2013年 | 19,220 |
0.22% ↑
|
2012年 | 19,179 |
-5.46% ↓
|
2011年 | 20,287 |
3.32% ↑
|
2010年 | 19,635 |
0.69% ↑
|
2009年 | 19,500 |
2.12% ↑
|
2008年 | 19,096 |
3% ↑
|
2007年 | 18,540 |
3.14% ↑
|
2006年 | 17,976 |
-1.58% ↓
|
2005年 | 18,264 |
3.31% ↑
|
2004年 | 17,678 |
3.31% ↑
|
2003年 | 17,111 |
-30.57% ↓
|
2002年 | 24,646 |
2.1% ↑
|
2001年 | 24,139 |
50.59% ↑
|
2000年 | 16,030 |
2.14% ↑
|
1999年 | 15,694 |
-21.53% ↓
|
1998年 | 20,000 |
-0.74% ↓
|
1997年 | 20,150 |
-4.05% ↓
|
1996年 | 21,000 |
5.9% ↑
|
1995年 | 19,831 |
-0.85% ↓
|
1994年 | 20,000 |
3.27% ↑
|
1993年 | 19,368 |
1.35% ↑
|
1992年 | 19,110 |
1.43% ↑
|
1991年 | 18,841 |
4.67% ↑
|
1990年 | 18,000 | - |
コートジボワールは西アフリカの農業国であり、カボチャやスクワッシュ、ヒョウタンのような作物は食生活や経済において重要な役割を担っています。これらの作物は栄養価が高く、日常生活の食糧資源としてだけでなく、貧困層の栄養改善にも寄与するものです。
1990年から2023年までの生産量の推移を詳細に解析すると、コートジボワールのこの分野が抱える課題や状況も浮き彫りになってきます。1990年代初頭、カボチャ等の生産量は緩やかに増加していましたが、1999年には15,694トンと大きく落ち込む局面がありました。これは、この時期に地域の経済危機や農業インフラの未発達が影響した可能性が考えられます。その後2001年と2002年に大きく回復し、2002年には24,646トンという最大の生産量を記録しました。しかしそれ以降は再び減少傾向を見せ、ここ20年間ほどは19,000トン前後で安定しています。
近年の安定的な生産量の維持については評価できる一方、この安定性は収穫量の伸び悩みをも同時に意味しています。この背景には、気候変動や土壌の劣化、農業技術の停滞などが関係していると考えられます。また、国家の政治状況や経済の不安定さも、農家が十分な支援を受けられない要因として挙げられます。
現在、コートジボワールのような農業主導型経済を持つ国々では、農産物生産の持続可能性と収益性を向上させるためにいくつかの取り組みが求められています。具体的な対策として、農業技術の普及や教育プログラムの強化、灌漑システムの近代化、そして気候変動への適応策が挙げられます。例えば、降水量が不安定である地域では、耐乾性作物の開発や異常気象への対策を進めることが必要です。また、農業従事者に対する金融支援や市場へのアクセスを拡充することで、生産拡大へのインセンティブが向上するでしょう。
さらに、これらの農作物の生産が国内消費に偏りすぎており、輸出を通じた経済的利益を十分に享受できていないという点も改善が求められます。他国、特に日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ諸国といった輸入需要の高い市場をターゲットに、品質向上とマーケティング戦略を構築することで、国際競争力を高める施策を進めるべきです。
また、生産量の停滞には地政学的な要因も影響を与えています。国内の政策的な問題や過去の紛争が農村部のインフラ整備を遅らせ、農業の近代化を妨げてきました。このような背景から、地域的な政治的安定の確保と農村復興が必要不可欠と言えます。
結論として、コートジボワールのカボチャ・スクワッシュ・ヒョウタンの生産量は一定の安定を見せているものの、国内外における経済的および政策的な活性化が必要です。農業技術の革新、地政学的リスクの軽減、国際市場への進出を組み合わせることで、この地域が抱える課題を解決し、持続可能な成長を達成することが期待されます。国際的な協力や企業参入を通じてイニシアチブを取ることが重要です。