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ラオス人民民主共和国のメロン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ラオス人民民主共和国のメロン生産量は、1961年の1,500トンから大幅に増加し、2018年に20,235トンとピークに達しました。ただし、2022年には15,260トンまで減少するなど、近年は変動が見られます。とくに2011年以降、生産量が急増したことが際立っていますが、この背景には農業政策の見直しや地域の経済変化が影響を与えている可能性があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 15,933
4.41% ↑
2022年 15,260
-25% ↓
2021年 20,347
9.15% ↑
2020年 18,641
5.87% ↑
2019年 17,608
-12.98% ↓
2018年 20,235
9.14% ↑
2017年 18,540
-1.85% ↓
2016年 18,890
11.08% ↑
2015年 17,005
25.45% ↑
2014年 13,555
110.81% ↑
2013年 6,430
-21.3% ↓
2012年 8,170
34.15% ↑
2011年 6,090
94.57% ↑
2010年 3,130
-21.75% ↓
2009年 4,000
2.56% ↑
2008年 3,900
5.41% ↑
2007年 3,700
2.78% ↑
2006年 3,600 -
2005年 3,600
2.86% ↑
2004年 3,500
-2.78% ↓
2003年 3,600
5.88% ↑
2002年 3,400
3.03% ↑
2001年 3,300
-5.71% ↓
2000年 3,500
2.94% ↑
1999年 3,400
3.03% ↑
1998年 3,300
3.13% ↑
1997年 3,200
-17.95% ↓
1996年 3,900
25.81% ↑
1995年 3,100
-8.82% ↓
1994年 3,400
-2.86% ↓
1993年 3,500
6.06% ↑
1992年 3,300
3.13% ↑
1991年 3,200
6.67% ↑
1990年 3,000
7.14% ↑
1989年 2,800
12% ↑
1988年 2,500
-10.71% ↓
1987年 2,800
-12.5% ↓
1986年 3,200
6.67% ↑
1985年 3,000 -
1984年 3,000 -
1983年 3,000
7.14% ↑
1982年 2,800
3.7% ↑
1981年 2,700
3.85% ↑
1980年 2,600
8.33% ↑
1979年 2,400
9.09% ↑
1978年 2,200
10% ↑
1977年 2,000 -
1976年 2,000
11.11% ↑
1975年 1,800
-10% ↓
1974年 2,000 -
1973年 2,000 -
1972年 2,000
5.26% ↑
1971年 1,900
5.56% ↑
1970年 1,800
12.5% ↑
1969年 1,600
6.67% ↑
1968年 1,500
7.14% ↑
1967年 1,400
-6.67% ↓
1966年 1,500
-11.76% ↓
1965年 1,700
21.43% ↑
1964年 1,400
-12.5% ↓
1963年 1,600
6.67% ↑
1962年 1,500 -
1961年 1,500 -

ラオス人民民主共和国のメロン生産量推移は、1960年代から2010年代までの長期的な視点でその成長過程を示しています。1961年には1,500トンで始まった生産量は1970年代中盤に2,000トンを超え、1980年代にはさらに増加が進みました。一方、1987年から1989年にかけて減少するなど、経済・政治要因が農業に与える影響も見られます。1990年代以降、緩やかな増加が続きますが、2000年代初頭では3,500トン前後で一定の安定を保ちました。

2010年の生産量(3,130トン)と比較すると、2011年以降に生産量が急増し、2012年には8,170トンと短期間で大幅な拡大を遂げています。そして2018年には20,235トンへとピークに達しました。これは、国内外の需要が増加したことや、農業技術の近代化、また政府の農業支援政策が奏功した結果と考えられます。ただし同時期、中国やベトナムなど近隣諸国での畑作型農業および市場拡大と連動している可能性も排除できません。

しかし、2022年には生産量が15,260トンにまで減少しています。この要因には、気候変動の影響や、新型コロナウイルスによる輸送・市場流通の混乱が挙げられます。特に地域の干ばつなどの自然災害が作物に与える損害も見逃せず、これが近年の生産量の変動に影響を及ぼした可能性があります。また、周辺諸国の農産物生産との競争が激化し、メロン市場での価格競争や輸出市場の確立に課題も残っています。

こうした状況を受けて、今後の主要な課題と対策が浮き彫りになります。第一に、生産性向上を目的とした農業技術の導入が引き続き必要とされます。具体的には、耐干ばつ性の高い作物品種の開発や、省エネルギー型の灌漑(かんがい)技術の導入が挙げられます。さらに、気候変動に対応するための政策も求められています。たとえば、政府や国際機関を通じた地域間連携により、干ばつや洪水などに対する災害対策を強化することが重要です。

第二に、国内市場と輸出市場の両立を目指す戦略的アプローチが必要です。周辺諸国と連携して共同市場を形成し、安定的な需要先を確保することで、生産量の変動リスクを緩和することが可能になります。東南アジア全体が農産物の生産と貿易を行う一大地域として発展しているため、ラオスもこの流れに積極的に参加すべきです。

第三に、メロン生産の持続可能性を考慮し、環境負荷軽減を意識した農業体制の構築が求められます。化学肥料や農薬使用を削減し、有機農法を導入することで、未来の世代へ豊かな土地資源を引き継ぐことができます。

結論として、ラオス人民民主共和国のメロン生産は、過去半世紀で大きな成長を遂げてきましたが、近年の変動は外的要因と内的課題が交錯した結果といえます。これに対して、政策的支援や国際連携、生産者自身の技術向上が鍵を握っています。そうした取り組みが、安定生産と市場競争力強化に繋がることが期待されます。国、地域、国際機関が一体となって支援を行うことで、持続可能で豊かな農業の発展を目指していくことが求められます。