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FAO「国際連合食糧農業機関」・最新版
世界のナシ生産は中国が突出しており、2位アルゼンチン(670,592トン)に対して中国は約31倍の規模です。上位には中国に加えて、トルコ、南アフリカ、アメリカ、イタリア、オランダ、ベルギー、スペイン、日本、チリ、韓国、フランスなどが並び、欧州と南半球(南アフリカ、チリ、アルゼンチン)が供給の重要な担い手になっています。日本は約20万トン規模で、韓国(178,451トン)をやや上回る一方、米国(463,120トン)やイタリア(436,570トン)とは2倍強の差があります。
1961年から2024年までの年度別ランキングを確認できます。
1961年から2024年までの世界のナシ生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
1961年から2024年までの世界のナシ生産量を、国別ランキングでバーチャートレース化しました。
この統計は、各国の農業生産の実態を把握し、食料供給や貿易、農家所得、気候変動の影響評価などに役立てる目的で集計されているものです。数値を見ると最大の特徴は、中国の生産量が20,987,900トンと桁違いで、2位アルゼンチンの670,592トン、4位トルコの630,500トン、6位アメリカの463,120トンを大きく引き離している点です。単純比較でも中国はアルゼンチンの約31倍、トルコの約33倍、日本(198,100トン)の約106倍で、世界の需給や価格形成、品種・栽培技術の潮流が中国の天候や政策、物流状況に強く左右されやすい構造を示しています。
地域構造としては、欧州が比較的厚い層を形成しています。イタリア(436,570トン)、オランダ(323,000トン)、ベルギー(268,770トン)、スペイン(222,020トン)、フランス(151,870トン)、ドイツ(38,960トン)、イギリス(19,504トン)などが並び、単一国の巨大供給ではなく「複数国の積み上げ」で市場を支えているのが欧州の特徴です。これは裏を返すと、干ばつや洪水、熱波といった異常気象が広域に及ぶ年には、複数国で同時に収量が落ちて供給が縮みやすいという脆弱性も含みます。近年の欧州では熱波・水不足が農業コストと収量リスクを押し上げており、灌漑投資の拡大や水資源配分の調整が、ナシを含む果樹生産の安定に直結します。
南半球では、アルゼンチン(670,592トン)、南アフリカ(465,424トン)、チリ(178,462トン)、オーストラリア(84,761トン)、ニュージーランド(20,099トン)が目立ちます。南半球は北半球と収穫期が逆になるため、世界市場における端境期供給の役割を担えますが、同時に港湾ストライキや海上運賃の高騰、コンテナ不足など物流側のショックの影響を受けやすい領域でもあります。新型コロナの局面で顕在化したように、労働力不足や輸送遅延は生鮮果実のロスを増やし、価格の振れを大きくします。今後は輸出国側で、選果・冷蔵・CA貯蔵(鮮度を保つために酸素や二酸化炭素濃度を調整する貯蔵方式)などの設備投資を進め、長距離輸送でも品質を落としにくい体制が競争力の中核になります。
アジアでは、中国の圧倒的規模に加え、インド(274,315トン)、日本(198,100トン)、韓国(178,451トン)、朝鮮民主主義人民共和国(151,353トン)、中国・台湾(101,500トン)、イラン(95,410トン)などが続きます。日本は12位で、韓国との差は約19,649トンと僅差で、東アジアの中では一定の存在感があります。ただし、上位の欧米主要国と比べると規模は大きくなく、国内供給の安定化と高付加価値化が中心課題になりやすいポジションです。たとえばアメリカとの差は約265,020トン、イタリアとの差は約238,470トンで、量で競うよりも品質、ブランド、加工適性、流通の効率で優位を作る戦略が現実的です。
日本に関しては、果樹は多年生作物で、改植(樹の入れ替え)に時間がかかるため、気候変動と労働力減少の影響が遅れて効いてくるのが厄介です。高温化で着色不良や日焼け、収穫前落果、病害虫の世代数増加が起きやすくなり、台風や豪雨が増えると裂果や樹体被害、出荷時期の集中による価格下落も起こり得ます。対策としては、耐暑性・耐病性品種への計画的な更新、防風・防雹ネットや遮光資材の導入、園地の排水改良、スマート農業による潅水・防除の適正化が具体策になります。加えて、選果場の自動化や共同利用を進め、労働投入を減らしつつ品質のばらつきを抑えることが、産地維持に直結します。
地政学的リスクも、ナシのような生鮮品に無関係ではありません。黒海周辺ではウクライナ(145,400トン)やロシア(70,940トン)などの生産があり、地域衝突が長期化すると燃料・肥料の供給不安や物流の遮断が、栽培コストと輸出入の不確実性を高めます。中東ではイラン(95,410トン)、イラク(9,968トン)、シリア(20,531トン)などが含まれますが、政治不安や制裁、治安悪化は農業投入財の調達や灌漑インフラの維持を難しくし、干ばつが重なると生産が急減するリスクが高まります。こうした状況は、果実そのものの不足だけでなく、周辺国への人口移動や雇用悪化を通じて社会不安を増幅し、結果的に貿易・投資環境を悪化させる可能性があります。
今後の課題は、「中国への集中」と「気候・物流・地政学ショックへの耐性不足」を同時に緩和することです。国際機関や各国政府が取り得る具体策としては、まず主要産地での気象災害リスクを織り込んだ農業保険の拡充と、干ばつに備えた水管理投資を進めることが重要です。次に、輸出国は港湾・冷蔵・検疫の処理能力を平時から増強し、非常時でもサプライチェーンが詰まりにくい設計にしておく必要があります。日本のような輸入も活用する国では、特定国への依存を避けるために、南半球を含む複数地域からの調達先を平時に開拓し、品種規格や検疫条件の調整を進めておくことが有効です。さらに国内では、産地の集約と改植支援、担い手確保のための雇用型就農や季節労働の受け入れ制度の整備、加工用途(ジュース、ピューレ、ドライ)への振り分けで規格外ロスを減らす仕組みづくりが、収益の下支えになります。
結論として、このランキングは世界のナシ供給が中国に大きく偏り、他地域は欧州の多国分散と南半球の季節補完によって全体を支えている構図を示しています。日本は量での上位争いよりも、気候変動に強い生産基盤と省力化、そして流通・加工を含めた付加価値の設計で競争力を確保する段階にあります。各国と国際機関は、水資源・物流・保険・検疫協力といった具体的な備えを積み上げ、気象災害や地域衝突が起きても供給が急減しにくい仕組みへ移行していくことが求められます。なお、提供データには同一国が重複して掲載されている箇所があるため、ページ公開時には順位の再計算とデータ整形を行うと、読者により正確な全体像を伝えられます。
ナシ生産量の上位国を横棒グラフで比較できます。
順位、国名、ナシ生産量、地域、関連指標を比較できます。
| 順位 | 国・地域 | ナシ生産量 | 地域 |
|---|---|---|---|
| 1 | 20,987,900トン | アジア | |
| 2 | 670,592トン | 南アメリカ | |
| 3 | 670,592トン | 南アメリカ | |
| 4 | 630,500トン | アジア | |
| 5 | 465,424トン | アフリカ | |
| 6 | 463,120トン | 北アメリカ | |
| 7 | 436,570トン | ヨーロッパ | |
| 8 | 323,000トン | ヨーロッパ | |
| 9 | 274,315トン | アジア | |
| 10 | 268,770トン | ヨーロッパ | |
| 11 | 222,020トン | ヨーロッパ | |
| 12 | 198,100トン | アジア | |
| 13 | 178,462トン | 南アメリカ | |
| 14 | 178,451トン | アジア | |
| 15 | 162,832トン | アフリカ | |
| 16 | 162,832トン | アフリカ | |
| 17 | 151,870トン | ヨーロッパ | |
| 18 | 151,353トン | アジア | |
| 19 | 145,400トン | ヨーロッパ | |
| 20 | 137,529トン | アジア | |
| 21 | 125,220トン | ヨーロッパ | |
| 22 | 101,500トン | アジア | |
| 23 | 95,410トン | アジア | |
| 24 | 84,830トン | ヨーロッパ | |
| 25 | 84,761トン | オセアニア | |
| 26 | 84,761トン | オセアニア | |
| 27 | 84,582トン | アフリカ | |
| 28 | 74,200トン | ヨーロッパ | |
| 29 | 73,600トン | ヨーロッパ | |
| 30 | 70,940トン | ヨーロッパ | |
| 31 | 60,492トン | アジア | |
| 32 | 54,440トン | ヨーロッパ | |
| 33 | 54,440トン | ヨーロッパ | |
| 34 | 42,865トン | ヨーロッパ | |
| 35 | 40,419トン | ヨーロッパ | |
| 36 | 39,280トン | ヨーロッパ | |
| 37 | 38,960トン | ヨーロッパ | |
| 38 | 35,823トン | アジア | |
| 39 | 34,006トン | アジア | |
| 40 | 33,754トン | 南アメリカ | |
| 41 | 32,200トン | ヨーロッパ | |
| 42 | 30,568トン | アフリカ | |
| 43 | 27,060トン | アジア | |
| 44 | 25,875トン | 南アメリカ | |
| 45 | 24,295トン | アジア | |
| 46 | 24,295トン | アジア | |
| 47 | 24,295トン | アジア | |
| 48 | 20,531トン | アジア | |
| 49 | 20,099トン | オセアニア | |
| 50 | 19,504トン | ヨーロッパ | |
| 51 | 17,530トン | ヨーロッパ | |
| 52 | 15,773トン | アフリカ | |
| 53 | 15,540トン | ヨーロッパ | |
| 54 | 15,540トン | ヨーロッパ | |
| 55 | 15,540トン | ヨーロッパ | |
| 56 | 14,473トン | 南アメリカ | |
| 57 | 12,428トン | アジア | |
| 58 | 12,428トン | アジア | |
| 59 | 11,500トン | アジア | |
| 60 | 11,119トン | アジア | |
| 61 | 10,419トン | アジア | |
| 62 | 10,390トン | 南アメリカ | |
| 63 | 9,968トン | アジア | |
| 64 | 9,105トン | アジア | |
| 65 | 8,830トン | 北アメリカ | |
| 66 | 8,114トン | ヨーロッパ | |
| 67 | 7,211トン | 南アメリカ | |
| 68 | 6,070トン | ヨーロッパ | |
| 69 | 5,740トン | ヨーロッパ | |
| 70 | 5,192トン | アフリカ | |
| 71 | 3,620トン | ヨーロッパ | |
| 72 | 3,540トン | 南アメリカ | |
| 73 | 3,508トン | アフリカ | |
| 74 | 3,214トン | ヨーロッパ | |
| 75 | 2,920トン | ヨーロッパ | |
| 76 | 2,646トン | ヨーロッパ | |
| 77 | 2,050トン | ヨーロッパ | |
| 78 | 1,936トン | 南アメリカ | |
| 79 | 1,920トン | ヨーロッパ | |
| 80 | 1,725トン | アフリカ | |
| 81 | 1,672トン | アジア | |
| 82 | 1,466トン | アフリカ | |
| 83 | 1,444トン | アフリカ | |
| 84 | 1,420トン | ヨーロッパ | |
| 85 | 1,290トン | ヨーロッパ | |
| 86 | 672トン | アジア | |
| 87 | 620トン | ヨーロッパ | |
| 88 | 600トン | ヨーロッパ | |
| 89 | 589トン | 南アメリカ | |
| 90 | 460トン | アジア | |
| 91 | 300トン | ヨーロッパ | |
| 92 | 212トン | 南アメリカ | |
| 93 | 200トン | ヨーロッパ | |
| 94 | 40トン | ヨーロッパ | |
| 95 | 3トン | アフリカ |
ランキング指標の意味と注意点を短く整理します。
現在のナシ生産量ランキングでは...
1961年から2024年までの年度別ページを比較すると、増加地域や順位変動が見えます。
気になる国の1961年から2024年までの推移がわかります。
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