世界の小麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1977年度の世界の小麦生産量ランキングは、Food and Agriculture Organization（国際連合食糧農業機関）によって発表されたデータをもとにした統計です。この年、アメリカ合衆国が約5,567万トンでトップに立ち、中国、インド、カナダ、フランスが続きます。これら上位5カ国は、世界の小麦生産を牽引するとともに、世界の食糧供給において重要な役割を果たしています。一方、日本は約23.6万トンで43位に位置し、国内生産への依存度は比較的低水準です。このデータは各国の農業技術、気候条件、政策支援の違いが小麦生産量に大きく影響していることを示しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	55,671,056
2	中国	アジア	41,075,008
3	インド	アジア	29,009,904
4	カナダ	北アメリカ	19,858,208
5	フランス	ヨーロッパ	17,450,000
6	トルコ	アジア	16,720,000
7	ドイツ	ヨーロッパ	10,149,096
8	オーストラリア	オセアニア	9,370,336
9	パキスタン	アジア	9,143,873
10	ルーマニア	ヨーロッパ	6,435,000
11	イタリア	ヨーロッパ	6,238,300
12	アルゼンチン	南アメリカ	5,653,100
13	イラン（イスラム共和国）	アジア	5,517,200
14	ハンガリー	ヨーロッパ	5,319,049
15	ポーランド	ヨーロッパ	5,308,265
16	イギリス	ヨーロッパ	5,274,163
17	スペイン	ヨーロッパ	4,064,100
18	ブルガリア	ヨーロッパ	3,384,211
19	アフガニスタン	アジア	2,652,000
20	メキシコ	南アメリカ	2,455,774
21	ブラジル	南アメリカ	2,066,039
22	南アフリカ	アフリカ	1,879,000
23	ギリシャ	ヨーロッパ	1,766,516
24	エジプト	アフリカ	1,697,000
25	スウェーデン	ヨーロッパ	1,522,330
26	モロッコ	アフリカ	1,287,600
27	チリ	南アメリカ	1,219,320
28	シリア・アラブ共和国	アジア	1,217,214
29	オーストリア	ヨーロッパ	1,071,848
30	アルジェリア	アフリカ	827,123
31	チュニジア	アフリカ	750,000
32	イラク	アジア	695,700
33	オランダ	ヨーロッパ	661,173
34	デンマーク	ヨーロッパ	605,645
35	アルバニア	ヨーロッパ	490,000
36	ネパール	アジア	361,853
37	ニュージーランド	オセアニア	354,035
38	スイス	ヨーロッパ	323,300
39	モンゴル	アジア	318,000
40	フィンランド	ヨーロッパ	294,900
41	バングラデシュ	アジア	259,456
42	アイルランド	ヨーロッパ	250,000
43	日本	アジア	236,400
44	ポルトガル	ヨーロッパ	229,477
45	イスラエル	アジア	220,000
46	ケニア	アフリカ	178,160
47	ウルグアイ	南アメリカ	173,235
48	ジンバブエ	アフリカ	164,540
49	サウジアラビア	アジア	124,610
50	ペルー	南アメリカ	115,385
51	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	115,000
52	イエメン	アジア	88,332
53	ノルウェー	ヨーロッパ	77,998
54	ミャンマー	アジア	76,393
55	ヨルダン	アジア	62,485
56	レソト	アフリカ	61,381
57	グアテマラ	南アメリカ	55,752
58	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	55,610
59	タンザニア連合共和国	アフリカ	55,000
60	レバノン	アジア	50,000
61	リビア	アフリカ	48,117
62	大韓民国	アジア	44,661
63	エクアドル	南アメリカ	39,800
64	コロンビア	南アメリカ	29,400
65	パラグアイ	南アメリカ	28,261
66	キプロス	アジア	23,368
67	ナイジェリア	アフリカ	20,000
68	ウガンダ	アフリカ	13,000
69	アンゴラ	アフリカ	10,000
70	ブータン	アジア	7,800
71	ブルンジ	アフリカ	6,000
72	ザンビア	アフリカ	5,324
73	チャド	アフリカ	4,000
74	ルワンダ	アフリカ	3,692
75	コンゴ民主共和国	アフリカ	3,500
76	マルタ	ヨーロッパ	3,454
77	マリ	アフリカ	2,000
78	モザンビーク	アフリカ	2,000
79	ニジェール	アフリカ	1,900
80	エスワティニ	アフリカ	1,300
81	中国、台湾 中国省	アジア	1,287
82	ナミビア	アフリカ	800
83	カメルーン	アフリカ	787
84	ボツワナ	アフリカ	600
85	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	558
86	オマーン	アジア	500
87	ホンジュラス	南アメリカ	500
88	マダガスカル	アフリカ	483
89	マラウイ	アフリカ	407
90	モーリタニア	アフリカ	300
91	カタール	アジア	54
92	ニューカレドニア	オセアニア	54
93	アラブ首長国連邦	アジア	14
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1977年度の小麦生産量データは、世界の食糧供給の構造を考えるうえで極めて重要な示唆を与えています。首位のアメリカ合衆国は、十分な農地面積、効率的な農業技術、さらには政府による農業補助政策という三位一体の支援により、世界最大の小麦生産国としての地位を確立しています。一方で、中国は同年生産量約4,107万トンで2位に位置しており、人口の多い国ゆえに国内消費の大部分を自給しています。また、3位のインドは約2,901万トンで、緑の革命による農業改善が始まりつつあった時期であり、生産量の増加が見られます。

フランス（約1,745万トン）やカナダ（約1,986万トン）は、輸出向けの小麦の生産に強みをもつ国です。これに対して生産量が下位に位置する日本や韓国などは、地理的条件や農地面積の限界から大量生産には適しておらず、輸入依存度が極めて高い傾向があります。1977年当時のデータからも、日本の小麦生産量は23.6万トンで、自国の需要を賄うにはほど遠い状況であることが読み取れます。

全世界を俯瞰すると、これらのデータから、気候条件、農地の利用可能性、技術投資の差が小麦生産量に顕著に影響を与えることがわかります。例えば、アジアの多くの国々が他の地域と比較して下位に位置している一方で、北アメリカやヨーロッパ地域は気候条件の恩恵を受けており、豊富な生産量を確保しています。また、アフリカ地域では生産量が非常に低い国が多く、農業技術の遅れやインフラ不足が影響していると考えられます。一部の国では紛争や地政学的リスクが農業生産を大きく妨げる要因となっています。

未来への課題として、小麦は多くの国の食糧安定性に密接に結びついていることから、各国が適切な政策を講じる必要があります。例えば、気候変動が進む中、極端気象による収穫量の減少を防ぐため、先進的な農業技術の研究開発を進める必要があります。また、低生産国においては、農業技術支援や農村インフラの整備が収量改善に必要不可欠です。特に、アフリカ諸国では国際援助を受けて灌漑施設や農業機械の導入を促進し、小麦生産性の向上を目指すべきでしょう。

加えて、輸出が多い国では、国際市場の価格変動に伴うリスクや食品安全保障の観点に配慮して、生産量の安定確保が求められます。これには輸送インフラの強化や国連をはじめとする多国間枠組みでの協力が欠かせません。地政学的には、紛争や貿易政策の変更が小麦の貿易に直接的な影響を与える可能性があるため、安定的な国際的サプライチェーンの構築が重要です。

結論として、1977年度の小麦生産量データは、世界各国間の生産格差を明らかにするとともに、将来的な食糧安全保障や貿易政策の課題に対する議論の重要性を示しています。生産の効率化、国際協力の強化、そして気候変動への対応は、この重要な農作物を持続可能に利用し続けるための最優先課題です。国際社会が協調してこれらの課題に取り組むことで、小麦を含む食糧供給網の安定が保たれるでしょう。