世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1979年のオレンジ生産量ランキングによると、1位はブラジル（8,445,223トン）、2位はアメリカ（8,309,810トン）で、この2か国が世界のオレンジ生産を牽引していました。3位はメキシコ（1,902,196トン）で、アメリカと大きな生産量の差が見られます。日本は16位に位置し、362,900トンのオレンジを生産していました。全体を見ると、生産量上位国の多くが温暖な気候や肥沃な土地を持つ地域に集中しています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ブラジル	南アメリカ	8,445,223
2	アメリカ合衆国	北アメリカ	8,309,810
3	メキシコ	南アメリカ	1,902,196
4	スペイン	ヨーロッパ	1,791,900
5	イタリア	ヨーロッパ	1,684,200
6	インド	アジア	1,130,000
7	エジプト	アフリカ	1,050,587
8	イスラエル	アジア	931,500
9	アルゼンチン	南アメリカ	706,000
10	トルコ	アジア	680,000
11	モロッコ	アフリカ	645,000
12	パキスタン	アジア	609,400
13	南アフリカ	アフリカ	563,056
14	エクアドル	南アメリカ	503,710
15	オーストラリア	オセアニア	368,554
16	日本	アジア	362,900
17	イラン（イスラム共和国）	アジア	348,000
18	ギリシャ	ヨーロッパ	346,413
19	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	329,787
20	アルジェリア	アフリカ	297,264
21	レバノン	アジア	225,000
22	コロンビア	南アメリカ	220,700
23	キューバ	南アメリカ	191,369
24	インドネシア	アジア	187,967
25	タイ	アジア	175,000
26	パラグアイ	南アメリカ	170,000
27	ペルー	南アメリカ	145,154
28	コンゴ民主共和国	アフリカ	141,000
29	イラク	アジア	138,000
30	中国	アジア	133,000
31	ポルトガル	ヨーロッパ	113,924
32	チュニジア	アフリカ	106,400
33	中国、台湾 中国省	アジア	99,700
34	エルサルバドル	南アメリカ	97,150
35	ベトナム	アジア	86,000
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	84,995
37	コスタリカ	南アメリカ	74,000
38	ドミニカ共和国	南アメリカ	69,000
39	パナマ	南アメリカ	64,690
40	マダガスカル	アフリカ	59,100
41	チリ	南アメリカ	56,585
42	ニカラグア	南アメリカ	53,000
43	ウルグアイ	南アメリカ	44,000
44	エスワティニ	アフリカ	43,000
45	リビア	アフリカ	41,522
46	ホンジュラス	南アメリカ	36,400
47	キプロス	アジア	36,068
48	プエルトリコ	南アメリカ	31,752
49	シリア・アラブ共和国	アジア	31,579
50	ジャマイカ	南アメリカ	31,224
51	ジンバブエ	アフリカ	30,000
52	ハイチ	南アメリカ	28,000
53	ブータン	アジア	25,200
54	ベリーズ	南アメリカ	23,188
55	モザンビーク	アフリカ	20,000
56	カンボジア	アジア	20,000
57	コートジボワール	アフリカ	20,000
58	セネガル	アフリカ	18,700
59	フィリピン	アジア	18,415
60	ラオス人民民主共和国	アジア	16,500
61	アフガニスタン	アジア	14,500
62	ケニア	アフリカ	14,000
63	ヨルダン	アジア	13,067
64	マレーシア	アジア	12,000
65	ベナン	アフリカ	12,000
66	中央アフリカ共和国	アフリカ	12,000
67	ガーナ	アフリカ	11,000
68	スリランカ	アジア	10,698
69	ガイアナ	南アメリカ	10,342
70	アルバニア	ヨーロッパ	9,600
71	トーゴ	アフリカ	9,500
72	マリ	アフリカ	9,500
73	ソマリア	アフリカ	7,700
74	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	7,100
75	スリナム	南アメリカ	7,048
76	リベリア	アフリカ	6,500
77	ニュージーランド	オセアニア	6,343
78	ザンビア	アフリカ	3,000
79	コンゴ	アフリカ	3,000
80	イエメン	アジア	2,600
81	トンガ	オセアニア	2,500
82	バングラデシュ	アジア	2,422
83	クック諸島	オセアニア	2,404
84	ドミニカ	南アメリカ	2,356
85	フランス	ヨーロッパ	1,340
86	グレナダ	南アメリカ	1,008
87	マルティニーク	南アメリカ	700
88	ボツワナ	アフリカ	450
89	ギニアビサウ	アフリカ	400
90	フランス領ポリネシア	オセアニア	360
91	ブルネイ ダルサラーム	アジア	300
92	フィジー	オセアニア	300
93	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	260
94	レユニオン	アフリカ	226
95	セントルシア	南アメリカ	206
96	フランス領ギアナ	南アメリカ	201
97	ブルキナファソ	アフリカ	200
98	グアドループ	南アメリカ	168
99	クウェート	アジア	37
100	セーシェル	アフリカ	20
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1979年のオレンジ生産量ランキングデータによれば、ブラジルとアメリカが突出した成績を上げており、両国で世界全体のオレンジ生産量の大部分を占めています。これらの国は、広大な農地と適切な気候条件、さらに国内や国際市場に向けた効率的な農業システムが整備されていることが背景にあります。特にブラジルは栄養価が高く、加工品への需要が高いオレンジジュース用のオレンジの生産が世界一であり、輸出分野でもリーダー的な役割を果たしています。

一方、3位以降の国々、例えばメキシコやスペイン、イタリアなどは、地域市場への供給や加工用、そして生鮮オレンジの輸出を主要な目的としています。メキシコなどの中南米諸国はブラジルやアメリカと比較して規模は小さいものの、地理的にアメリカやカリブ地域への輸出競争力を持っています。また、スペインやイタリアはヨーロッパ市場における重要な生産国であり、EU域内での流通や品種改良による付加価値の高いオレンジを多く提供しています。

日本は16位となっており、生産量は362,900トンと比較的小規模にとどまっています。国内の需要に対して生産量が十分ではないため、オレンジの多くを輸入に依存しています。日本市場では、輸入オレンジが消費の大半を占めていますが、国産オレンジは高品質で甘さにこだわった品種改良が進み、差別化された特産品として存在感を示しています。ただし、農地面積の縮小や高齢化の影響で国内生産の維持が課題となっています。

考察すると、オレンジ生産では気候条件と地域の経済インフラが重要な役割を果たしており、生産の多い地域の多くは温暖で農業に適した地帯に存在していることがわかります。しかし、近年の気候変動により、これらの「オレンジ地帯」が将来的にリスクにさらされる可能性があります。高温化による生育条件の変化や、突発的な豪雨や干ばつによる影響を考慮し、生産体制の多様化や技術革新が求められています。

また、オレンジ生産は地政学的リスクとの関連も指摘できます。例えば、中東や北アフリカ地域では生産量が比較的多い国もありますが、水資源不足や政治的な不安定さが生産量の一貫性に影響を与えています。また、紛争や貧困の多い地域では、農業技術への投資や国際市場へのアクセスが十分でなく、生産性が低い傾向があります。

未来に向けた具体的な提言としては、まず各国間の技術共有を推進する枠組みの強化が重要です。たとえば、灌漑技術や品種改良のノウハウを共有し、気候変動と地政学リスクの双方に対応できる持続可能な農業モデルの構築を目指す必要があります。さらに、オレンジ輸出に依存する国では輸送インフラの整備や地理的な多様化を進め、一時的な輸入先や販路の変更に対応できる柔軟性を高めることが求められます。

また、日本の場合は、国内生産量が十分でない現状を補うために、オレンジを核とした地域特産品のブランディングを進めるとともに、輸入依存度を下げつつ農業支援を強化する政策が重要です。具体的には、若い農家への支援や環境に優しい農法の導入、地方創生プロジェクトで地域農業を活性化させることなどが挙げられます。

結論として、このランキングデータは単なるオレンジ生産量の順位を示すだけでなく、それぞれの国の農業政策や経済状況、さらには地政学的影響や気候変動といった広範な問題を包括的に考えるきっかけを与えてくれます。国際社会が協力し、持続可能な農業を推進していくことが、安定した果物供給の鍵となるでしょう。