フランス領ポリネシアの羊肉生産量は、1961年に33トンであったのに対して、緩やかに減少を続け、1986年以降は2〜3トンで安定しています。2023年時点の生産量は3トンで、1973年を境に著しく減少していることがデータから明らかです。これは地域の食肉需要や生産構造の変化に起因する可能性があります。
フランス領ポリネシアの羊肉生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 3 |
0.66% ↑
|
2022年 | 3 | - |
2021年 | 3 | - |
2020年 | 3 | - |
2019年 | 3 |
0.33% ↑
|
2018年 | 3 | - |
2017年 | 3 | - |
2016年 | 3 | - |
2015年 | 3 | - |
2014年 | 3 | - |
2013年 | 3 | - |
2012年 | 3 | - |
2011年 | 3 | - |
2010年 | 3 | - |
2009年 | 3 | - |
2008年 | 3 | - |
2007年 | 3 | - |
2006年 | 3 | - |
2005年 | 3 | - |
2004年 | 3 | - |
2003年 | 3 | - |
2002年 | 3 | - |
2001年 | 3 | - |
2000年 | 3 | - |
1999年 | 3 |
5.26% ↑
|
1998年 | 3 | - |
1997年 | 3 | - |
1996年 | 3 | - |
1995年 | 3 |
5.56% ↑
|
1994年 | 3 |
5.88% ↑
|
1993年 | 3 |
9.44% ↑
|
1992年 | 2 |
7.37% ↑
|
1991年 | 2 |
7.43% ↑
|
1990年 | 2 | - |
1989年 | 2 | - |
1988年 | 2 | - |
1987年 | 2 |
0.5% ↑
|
1986年 | 2 |
-46.4% ↓
|
1985年 | 4 |
-37.5% ↓
|
1984年 | 6 |
-27.27% ↓
|
1983年 | 8 |
-23.61% ↓
|
1982年 | 11 |
-20% ↓
|
1981年 | 14 |
-4.8% ↓
|
1980年 | 14 |
-4.51% ↓
|
1979年 | 15 |
-4.38% ↓
|
1978年 | 16 |
-4.14% ↓
|
1977年 | 16 |
-4.42% ↓
|
1976年 | 17 |
-3.42% ↓
|
1975年 | 18 |
-4.1% ↓
|
1974年 | 18 |
-3.17% ↓
|
1973年 | 19 |
-3.08% ↓
|
1972年 | 20 |
-3.7% ↓
|
1971年 | 20 |
-3.57% ↓
|
1970年 | 21 |
-2.78% ↓
|
1969年 | 22 |
-2.7% ↓
|
1968年 | 22 |
-0.31% ↓
|
1967年 | 22 |
-5.76% ↓
|
1966年 | 24 |
0.34% ↑
|
1965年 | 24 |
-7.1% ↓
|
1964年 | 25 |
-8.65% ↓
|
1963年 | 28 |
-4.15% ↓
|
1962年 | 29 |
-11.47% ↓
|
1961年 | 33 | - |
国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データに基づくと、フランス領ポリネシアの羊肉生産量は1961年に33トンで始まりました。その後、1970年代に入るころから減少が加速し、1990年以降の生産量はわずか3トンで推移しています。この長期的な生産量の減少は、多様な要因によるものと考えられます。
特に注目すべきは、1970年代から1980年代にかけての急激な減少です。例えば1973年には19トンを記録し、1980年には14トンと、10年間で約26%減少しました。この劇的な生産量の減少は、土地利用の変化や、観光業や輸入商品の拡大に関連して、農業や畜産業の優先度が従来よりも低下した結果とみられます。フランス領ポリネシアは島嶼地域であり、農地や飼料の確保が難しいことが羊肉生産量に影響を与えたと考えられます。
さらに、地域の食習慣や需要の変化も重要な要因です。フランス領ポリネシアでは、伝統的な食文化の中で羊肉が主要な食材ではなく、むしろ魚介類や輸入肉が広く消費されている傾向があります。この需要の低下が羊肉生産の影響因子となり、長期的には生産への投資の減少を招いた可能性があります。このような需要の低迷は、世界的な供給チェーンの変化も相まって、輸入品が地域市場で競争力を持つようになったことも一因といえます。
現在、生産量が3トンという水準で一定しているのは、家庭内の小規模生産や特定の文化行事に関連した生産の維持によるものと推測されます。しかし、これだけの低水準では地域の経済にはほとんど寄与しておらず、ほとんどが自家消費にとどまっている可能性が高いです。
将来の課題として、食料自給率の向上が挙げられます。地政学的な観点からみれば、フランス領ポリネシアは輸送コストが高く、世界的な物流の乱れや災害時には輸入肉の供給が不安定になる可能性があります。そのため、持続可能な生産モデルの導入が急務です。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は、輸入への依存度が高いフランス領ポリネシアにとって、その脆弱性を浮き彫りにしたと言えるでしょう。
対策としては、まず地域特有の条件に合わせた小規模かつ効率的な羊肉生産システムの構築が重要です。例えば、島嶼特有の気候に適応した飼料作物の開発や、牧草地の最適利用がその一環として挙げられます。また、地域住民への農業研修や技術支援の実施、さらに羊肉の付加価値を高める取り組み、例えば観光産業と連携した地域ブランドの形成も望ましいでしょう。
以上のように、フランス領ポリネシアにおける羊肉生産量の推移は、単に農業の問題にとどまらず、地域の経済構造や地政学的条件、食文化の変化とも深く関連しています。各種要因を総合的に考慮した政策立案と実行が、持続可能な地方振興の鍵となります。