2020年の国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、世界のエンドウ豆(生)の生産量ランキングの1位は中国(11,613,006トン)、2位はインド(5,848,000トン)、3位はフランス(245,700トン)で、この3か国が世界総生産の大部分を占めています。日本は27位で、生産量は25,100トンでした。アジアの中国とインドが圧倒的に高いシェアを占めており、他の国々との生産量の差が顕著です。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
アジア | 11,613,006 |
| 2 |
|
アジア | 5,848,000 |
| 3 |
|
ヨーロッパ | 245,700 |
| 4 |
|
北アメリカ | 238,023 |
| 5 |
|
アジア | 218,638 |
| 6 |
|
アフリカ | 209,409 |
| 7 |
|
ヨーロッパ | 171,213 |
| 8 |
|
アフリカ | 152,000 |
| 9 |
|
南アメリカ | 135,048 |
| 10 |
|
ヨーロッパ | 120,480 |
| 11 |
|
ヨーロッパ | 116,116 |
| 12 |
|
アジア | 108,492 |
| 13 |
|
アフリカ | 96,860 |
| 14 |
|
ヨーロッパ | 90,020 |
| 15 |
|
ヨーロッパ | 80,410 |
| 16 |
|
アフリカ | 74,946 |
| 17 |
|
ヨーロッパ | 70,600 |
| 18 |
|
南アメリカ | 70,059 |
| 19 |
|
ヨーロッパ | 54,900 |
| 20 |
|
アフリカ | 53,747 |
| 21 |
|
北アメリカ | 50,178 |
| 22 |
|
南アメリカ | 39,000 |
| 23 |
|
南アメリカ | 29,341 |
| 24 |
|
ヨーロッパ | 27,612 |
| 25 |
|
ヨーロッパ | 25,760 |
| 26 |
|
ヨーロッパ | 25,510 |
| 27 |
|
アジア | 25,100 |
| 28 |
|
オセアニア | 24,739 |
| 29 |
|
南アメリカ | 22,302 |
| 30 |
|
ヨーロッパ | 21,620 |
| 31 |
|
南アメリカ | 20,142 |
| 32 |
|
オセアニア | 18,280 |
| 33 |
|
アジア | 16,747 |
| 34 |
|
ヨーロッパ | 16,250 |
| 35 |
|
ヨーロッパ | 15,850 |
| 36 |
|
南アメリカ | 15,539 |
| 37 |
|
アジア | 15,481 |
| 38 |
|
アジア | 10,710 |
| 39 |
|
ヨーロッパ | 9,980 |
| 40 |
|
ヨーロッパ | 9,800 |
| 41 |
|
アフリカ | 9,599 |
| 42 |
|
アフリカ | 7,519 |
| 43 |
|
ヨーロッパ | 7,400 |
| 44 |
|
ヨーロッパ | 7,360 |
| 45 |
|
ヨーロッパ | 7,223 |
| 46 |
|
アフリカ | 6,440 |
| 47 |
|
ヨーロッパ | 6,280 |
| 48 |
|
ヨーロッパ | 6,100 |
| 49 |
|
ヨーロッパ | 5,957 |
| 50 |
|
ヨーロッパ | 5,838 |
| 51 |
|
ヨーロッパ | 5,727 |
| 52 |
|
アジア | 5,070 |
| 53 |
|
アジア | 4,811 |
| 54 |
|
ヨーロッパ | 4,790 |
| 55 |
|
ヨーロッパ | 4,428 |
| 56 |
|
アフリカ | 4,343 |
| 57 |
|
アジア | 3,926 |
| 58 |
|
ヨーロッパ | 3,440 |
| 59 |
|
アフリカ | 3,253 |
| 60 |
|
アジア | 2,834 |
| 61 |
|
南アメリカ | 2,568 |
| 62 |
|
アフリカ | 2,330 |
| 63 |
|
ヨーロッパ | 2,190 |
| 64 |
|
アジア | 2,150 |
| 65 |
|
ヨーロッパ | 1,944 |
| 66 |
|
アジア | 1,916 |
| 67 |
|
アジア | 1,678 |
| 68 |
|
アフリカ | 1,377 |
| 69 |
|
アジア | 1,322 |
| 70 |
|
アジア | 983 |
| 71 |
|
アジア | 941 |
| 72 |
|
アジア | 749 |
| 73 |
|
アジア | 710 |
| 74 |
|
ヨーロッパ | 660 |
| 75 |
|
ヨーロッパ | 630 |
| 76 |
|
アフリカ | 576 |
| 77 |
|
アジア | 429 |
| 78 |
|
アジア | 422 |
| 79 |
|
ヨーロッパ | 310 |
| 80 |
|
ヨーロッパ | 280 |
| 81 |
|
アジア | 151 |
| 82 |
|
ヨーロッパ | 140 |
| 83 |
|
アフリカ | 16 |
| 84 |
|
アジア | 11 |
| 85 |
|
アフリカ | 1 |
| + すべての国を見る | |||
エンドウ豆(生)は、食用や飼料として世界中で広く利用される作物で、特にその栄養価や利用可能性の高さから需要が急速に拡大しています。2020年のデータを見ると、中国が全体の生産量の大部分を占めており、約11.6万トンという数字は、2位のインド(約5.8万トン)の倍近くに及びます。中国の生産量が飛び抜けて多い理由として、広大な耕地面積と集中的な農業技術の利用、さらに国内需要の高さが挙げられます。一方で、インドも同じく多数の人口を抱え、主食に匹敵するほどの需要がありますが、降水量や灌漑の問題、地域間での農業インフラ格差により中国との差が生じていると考えられます。
ヨーロッパではフランスがトップで、世界全体の3位の座を維持していますが、その生産量は中国やインドには遠く及びません。アメリカ合衆国やイギリスもランクインしているものの、それぞれの数値はアジアの首位国に比べると非常に少なく、これらの国ではエンドウ豆は主要品目というよりも、地域需要や輸出を満たすための副次的な作物と見られる傾向があります。
一方、日本は27位で、生産量は25,100トンに過ぎません。この数字はアジア内における主要生産国である中国やインドとは大きな差があります。日本の生産量が低い背景として、平地面積の少なさや農地の集約が遅れていること、そして国内市場の需要が輸入で十分に満たされている現状が挙げられます。
今後の課題として、急速に進行する人口増加と、それに伴う食料需要の増大があります。特に中国やインドでは、人口規模および経済成長に見合った農業生産のさらなる効率化と、安定的な供給網の構築が求められます。一方、ヨーロッパや日本などの非主要生産国では、国民の健康志向の高まりを背景に、エンドウ豆のようなタンパク質源作物への需要が増加する可能性があります。このような需要を満たすためには、国内での農業技術の強化や、地域ごとの気候条件に適した品種の開発が重要です。
地政学的なリスクにも留意する必要があります。特に気候変動や地域紛争が、主要生産国での収穫時期や生産能力に影響を及ぼす可能性があります。インドと中国という大規模生産国が位置するアジアにおける自然災害の頻発や、両国間の政治的緊張は、エンドウ豆の国際市場価格や供給に不確実性をもたらす要因です。また、エンドウ豆は水資源の管理が重要な作物であり、灌漑技術や水配分の失敗は生産成績に大きく影響をもたらします。特にインドでは干ばつの影響が深刻化しており、対策がなければ将来的に生産量の維持が困難になる恐れがあります。
また、2020年のデータは新型コロナウイルス感染症の影響も含んでいる可能性があります。パンデミックによる労働力不足や流通の滞りは、農作業の効率性や輸出入に悪影響を与えました。これに対して、各国が緊急時の食料供給を維持するための政策備蓄や貿易ルールの見直しを行うことが求められます。
結論として、主要生産地域では技術革新と気候変動への適応が鍵となります。特に、灌漑インフラの整備や気候に強い品種の開発が必要です。他方で、非主要生産国では都市農業やスマート農業の導入を進めることで、競争力を高め、輸入依存から脱却する可能性があります。最終的には、国際的な協力体制の強化を通じて、世界的な食料安全保障の実現を目指すことが求められます。