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北マケドニアのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が提供する最新データによると、北マケドニアにおけるエンドウ豆(生)の生産量は、1992年に1,691トンから始まり、その後増減を繰り返してきました。1998年に4,222トンというピークを迎えて以来、減少傾向がみられる年も多く、2023年の生産量は1,653トンと近年の最低値を記録しました。全体として、生産量は長期的に安定していない一方、2000年代以降は概ね2,000トン前後で推移しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,653
-10.11% ↓
2022年 1,839
-20.66% ↓
2021年 2,318
19.24% ↑
2020年 1,944
-4.38% ↓
2019年 2,033
-1.64% ↓
2018年 2,067
9.19% ↑
2017年 1,893
-15% ↓
2016年 2,227
-6.62% ↓
2015年 2,385
-6.36% ↓
2014年 2,547
22.57% ↑
2013年 2,078
-4.11% ↓
2012年 2,167
-15.58% ↓
2011年 2,567
11.16% ↑
2010年 2,309
-7.63% ↓
2009年 2,500
4.17% ↑
2008年 2,400
26.32% ↑
2007年 1,900
-12.99% ↓
2006年 2,184
3.98% ↑
2005年 2,100
-7.52% ↓
2004年 2,271
9.41% ↑
2003年 2,075
-0.22% ↓
2002年 2,080
15.56% ↑
2001年 1,800
-28% ↓
2000年 2,500
-3.85% ↓
1999年 2,600
-38.42% ↓
1998年 4,222
170.47% ↑
1997年 1,561
-40.21% ↓
1996年 2,611
4.44% ↑
1995年 2,500
3.52% ↑
1994年 2,415
42.06% ↑
1993年 1,700
0.53% ↑
1992年 1,691 -

北マケドニアのエンドウ豆生産は、1990年代から現在に至るまで変動の多い状況にあります。特に1998年には4,222トンを記録し、それ以前の水準(約1,500~2,600トン)を大きく上回りましたが、その後は明らかな一貫性を欠きながら、おおむね2,000トン前後で推移しています。2023年には1,653トンと、これまでの最低水準に近い値となりました。これらの数字は、気候条件、農業インフラ、資源の管理状況、国の政策的支援といった複数の要因が影響していると推測されます。

エンドウ豆は、栄養価が高く、手軽に料理に利用されるため、北マケドニア国内で重要な作物の一つと位置付けられています。同時に、この作物の生産動向は、国の農業体系や地域経済における重要な指標の一つともいえるでしょう。主に小規模な農家によって生産されており、現地の需要に応じて供給が決まることが多い傾向にあります。しかしながら、気候変動の影響や作付面積の減少、農業技術の進展が限られていることが、生産量の増加を妨げる要因となっています。

たとえば気候の側面では、2020年代以降、頻発する異常気象が農地に深刻な影響を及ぼしている可能性があります。さらに、2000年代中盤以降の経済動向をみると、農業に対する国家予算の配分は他セクターよりも低い割合が続いており、それがエンドウ豆農家への支援不足へとつながっていると言えます。この点は農業技術の限界にも影響を及ぼしており、結果として農産物の品質や収穫量の向上が困難となっている状況が見て取れます。

他国と比較してみると、北マケドニアの年間2,000トン程度という生産量は、中国やインドのような大規模生産国とは比べ物にならない小さな規模です。しかしながら、ヨーロッパ地域内では中規模な生産国の一つとして、地域市場では一定の役割を果たしていると評価できます。この点では、高品質な特産品という形での市場価値を高める戦略が有効と言えます。

今後の課題には、まず気候変動への適応が挙げられます。干ばつや洪水、気温の急激な変化といった災害対策を優先的に進め、生産を持続可能にする仕組みが必要です。具体的には、耐候性の高い品種の普及や灌漑設備の近代化が重要となるでしょう。また、国内外市場における販売拡大のためのマーケティング努力も欠かせません。これは生産農家の収入を安定させるとともに、国全体の農業競争力を高めることにもつながります。

最後に、エンドウ豆の生産量が短期的な改善を見込めず低迷を継続する場合、地域の農業政策の抜本的な見直しが求められることは不可避です。たとえば、国内農業インフラへの投資拡充や補助金政策の強化、さらには隣国との共同技術研究や市場連携の進展があります。また、気候変動対策に関連した国際的なプログラムへの参加も、地域資産の維持・回復に役立つでしょう。

こうした戦略の実現には、政府と農業共同体、さらには地域住民が一体となった取り組みが必要です。適切な政策展開と実行を進めることで、北マケドニアのエンドウ豆生産の将来がより安定したものとなる可能性があります。

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