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ニジェールのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国連食糧農業機関)が発表した最新データによると、ニジェールにおけるエンドウ豆(生)の生産量は、1990年代から2013年にかけて長期的に増加傾向を見せたものの、2014年以降急激に減少し、その後僅かな回復動向を示しましたが、ほぼ横ばいの状況となっています。特に2014年の急激な生産量の下降が目立ち、それに続く回復には限界があり、2023年までの数値は依然として低迷したままとなっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 17
4.26% ↑
2022年 17
0.24% ↑
2021年 17
2.85% ↑
2020年 16
-6.05% ↓
2019年 17
4.12% ↑
2018年 17
11.86% ↑
2017年 15
-27.25% ↓
2016年 20
56.08% ↑
2015年 13
18.18% ↑
2014年 11
-90.52% ↓
2013年 116 -
2012年 116
32.12% ↑
2011年 88
9.75% ↑
2010年 80
4.92% ↑
2009年 76
0.38% ↑
2008年 76
-6.29% ↓
2007年 81
10.54% ↑
2006年 73
3.49% ↑
2005年 71
1.23% ↑
2004年 70
6.04% ↑
2003年 66
3.06% ↑
2002年 64
2.91% ↑
2001年 62
3.73% ↑
2000年 60
0.96% ↑
1999年 59
0.99% ↑
1998年 59
0.53% ↑
1997年 59
1.25% ↑
1996年 58
1.28% ↑
1995年 57
1.3% ↑
1994年 56
1.28% ↑
1993年 56
1.29% ↑
1992年 55
1.29% ↑
1991年 54
8.48% ↑
1990年 50 -

ニジェールのエンドウ豆(生)の生産量において、1990年から2013年までの推移を見ると、安定した増加傾向が見られます。1990年には50トンだった生産量が少しずつ増加し、2012年には116トンに達しました。このような成長は、土地利用の拡大や農業に適した気候条件、技術の進歩などが寄与した結果だと考えられます。しかしながら、2014年には生産量が116トンから11トンという急落を記録しました。この大幅な減少は、同国の農業における重要な転機といえるでしょう。

この急減の背景には、ニジェールが直面している複数の課題が存在すると推測されます。気候変動の影響による干ばつや降雨パターンの変化が作物栽培に悪影響を及ぼした可能性が高いです。また、この時期の地域的な衝突や紛争、そして農村地域における政情不安も農業活動を停滞させた一因かもしれません。特に、農業従事者の減少やインフラ不足が深刻化し、エンドウ豆の栽培そのものが困難になったことが推察されます。

2015年以降、エンドウ豆生産量はわずかに回復しましたが、17トン前後の低水準で停滞しています。これは、気候変動に加えて、農業生産を効率的に支えるための技術的支援や政府の農業政策が足りていないことを示しています。また、農業従事者が他の作物へと転換したことも一因でしょう。エンドウ豆は主要作物ではなく、収入に直結しやすい他の作物が選ばれている可能性があります。

将来的には、このまま低水準が続くことが予測されますが、いくつかの対策を講じることで状況を改善する余地があります。まず、小規模農家に焦点を当てた気候変動適応対策を講じる必要があります。具体的には、気候に強いエンドウ豆の品種開発や灌漑設備の整備が求められます。また、農業従事者への技術指導を通じて、持続可能な農業の実践を奨励することも重要です。このような政策は、政府だけでなく国際機関や地域コミュニティとの連携を通じて推進されるべきです。

また、地域衝突の影響を軽減するため、地政学的安定を確保することも必要です。これには、紛争地域への人道支援や農業関連支援が含まれます。同時に、地域間での農産物取引の促進を図ることで、より効率的な市場ネットワークの構築を支援することが望まれます。

結論として、ニジェールのエンドウ豆生産量は、過去の増加トレンドから急落し、その後低迷しています。この問題は単に農業の技術革新という範囲にとどまらず、気候変動、地政学的背景、経済基盤の強化など多角的な対策が必要です。ニジェール政府、国際機関、地域社会が協力してこれらの課題に対処していくことで、安定した農業生産と経済復興につながる可能性があります。

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