国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、エクアドルにおけるエンドウ豆(生)の生産量は、1961年の2,000トンから1980年代にかけて徐々に増加し、1987年には12,526トンに達しました。その後、一時的に生産量が減少する年も見られるものの、2018年には13,986トン、2020年には20,142トンというピークを迎えました。しかしながら、2022年および2023年のデータから再び生産量の顕著な減少が見られ、2023年には5,560トンに留まりました。このような生産量の推移は、国内外の農業環境、気候変動、経済的要因との関連が深いと考えられます。
エクアドルのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 5,560 |
-19.96% ↓
|
2022年 | 6,946 |
-59.75% ↓
|
2021年 | 17,257 |
-14.32% ↓
|
2020年 | 20,142 |
78.22% ↑
|
2019年 | 11,301 |
-19.19% ↓
|
2018年 | 13,986 |
140.43% ↑
|
2017年 | 5,817 |
-39.03% ↓
|
2016年 | 9,541 |
21.01% ↑
|
2015年 | 7,885 |
-27.96% ↓
|
2014年 | 10,945 |
223.82% ↑
|
2013年 | 3,380 |
-30.75% ↓
|
2012年 | 4,881 |
-58.53% ↓
|
2011年 | 11,769 |
24% ↑
|
2010年 | 9,491 |
11.37% ↑
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2009年 | 8,522 |
-28.76% ↓
|
2008年 | 11,962 |
9.74% ↑
|
2007年 | 10,900 |
-19.55% ↓
|
2006年 | 13,549 |
27.74% ↑
|
2005年 | 10,607 |
-16.85% ↓
|
2004年 | 12,757 |
33.6% ↑
|
2003年 | 9,549 |
3.61% ↑
|
2002年 | 9,216 |
26.33% ↑
|
2001年 | 7,295 |
11.97% ↑
|
2000年 | 6,515 |
-41.13% ↓
|
1999年 | 11,066 |
-8.67% ↓
|
1998年 | 12,117 |
52.38% ↑
|
1997年 | 7,952 |
-50.68% ↓
|
1996年 | 16,123 |
25% ↑
|
1995年 | 12,898 |
17.2% ↑
|
1994年 | 11,005 |
-17.4% ↓
|
1993年 | 13,324 |
-4.34% ↓
|
1992年 | 13,929 |
57.76% ↑
|
1991年 | 8,829 |
-29.18% ↓
|
1990年 | 12,467 |
-4.47% ↓
|
1989年 | 13,050 |
6.71% ↑
|
1988年 | 12,229 |
-2.37% ↓
|
1987年 | 12,526 |
21% ↑
|
1986年 | 10,352 |
38.1% ↑
|
1985年 | 7,496 |
87.4% ↑
|
1984年 | 4,000 | - |
1983年 | 4,000 |
2.56% ↑
|
1982年 | 3,900 |
5.41% ↑
|
1981年 | 3,700 | - |
1980年 | 3,700 |
2.78% ↑
|
1979年 | 3,600 | - |
1978年 | 3,600 |
2.86% ↑
|
1977年 | 3,500 | - |
1976年 | 3,500 |
2.94% ↑
|
1975年 | 3,400 |
2.53% ↑
|
1974年 | 3,316 |
10.53% ↑
|
1973年 | 3,000 |
7.14% ↑
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1972年 | 2,800 |
7.69% ↑
|
1971年 | 2,600 |
8.33% ↑
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1970年 | 2,400 |
9.09% ↑
|
1969年 | 2,200 |
10% ↑
|
1968年 | 2,000 |
11.11% ↑
|
1967年 | 1,800 | - |
1966年 | 1,800 | - |
1965年 | 1,800 |
-10% ↓
|
1964年 | 2,000 | - |
1963年 | 2,000 | - |
1962年 | 2,000 | - |
1961年 | 2,000 | - |
エクアドルにおけるエンドウ豆(生)の生産量は、1961年から2023年にかけて著しい変化を遂げており、その推移から国内農業の変化や課題を見ることができます。1960年代は生産量が年間2,000トンと安定しており、その後1970年代から1980年代にかけて徐々に増加を見せました。この増加の背景には、新たな農業技術の導入や輸出需要の増加が挙げられます。特に1980年代後半、1987年には12,526トンの記録的な生産量を達成しました。
しかし1990年代から2000年代にかけて、生産量には大きな変動が見られました。1996年には16,123トンと高い数値を記録する一方で、1997年には7,952トンと半減し、2000年には6,515トンとさらに減少しました。このような変動の背景には、エルニーニョ現象による気候変化や、農業政策の不安定性、さらには国際市場価格の変動が影響していると考えられます。
近年では、2018年と2020年に13,986トンおよび20,142トンという高い生産量を記録しましたが、その後の2022年には6,946トン、2023年には5,560トンに急減しています。この減少の要因としては、気候変動による異常気象、新型コロナウイルス感染症の影響による労働力不足、さらには輸出市場の不安定性が挙げられます。また、農地の過剰利用や土壌の劣化も長期的な課題とされています。
地域的な背景を考慮すると、エクアドルはアンデス山脈の高地でエンドウ豆生産に適した気候を持つものの、気候変動が局所的な降雨パターンや気温に影響を与えており、これが収穫量に直結しています。また、エンドウ豆の生産は小規模農家に依存しているため、これらの農家が市場価格の変動や資金不足に直面することで、農業活動が停滞するリスクも高まっています。
将来的に、気候変動の拡大や地政学的なリスクを視野に入れた対策が重要です。具体的には、エンドウ豆生産農家に対する災害保険の導入や、生産技術の改良を支援するための農業補助金の拡充が考えられます。さらに、エクアドル政府および国際機関が協力し、耐候性の高いエンドウ豆の品種を開発することも有益です。また、輸出市場を多様化し、中国やインドといった成長市場を対象にした貿易協定を強化することで、収益性の安定化を図るべきです。
結論として、エクアドルのエンドウ豆生産は長期にわたる重要な農業指標であり、その推移は国内外の多様な要因に影響を受けています。今後、効率的な農業経営と国際市場との連携を通じて、生産量の安定と農家の収益向上を図ることが求められています。特に、気候変動という大きなリスクを克服しながら持続可能な農業形態を構築するためには、国内外の協力が欠かせません。