国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、トルコのエンドウ豆(生)の生産量は1961年の20,000トンから2023年の147,344トンまで増加傾向を示しています。この間、生産量は一時的な減少や停滞を見せつつも、特に2005年以降、大きな伸びを見せています。近年では、2023年の生産量は2022年の120,455トンから約22.4%増加するなど、顕著な増加が見られます。
トルコのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 147,344 |
22.32% ↑
|
2022年 | 120,455 |
7.91% ↑
|
2021年 | 111,625 |
2.89% ↑
|
2020年 | 108,492 |
10.48% ↑
|
2019年 | 98,200 |
-8.52% ↓
|
2018年 | 107,344 |
0.21% ↑
|
2017年 | 107,124 |
-4.9% ↓
|
2016年 | 112,643 | - |
2015年 | 112,638 |
6.99% ↑
|
2014年 | 105,279 |
-2.11% ↓
|
2013年 | 107,549 |
5.48% ↑
|
2012年 | 101,959 |
-1.76% ↓
|
2011年 | 103,787 |
15.07% ↑
|
2010年 | 90,191 |
-5.11% ↓
|
2009年 | 95,046 |
7% ↑
|
2008年 | 88,828 |
1.24% ↑
|
2007年 | 87,743 |
-2.11% ↓
|
2006年 | 89,632 |
-26.53% ↓
|
2005年 | 122,000 |
110.34% ↑
|
2004年 | 58,000 |
7.41% ↑
|
2003年 | 54,000 |
-21.74% ↓
|
2002年 | 69,000 |
15% ↑
|
2001年 | 60,000 |
25% ↑
|
2000年 | 48,000 |
-12.73% ↓
|
1999年 | 55,000 |
5.77% ↑
|
1998年 | 52,000 |
4% ↑
|
1997年 | 50,000 |
16.28% ↑
|
1996年 | 43,000 |
-12.24% ↓
|
1995年 | 49,000 |
28.95% ↑
|
1994年 | 38,000 |
-13.64% ↓
|
1993年 | 44,000 |
18.92% ↑
|
1992年 | 37,000 |
-2.63% ↓
|
1991年 | 38,000 |
2.7% ↑
|
1990年 | 37,000 |
23.33% ↑
|
1989年 | 30,000 |
-25% ↓
|
1988年 | 40,000 | - |
1987年 | 40,000 |
17.65% ↑
|
1986年 | 34,000 |
-5.56% ↓
|
1985年 | 36,000 |
2.86% ↑
|
1984年 | 35,000 |
-14.63% ↓
|
1983年 | 41,000 |
2.5% ↑
|
1982年 | 40,000 |
25% ↑
|
1981年 | 32,000 |
-3.03% ↓
|
1980年 | 33,000 | - |
1979年 | 33,000 |
3.13% ↑
|
1978年 | 32,000 |
-15.79% ↓
|
1977年 | 38,000 |
8.57% ↑
|
1976年 | 35,000 | - |
1975年 | 35,000 |
12.9% ↑
|
1974年 | 31,000 |
6.9% ↑
|
1973年 | 29,000 |
-3.33% ↓
|
1972年 | 30,000 |
-11.76% ↓
|
1971年 | 34,000 |
9.68% ↑
|
1970年 | 31,000 |
0.52% ↑
|
1969年 | 30,840 |
17.95% ↑
|
1968年 | 26,146 |
30.73% ↑
|
1967年 | 20,000 |
-20.32% ↓
|
1966年 | 25,100 |
0.4% ↑
|
1965年 | 25,000 |
4.17% ↑
|
1964年 | 24,000 |
9.09% ↑
|
1963年 | 22,000 |
4.76% ↑
|
1962年 | 21,000 |
5% ↑
|
1961年 | 20,000 | - |
トルコのエンドウ豆の生産量は過去60年にわたり、全体として増加傾向を続けています。この長期的な伸びの背景には、農業技術の進化や栽培面積の拡大があると考えられます。1961年から1980年頃までは生産量の増加ペースが緩やかで、年間35,000~40,000トン程度で推移していました。その後、1980年代後半から1990年代にかけて徐々に上昇し、1997年に初めて50,000トンを超えています。
特に大きな増加が見られたのは2000年代初頭以降です。2001年に60,000トンを超え、2005年には122,000トンという急激な増加を記録しました。この急増の背景には、エンドウ豆の需要増加や政府からの農業支援政策が影響している可能性があります。2005年以降も生産量の増減はあるものの平均的に高い水準を維持し、2023年には147,344トンという過去最高を記録しました。
また、2023年の生産量は2022年から約22.4%の増加を示しており、直近の生産の伸びは非常に顕著です。この急増については、気候条件の改善や農業政策による高効率な栽培法の導入が寄与している可能性が挙げられます。一方で、1970年代から1980年代のように生産が低迷した時期もあります。これらは、頻発する自然災害や市場価格の低迷、農村地区のインフラ不足などが原因となったと推測されます。
国際的な視点から見ると、トルコはエンドウ豆生産において世界的にも有力な地位を築いているといえますが、主要輸出国であるアメリカやインドと比較すると依然として量的な差があります。具体的には、アメリカでは同じ年の生産量が約2倍を記録することもあるため、国際市場での競争力を高めるためにはさらなる努力が求められます。
課題としては、気候変動による不安定な天候の影響や、農業用水不足が挙げられます。また、作物の集中生産による土地の劣化や害虫被害の問題も、今後の持続可能な生産のために解決すべき重要な点です。近年、トルコでは農業政策としてより効率的かつ環境負荷の少ない生産方法を取り入れる試みが進められていますが、さらなる技術革新による収量の向上や、農業従事者への支援体制が必要です。
将来的には、トルコがエンドウ豆生産において安定性を維持するために、いくつかのアプローチが提案されます。例えば、地中海特有の乾燥気候に対応した作物改良や、省水型灌漑技術の導入が効果的です。また、農村地域のインフラを整備し、作物の輸送や市場へのアクセスを効率化することも生産増加に寄与するでしょう。さらに、気候変動への適応策として、災害に強い農業システムの確立も欠かせません。
2023年の顕著な生産増加は喜ばしい成果ですが、これが一過性に終わらないよう、トルコには持続可能な農業振興策の継続的実行が求められます。加えて、世界市場での競争力強化を図るための輸出支援策や、品質向上に向けた政策的な取り組みも鍵となるでしょう。地元の努力と国際協力があいまって、トルコのエンドウ豆生産がさらに発展していくことが期待されます。