Skip to main content

アルゼンチンのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2024年7月更新のデータによると、アルゼンチンのエンドウ豆(生)の生産量は、1961年から2023年にかけて徐々に変動を見せつつも、長期的には増加傾向にあります。1961年には41,200トンでスタートしましたが、2023年には29,972トンと記録されました。特に1975年の急増と、2000年代以降の安定した緩やかな成長が特徴的です。このデータは、農業技術の発展、気候条件、経済政策などの複合的要因の影響を反映しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 29,972
0.82% ↑
2022年 29,730
0.66% ↑
2021年 29,535
0.66% ↑
2020年 29,341
0.78% ↑
2019年 29,113
0.57% ↑
2018年 28,947
0.76% ↑
2017年 28,730
0.78% ↑
2016年 28,507
0.72% ↑
2015年 28,302
0.93% ↑
2014年 28,040
0.59% ↑
2013年 27,876
-0.44% ↓
2012年 28,000
2.12% ↑
2011年 27,418
0.92% ↑
2010年 27,169
0.93% ↑
2009年 26,919
0.24% ↑
2008年 26,855
1.34% ↑
2007年 26,500
3.11% ↑
2006年 25,700
-0.66% ↓
2005年 25,872
1.26% ↑
2004年 25,549
-0.31% ↓
2003年 25,628
0.5% ↑
2002年 25,500
0.7% ↑
2001年 25,323
0.64% ↑
2000年 25,161
0.65% ↑
1999年 25,000
0.53% ↑
1998年 24,867
0.52% ↑
1997年 24,738
0.61% ↑
1996年 24,589
0.51% ↑
1995年 24,464
-0.06% ↓
1994年 24,478
-0.2% ↓
1993年 24,527
2.2% ↑
1992年 24,000
2.24% ↑
1991年 23,474
2.06% ↑
1990年 23,000
15% ↑
1989年 20,000
-20% ↓
1988年 25,000
11.08% ↑
1987年 22,507
14.83% ↑
1986年 19,600
-15.88% ↓
1985年 23,300
3.56% ↑
1984年 22,500
-6.64% ↓
1983年 24,100
-16.03% ↓
1982年 28,700
3.24% ↑
1981年 27,800
-21.91% ↓
1980年 35,600
-27.35% ↓
1979年 49,000
40% ↑
1978年 35,000
2.94% ↑
1977年 34,000
-33.72% ↓
1976年 51,300
-39% ↓
1975年 84,100
145.91% ↑
1974年 34,200
8.92% ↑
1973年 31,400
-4.27% ↓
1972年 32,800
5.13% ↑
1971年 31,200
-8.24% ↓
1970年 34,000
13.33% ↑
1969年 30,000
-4.76% ↓
1968年 31,500
0.64% ↑
1967年 31,300
-25.3% ↓
1966年 41,900
-11.23% ↓
1965年 47,200
10.02% ↑
1964年 42,900
31.19% ↑
1963年 32,700
-21.77% ↓
1962年 41,800
1.46% ↑
1961年 41,200 -

アルゼンチンのエンドウ豆(生)生産量の推移を見ると、初期の1960年代から1970年代にかけては生産量の変動が激しく、特に1975年に84,100トンという著しいピークを記録しています。この急増は当時、アルゼンチン国内での農業改革や輸出拡大政策が影響していた可能性があります。しかし、その後の生産量は低下し、1980年代に入ると22,000トン前後の段階にまで落ち込む傾向が見られます。この時期は、政治的混乱や経済危機が農業生産にも影響を与えたと考えられます。

1990年代以降、アルゼンチンのエンドウ豆生産は比較的安定しました。特に1999年以降は25,000トンを超える水準を維持し、以降ゆるやかな上昇を見せています。この上昇の背景には、農業技術の進化、気候変動への適応、また世界的な植物性タンパク質需要の高まりが影響していると考えられます。特に、2000年代からエンドウ豆が代替プロテインの材料として注目を集めたことで、輸出需要も後押しされた可能性が高いです。

しかしながら、生産量は大幅に増加しているものの、その増加速度は緩やかであり、安定成長の域を出るものではありません。この点については、アルゼンチン特有の気候条件やインフラ整備の遅れが依然として課題として存在していることを示唆しています。また、乾燥地帯が広がる地理的条件や近年の気候変動による干ばつリスクが、エンドウ豆生産に影響を与える要因として意識されるべきです。

2020年から2023年にかけての生産量は29,113トンから29,972トンへと微増しており、ここまでの成長には継続的な農業技術の進歩が寄与しています。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期間には、労働力の不足や物流の混乱もあった中で、このような微増が達成された点は評価に値するでしょう。

将来的には、アルゼンチンがエンドウ豆の生産をさらに拡大するためには、いくつかの具体的な対策が考えられます。たとえば、気候変動に対応しやすい品種の開発を進めることや、灌漑システムの整備などが挙げられます。また、農家への技術サポートや適切な市場支援策を導入することで、生産の効率化と収益性の向上が図れるでしょう。同時に、エンドウ豆の輸出を積極的に推進するために貿易相手国との供給契約を強化し、国際市場での競争力を高めることも重要です。

さらに、地政学的なリスクとして、アルゼンチンは隣国との農産物市場競争や、輸出入における関税・規制の変化に敏感であるべきです。例えば、ブラジルやパラグアイといった近隣国は類似の農業製品を生産しており、これらの競争力向上はアルゼンチンにも影響を与えるでしょう。これに対応するため、地域間の協力関係を強化し、南米全体の農業輸出基盤を向上させる取り組みも有効と考えられます。

結論として、アルゼンチンのエンドウ豆生産は過去60年にわたり緩やかに増加しており、今後もさらなる成長が期待される分野です。ただし、気候変動や地域の競争、輸出市場の変動といった課題を克服するためには、戦略的な政策と国際協力が必要不可欠です。このような取り組みにより、アルゼンチンは国内外でのエンドウ豆生産の重要な役割を果たし続けることができるでしょう。

キーワード検索
楽天おすすめ