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デンマークのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、デンマークにおけるエンドウ豆(生)の生産量は1961年から2023年までの間、大きな変動を見せています。1979年を皮切りに1980年代には大幅に生産量が増加し、1985年には120,000トンでピークを迎えました。一方で1990年代以降は減少傾向が顕著となり、2000年以降では年間20,000トン以下となることが一般的になりました。2023年は、わずか4,110トンという近年でも特に低い数値を記録しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 4,110
-65.92% ↓
2022年 12,060
-21.28% ↓
2021年 15,320
108.15% ↑
2020年 7,360
-5.76% ↓
2019年 7,810
10% ↑
2018年 7,100
-53.93% ↓
2017年 15,411
17.1% ↑
2016年 13,160
-35.93% ↓
2015年 20,540
44.32% ↑
2014年 14,232
-18.38% ↓
2013年 17,436
15.88% ↑
2012年 15,046
-24.16% ↓
2011年 19,840
44.03% ↑
2010年 13,775
-23.79% ↓
2009年 18,074
80.74% ↑
2008年 10,000
3.11% ↑
2007年 9,698
6.15% ↑
2006年 9,136
-36.56% ↓
2005年 14,401
6.82% ↑
2004年 13,482
-10.12% ↓
2003年 15,000
11.11% ↑
2002年 13,500
-25% ↓
2001年 18,000
-10% ↓
2000年 20,000
-9.09% ↓
1999年 22,000
10% ↑
1998年 20,000
33.33% ↑
1997年 15,000
-6.25% ↓
1996年 16,000
-36% ↓
1995年 25,000
-16.67% ↓
1994年 30,000
-33.33% ↓
1993年 45,000
25% ↑
1992年 36,000
-5.26% ↓
1991年 38,000
8.57% ↑
1990年 35,000
-55.7% ↓
1989年 79,000
5.33% ↑
1988年 75,000 -
1987年 75,000
-30.23% ↓
1986年 107,500
-10.42% ↓
1985年 120,000
20% ↑
1984年 100,000
33.33% ↑
1983年 75,000
-11.76% ↓
1982年 85,000
42.86% ↑
1981年 59,500
25.26% ↑
1980年 47,500
10.47% ↑
1979年 43,000
194.82% ↑
1978年 14,585
-13.24% ↓
1977年 16,810
76.67% ↑
1976年 9,515
-8.5% ↓
1975年 10,399
-38.07% ↓
1974年 16,792
58.56% ↑
1973年 10,590
1.02% ↑
1972年 10,483
-27.34% ↓
1971年 14,428
17.39% ↑
1970年 12,291
25.12% ↑
1969年 9,823
-16.45% ↓
1968年 11,757
-0.68% ↓
1967年 11,837
1.98% ↑
1966年 11,607
9.95% ↑
1965年 10,557
-23.97% ↓
1964年 13,885
-0.82% ↓
1963年 14,000
75% ↑
1962年 8,000 -
1961年 8,000 -

デンマークのエンドウ豆生産量に関するデータを振り返ると、1960年代から1970年代には安定的に10,000トン前後の生産量が保たれていました。しかし、1979年から1980年代にかけて急激な増加が見られ、この時期の最盛期となる1985年には120,000トンを記録しました。この背景には、エンドウ豆が飼料や食品加工用の主要な作物として農業政策の中で優遇された可能性や、生産技術の向上、国際的な輸出需要の高まりなどが要因として挙げられます。

一方、1990年以降には急激な減少が続き、特に1995年以降では年間20,000トン以下にまで低下する傾向が定着しています。この理由の一つとして、農業の多角化や政策の見直しによりエンドウ豆の栽培面積が縮小された点や、ヨーロッパ連合(EU)内での農産物に対する補助金制度の変化が挙げられます。また、デンマークの農業では環境への配慮から作物の選定が変わりつつあり、気候変動による生産効率への影響も否定できません。2023年には4,110トンという低水準となり、近年では最も少ない生産量となりました。

これらの大幅な変動の要因として、気候変動や地政学的な背景も含む多くの側面を考慮する必要があります。近年のデンマークは特に環境保護や持続可能な農業への対応を重視しており、エンドウ豆生産においても化学肥料や殺虫剤の使用を抑える政策が進んでいます。一方で、これらの環境目標が収穫量の減少につながる可能性も示唆されています。また、近年のヨーロッパ全域における干ばつや異常気象も農業に悪影響を与え、生産量の不安定さを助長していると考えられます。

世界規模で見ると、エンドウ豆の主要な生産国はインドや中国などのアジア諸国であり、これらの地域では主に新鮮なエンドウ豆の食品用途が中心です。これに対してデンマークでは飼料や加工用が主な用途とされてきました。しかし、その生産量はアジア諸国に比べ小規模であり、近年ではより高付加価値な農業生産への転換が進んでいます。

デンマークのエンドウ豆生産量の減少は、経済的な視点から見ても課題と言えます。この作物の生産縮小は輸出市場の競争力低下や農村部の収入源減少に直結する可能性があります。これを解決するためには、持続可能な農業技術のさらなる導入や、多様な市場へのアクセス拡大を図ることが求められます。たとえば、高品質なエンドウ豆のブランド化や、有機栽培による差別化が有効と考えられます。

また、気候変動への対応として、より耐性のある品種の開発・普及や、精密農業(ICT技術を用いた効率的な農業手法)の導入が重要です。これに加えて、EUおよび近隣国との協調により、地域間での食料安全保障に関する枠組みを強化することが有益です。さらに、農業従事者への教育や補助政策を通じて、エンドウ豆を含む作物生産の競争力を高めることが不可欠です。

結論として、デンマークのエンドウ豆生産量の減少は自然環境の変化や政策、国際競争力といった複数の要因から成り立っています。そして未来に向けては、環境配慮型農業と経済的持続性を両立させる具体的な対策が必要です。デンマークがこれまで築いてきた農業技術と国際的協力を活用しながら、これらの課題を克服することが期待されます。

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