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フランスのエンドウ豆(生)生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、フランスのエンドウ豆(生)の生産量は1961年から2023年の間で大きく変動していることが確認できます。1960年代から1970年代初頭にかけては生産量が増加し、1973年には初めて50万トンを超えました。しかし、その後1980年代や1990年代に入るとさまざまな要因で減少傾向が見られました。特に1991年には大幅な減少を記録し、その後も年間20万トン台を中心に比較的安定した推移を続けています。最近のデータから、2021年には30万トンを超える回復が見られたものの、2023年には再び下落し26万8,200トンとなっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 268,200
-9.24% ↓
2022年 295,500
-6.04% ↓
2021年 314,480
27.99% ↑
2020年 245,700
-12.93% ↓
2019年 282,190
12.39% ↑
2018年 251,080
1.37% ↑
2017年 247,687
8.53% ↑
2016年 228,212
-3.08% ↓
2015年 235,472
-0.25% ↓
2014年 236,057
3.83% ↑
2013年 227,342
-5.73% ↓
2012年 241,154
-6.69% ↓
2011年 258,452
23.89% ↑
2010年 208,610
-10.56% ↓
2009年 233,235
-0.03% ↓
2008年 233,304
25.74% ↑
2007年 185,540
-8.46% ↓
2006年 202,679
-1.16% ↓
2005年 205,059
-10.53% ↓
2004年 229,183
-1.94% ↓
2003年 233,726
-5.91% ↓
2002年 248,413
1.2% ↑
2001年 245,474
0.23% ↑
2000年 244,917
3.55% ↑
1999年 236,526
1.64% ↑
1998年 232,713
12.88% ↑
1997年 206,163
-14.79% ↓
1996年 241,941
1.69% ↑
1995年 237,931
26.37% ↑
1994年 188,278
8.22% ↑
1993年 173,970
-7.16% ↓
1992年 187,381
-0.07% ↓
1991年 187,519
-61.89% ↓
1990年 492,000
0.7% ↑
1989年 488,600
-6.4% ↓
1988年 522,000
38.02% ↑
1987年 378,200
-4.18% ↓
1986年 394,700
-7.54% ↓
1985年 426,900
-16.16% ↓
1984年 509,200
27.59% ↑
1983年 399,100
-26.08% ↓
1982年 539,900
21.63% ↑
1981年 443,900
21.65% ↑
1980年 364,900
-23.42% ↓
1979年 476,500
3.41% ↑
1978年 460,800
-8.23% ↓
1977年 502,100
61.76% ↑
1976年 310,400
-36.46% ↓
1975年 488,500
-18.4% ↓
1974年 598,626
19.6% ↑
1973年 500,540
19.98% ↑
1972年 417,202
1.6% ↑
1971年 410,636
0.42% ↑
1970年 408,902
7.63% ↑
1969年 379,920
-1.07% ↓
1968年 384,010
-3.64% ↓
1967年 398,530
19.85% ↑
1966年 332,530
7.61% ↑
1965年 309,010
-12.73% ↓
1964年 354,080
1.29% ↑
1963年 349,570
23.3% ↑
1962年 283,510
2.5% ↑
1961年 276,600 -

フランスのエンドウ豆(生)の生産量推移を1961年から最新の2023年まで分析すると、その変動にはさまざまな要因が関与していることがわかります。1960年代と1970年代初めは、生産量が順調に増加し、国内市場のみならず輸出の拡大が背景にありました。特に1973年から1974年にかけて、生産量は50万トンから60万トンの水準に達し、この時期の農業生産力の向上を反映しています。しかしその後、1976年には悪天候や作況の影響で31万トンと大幅に減少しました。

1980年代後半から1990年代は、エンドウ豆生産が歴史的に最も低迷した時期といえるでしょう。特に1991年の18万7,519トンという低水準は、農地利用の変化や価格競争力の低下、さらには市場需要の変化が影響した可能性があります。また、この時期は欧州連合(EU)の農業政策の転換やグローバル市場での競争力議論が強まり、フランス国内の生産に影響が及んでいたと考えられます。

2000年代以降は、生産量が比較的安定する傾向を示しています。平均的に約20万〜25万トンの水準を維持し、一定の回復基調が見られるものの、1970年代のピークと比べると依然低い水準です。その後、2019年には28万トン台、2021年には31万4,480トンと一時的な回復を記録しましたが、2023年には再び減少し26万8,200トンとなっています。このような変動は、天候条件や農業技術の推進、さらには輸出市場の需要動向の影響を受けていると考えられます。

フランスにおけるエンドウ豆の生産の課題として、作物の収益性が他の農産物より低い場合が多いという点が挙げられます。これにより、農家が他の作物に転換するケースも見られます。また、近年の気候変動により異常気象が頻発しており、作物の安定供給が一段と難しくなっています。2021年に生産が一時的に増加した背景には、需要の高まりと市場価格の上昇があると推測されますが、それが持続するかは不透明です。

未来への対策としては、フランス政府がエンドウ豆の生産を支える政策を強化することが必要です。具体的には、持続可能な農業技術への投資、作物の多様化を促すインセンティブ提供、ならびに気候変動への適応策を導入することが挙げられます。また、エンドウ豆を含む豆類は高たんぱく食品としての需要が増しており、これを活用して国内外の市場で競争力を高める余地があります。この点で、食品加工業者との連携を強化し、付加価値の高い製品を開発することも有用でしょう。

さらに、EU内外での輸出競争力の強化を目指した品質管理の徹底や認証制度の活用も有効な戦略と考えられます。例えば、農薬使用を削減した「有機エンドウ豆」や、地元の伝統的な生産手法を活用したブランド化は、フランスの農産物が持つイメージ向上にも寄与する可能性があります。

総じて、エンドウ豆の生産量推移はフランスの農業政策や市場動向、さらには気候条件の影響を強く受けています。安定供給を実現するためには、これら多様な要因に対応した柔軟な政策策定と、国内外市場における新しい需要開拓が重要な鍵となるでしょう。

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