1977年度のオレンジ生産量ランキングによれば、世界で最も多くのオレンジを生産した国はアメリカ合衆国で、生産量は9,567,170トンでした。2位はブラジルで7,164,691トン、3位はメキシコの1,856,764トンという結果でした。日本は生産量288,600トンで20位となり、地域的には主要なオレンジ生産国と比較すると生産量が少ない状況が見られます。このデータは国際連合食糧農業機関(FAO)が公開したもので、各国が1977年当時の国土や気候条件を活用して農産物をどの程度生産していたかを示しています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
北アメリカ | 9,567,170 |
| 2 |
|
南アメリカ | 7,164,691 |
| 3 |
|
南アメリカ | 1,856,764 |
| 4 |
|
ヨーロッパ | 1,791,800 |
| 5 |
|
ヨーロッパ | 1,563,800 |
| 6 |
|
アジア | 1,138,000 |
| 7 |
|
アジア | 907,500 |
| 8 |
|
南アメリカ | 740,000 |
| 9 |
|
アフリカ | 671,000 |
| 10 |
|
アジア | 650,000 |
| 11 |
|
アフリカ | 640,400 |
| 12 |
|
ヨーロッパ | 581,308 |
| 13 |
|
南アメリカ | 519,794 |
| 14 |
|
アフリカ | 502,508 |
| 15 |
|
アジア | 436,000 |
| 16 |
|
アフリカ | 342,932 |
| 17 |
|
アジア | 325,000 |
| 18 |
|
オセアニア | 321,674 |
| 19 |
|
南アメリカ | 319,969 |
| 20 |
|
アジア | 288,600 |
| 21 |
|
アジア | 220,000 |
| 22 |
|
アジア | 210,210 |
| 23 |
|
南アメリカ | 198,228 |
| 24 |
|
南アメリカ | 190,048 |
| 25 |
|
アジア | 175,000 |
| 26 |
|
南アメリカ | 166,446 |
| 27 |
|
南アメリカ | 157,896 |
| 28 |
|
アフリカ | 143,200 |
| 29 |
|
ヨーロッパ | 115,976 |
| 30 |
|
アジア | 110,000 |
| 31 |
|
アジア | 96,000 |
| 32 |
|
アジア | 92,100 |
| 33 |
|
アフリカ | 90,600 |
| 34 |
|
アジア | 88,000 |
| 35 |
|
アフリカ | 79,656 |
| 36 |
|
南アメリカ | 79,200 |
| 37 |
|
南アメリカ | 72,500 |
| 38 |
|
南アメリカ | 68,700 |
| 39 |
|
南アメリカ | 62,398 |
| 40 |
|
南アメリカ | 53,000 |
| 41 |
|
南アメリカ | 51,226 |
| 42 |
|
南アメリカ | 51,000 |
| 43 |
|
アフリカ | 48,000 |
| 44 |
|
南アメリカ | 47,300 |
| 45 |
|
南アメリカ | 42,042 |
| 46 |
|
アフリカ | 40,144 |
| 47 |
|
アジア | 40,132 |
| 48 |
|
南アメリカ | 32,296 |
| 49 |
|
南アメリカ | 32,000 |
| 50 |
|
アジア | 32,000 |
| 51 |
|
アフリカ | 29,000 |
| 52 |
|
南アメリカ | 25,841 |
| 53 |
|
南アメリカ | 25,000 |
| 54 |
|
アジア | 24,530 |
| 55 |
|
アジア | 24,000 |
| 56 |
|
アフリカ | 20,000 |
| 57 |
|
アジア | 19,896 |
| 58 |
|
アフリカ | 19,000 |
| 59 |
|
アジア | 18,890 |
| 60 |
|
アフリカ | 18,000 |
| 61 |
|
アフリカ | 18,000 |
| 62 |
|
アジア | 16,000 |
| 63 |
|
アフリカ | 13,000 |
| 64 |
|
アフリカ | 12,000 |
| 65 |
|
アフリカ | 12,000 |
| 66 |
|
南アメリカ | 11,793 |
| 67 |
|
アジア | 11,200 |
| 68 |
|
アジア | 10,400 |
| 69 |
|
南アメリカ | 10,200 |
| 70 |
|
アフリカ | 9,500 |
| 71 |
|
アフリカ | 9,000 |
| 72 |
|
アジア | 8,101 |
| 73 |
|
ヨーロッパ | 8,000 |
| 74 |
|
アフリカ | 7,500 |
| 75 |
|
南アメリカ | 6,600 |
| 76 |
|
アフリカ | 6,200 |
| 77 |
|
オセアニア | 3,620 |
| 78 |
|
アジア | 3,556 |
| 79 |
|
南アメリカ | 3,455 |
| 80 |
|
オセアニア | 3,432 |
| 81 |
|
アフリカ | 2,900 |
| 82 |
|
アフリカ | 2,800 |
| 83 |
|
オセアニア | 2,500 |
| 84 |
|
ヨーロッパ | 1,770 |
| 85 |
|
南アメリカ | 890 |
| 86 |
|
南アメリカ | 600 |
| 87 |
|
アフリカ | 400 |
| 88 |
|
オセアニア | 301 |
| 89 |
|
アジア | 300 |
| 90 |
|
南アメリカ | 250 |
| 91 |
|
南アメリカ | 240 |
| 92 |
|
アフリカ | 230 |
| 93 |
|
アフリカ | 200 |
| 94 |
|
南アメリカ | 190 |
| 95 |
|
南アメリカ | 170 |
| 96 |
|
オセアニア | 150 |
| 97 |
|
アフリカ | 100 |
| 98 |
|
アジア | 40 |
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1977年度のオレンジ生産量に関するデータからは、アメリカ合衆国とブラジルが世界のオレンジ市場を席巻していたことがわかります。特にアメリカ合衆国は、ブラジルの1.3倍以上の生産量を記録しています。この2国だけで世界のオレンジ生産量の大部分を占めており、地理的条件、農業技術、輸送インフラが大きな影響を与えていたと考えられます。ブラジルは熱帯性の広大な農地や低生産コストが強みとなり、世界的な生産地としての地位を確立していました。一方、アメリカ合衆国、特にフロリダ州やカリフォルニア州は、充実した灌漑設備や資本集約型農業により生産性を高めていました。
対して、日本は20位というランクインで、生産量は288,600トンでした。日本のオレンジ生産が特定の地域に限られること、気候条件が温州みかんなどの他の柑橘類の栽培に向いていることが、この生産量の背景として挙げられます。また、同じアジア地域内でも、インドは1,138,000トンを生産し世界6位、中国は96,000トンで31位と、他アジア諸国と比較して日本の生産量は中規模といった位置づけでした。一方、アジアの他の国が生産量を伸ばす中で、日本の主な農業指標が国内消費向けの特化へ進んでおり、国際市場への供給が限定的である点も興味深い要素です。
このランキングでは地中海地域諸国も目立つ結果を示しました。スペイン、イタリア、ギリシャなどは、温暖な気候を活かし高い生産量を維持していました。温暖な気候はオレンジ栽培に最適ですが、水資源の確保が必要不可欠となります。この時期、これらの国々ではすでに集中的な灌漑システムが広く導入されていたと考えられます。
ランキングからは、オレンジ生産が気候の影響を強く受けることが明らかです。熱帯や温暖な地域が上位を占めているのに対し、寒冷な地域では生産量が非常に限られています。たとえば中国やフランスといった当初の気候条件が厳しい国々のランキングは低位に留まっています。これは技術の進化や生産方式の違いが発展する前の時期の指標でもあります。また、これらの国は生産量よりも国内消費や輸入に頼る構造を取っていました。
将来的な課題としては、オレンジ栽培に適した環境が気候変動によって変化する可能性が挙げられます。例えば、フロリダ州やスペインのような暖かい地域では、高温や干ばつがより頻繁に発生するリスクがあります。こうした状況を踏まえ、気温上昇に強い新品種の開発や、水資源の保存・再利用技術の促進が必要になります。同時に、ブラジルのような大規模栽培地では、生態系保護の観点で持続可能な農業への移行が求められます。
国際的な解決策として、気候変動に対応した地域間の協力と生産技術の共有も重要です。各国がオレンジ生産と輸出で役割分担を行い、需要と供給のバランスを保つための協調政策を構築することが将来の安定したオレンジ供給の鍵になります。例えば新興国の農業技術支援や、国際機関が主導する気候対応型農業モデルの推進が検討されるべきです。
結論として、1977年度のデータからは、生産地が地理条件や経済力、農業政策の影響を強く受けていることがわかりました。この指標は、ただ過去の生産量を示すだけでなく、農業の未来的な課題と可能性を示す重要な資料です。オレンジ生産を持続可能かつ効率的に行うためには、環境変化に適応する技術開発や国際的な協力が必要不可欠と言えます。