世界の大麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2022年度の大麦生産量ランキングでは、世界最大の大麦生産国はロシア連邦で生産量は23,393,510トンに達しました。続いてオーストラリア（14,377,284トン）とフランス（11,285,440トン）がそれぞれ2位、3位に位置しています。世界的に欧州諸国の多くがトップ20に入っており、世界の大麦生産における重要な役割を果たしています。日本は49位で233,300トンを生産しており、アジア地域全体で見ても大規模な生産国にはなっていません。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ロシア連邦	ヨーロッパ	23,393,510
2	オーストラリア	オセアニア	14,377,284
3	フランス	ヨーロッパ	11,285,440
4	ドイツ	ヨーロッパ	11,207,100
5	カナダ	北アメリカ	9,986,681
6	トルコ	アジア	8,500,000
7	イギリス	ヨーロッパ	7,385,000
8	スペイン	ヨーロッパ	7,029,720
9	ウクライナ	ヨーロッパ	5,608,170
10	アルゼンチン	南アメリカ	5,279,608
11	デンマーク	ヨーロッパ	4,122,600
12	アメリカ合衆国	北アメリカ	3,795,650
13	カザフスタン	アジア	3,287,240
14	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,000,000
15	ポーランド	ヨーロッパ	2,782,010
16	エチオピア	アフリカ	2,400,000
17	中国	アジア	1,960,000
18	チェコ	ヨーロッパ	1,877,360
19	ルーマニア	ヨーロッパ	1,706,650
20	アルジェリア	アフリカ	1,600,000
21	ハンガリー	ヨーロッパ	1,590,740
22	アイルランド	ヨーロッパ	1,549,860
23	スウェーデン	ヨーロッパ	1,509,500
24	フィンランド	ヨーロッパ	1,467,600
25	インド	アジア	1,371,360
26	イタリア	ヨーロッパ	1,158,410
27	ベラルーシ	ヨーロッパ	1,100,000
28	アゼルバイジャン	アジア	1,069,446
29	メキシコ	南アメリカ	969,913
30	ウルグアイ	南アメリカ	897,200
31	オーストリア	ヨーロッパ	767,120
32	モロッコ	アフリカ	696,380
33	ブルガリア	ヨーロッパ	624,600
34	ノルウェー	ヨーロッパ	591,000
35	スロバキア	ヨーロッパ	556,480
36	キルギスタン	アジア	539,602
37	リトアニア	ヨーロッパ	522,000
38	ブラジル	南アメリカ	521,996
39	チュニジア	アフリカ	521,000
40	エストニア	ヨーロッパ	488,820
41	セルビア	ヨーロッパ	452,001
42	ベルギー	ヨーロッパ	373,000
43	ニュージーランド	オセアニア	329,728
44	ギリシャ	ヨーロッパ	323,380
45	クロアチア	ヨーロッパ	321,900
46	南アフリカ	アフリカ	308,675
47	オランダ	ヨーロッパ	283,230
48	ラトビア	ヨーロッパ	281,600
49	日本	アジア	233,300
50	ペルー	南アメリカ	225,496
51	スイス	ヨーロッパ	184,553
52	シリア・アラブ共和国	アジア	178,542
53	タイ	アジア	174,346
54	タジキスタン	アジア	150,000
55	イラク	アジア	144,493
56	北マケドニア	ヨーロッパ	137,691
57	モルドバ共和国	ヨーロッパ	132,700
58	ウズベキスタン	アジア	123,447
59	スロベニア	ヨーロッパ	112,460
60	アフガニスタン	アジア	110,000
61	チリ	南アメリカ	109,018
62	エジプト	アフリカ	96,717
63	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	89,610
64	アルメニア	アジア	75,429
65	リビア	アフリカ	70,000
66	大韓民国	アジア	67,983
67	エリトリア	アフリカ	65,000
68	グルジア	アジア	58,800
69	ジンバブエ	アフリカ	57,292
70	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	47,159
71	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	39,534
72	パキスタン	アジア	38,037
73	ルクセンブルク	ヨーロッパ	37,520
74	ヨルダン	アジア	35,000
75	ネパール	アジア	32,156
76	レバノン	アジア	30,000
77	ポルトガル	ヨーロッパ	27,780
78	キプロス	アジア	26,700
79	トルクメニスタン	アジア	25,000
80	イエメン	アジア	24,000
81	タンザニア連合共和国	アフリカ	20,249
82	ケニア	アフリカ	20,000
83	アルバニア	ヨーロッパ	19,014
84	ザンビア	アフリカ	14,201
85	イスラエル	アジア	13,750
86	パレスチナ国	アジア	11,454
87	エクアドル	南アメリカ	11,155
88	アイスランド	ヨーロッパ	8,900
89	コロンビア	南アメリカ	6,955
90	クウェート	アジア	4,948
91	サウジアラビア	アジア	4,300
92	モンゴル	アジア	4,126
93	オマーン	アジア	3,155
94	モーリタニア	アフリカ	1,455
95	コンゴ民主共和国	アフリカ	992
96	モンテネグロ	ヨーロッパ	973
97	ブータン	アジア	615
98	レソト	アフリカ	305
99	バングラデシュ	アジア	172
100	カタール	アジア	78
101	グアテマラ	南アメリカ	18
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国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2022年度のデータによると、世界で最も大麦を生産している国はロシア連邦です。ロシアの生産量23,393,510トンは、2位のオーストラリアや3位のフランスを大きく引き離しており、大麦市場におけるロシアの主導的地位を際立たせています。ヨーロッパではフランス、ドイツ、イギリス、スペインなど、大麦生産で特に高い順位に付けている国が多く、地理的条件や農業技術の進展に支えられた効率的な生産体制が伺えます。

オーストラリアの14,377,284トンという高い生産量は、乾燥気候を生かした作物の品種改良や効率的な灌漑技術の成果と言えます。また、フランスとドイツは、それぞれ11,285,440トンと11,207,100トンを生産しており、これらの国々ではビールなど酒類の醸造業が発展していることが背景にあると考えられます。カナダやトルコもこの分野で目覚ましい生産量を示しており、大麦が食料や家畜の飼料として不可欠な役割を果たしていることがわかります。

興味深い点として、9位に位置するウクライナが挙げられます。同国の生産量は5,608,170トンで、世界の大麦供給において重要な存在です。しかし、地域紛争が継続する中で、大麦生産量の安定性や輸出が将来的にどのような影響を受けるか、地政学的な観点での分析が求められます。同様に、シリアやイエメンといった中東地域では、生産量が低迷していますが、これらの国々では紛争や政治的な不安定さが農業発展を阻害している現状があります。

日本の大麦生産量は233,300トンで世界ランキング49位に位置し、アジア地域でも中国、インド、イランなどに遅れを取っています。日本は大規模な農地面積を確保しにくいことから国内生産に限界がある一方で、食生活における大麦製品の需要が増加しており、輸入への依存が高まる傾向にあります。この状況はアジア地域全体に共通しており、とりわけインドや中国でも、需要の伸びが供給能力を上回る可能性が懸念されています。

現在、世界全体の大麦生産には気候変動、紛争、物流障害といったリスクが影響を及ぼしています。特に極端な気象条件や水資源の不足は、大麦栽培に深刻な影響を与える可能性があります。さらに、大麦が飼料作物として広く使用される背景には、家畜産業の持続可能性も議論される必要があります。

このような課題に対処するために、農業の地域間協力を進めることが重要です。例えば、気候条件が厳しい地域では、乾燥耐性のある大麦品種の研究と普及を国際共同で行うべきです。また、輸送の効率化やストック管理システムの最適化により、輸出入の安定性を確保することもポイントです。さらには、消費地に近い地域での生産拡大を支援する政策が求められます。

まとめとして、大麦生産は食糧安全保障と家畜産業に直接的な影響を与える重要な分野ですが、これを持続可能にするためには気候変動や地政学的課題への戦略的対応が不可欠です。政府や国際機関は、農業技術の研鑽、地域協力の強化、環境に配慮した農業実践を推進し、今後も世界規模での需要に応える体制を確立すべきです。