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イスラエルの大麦生産量推移(1961年~2023年)

イスラエルの大麦生産量は1961年の62,500トンからスタートし、その後の数十年で大きな振れ幅を見せています。1960年代の比較的高い生産量を経て、1978年以降は1万トン未満になる年が増加し、1990年代には特に低迷しました。2000年代から生産量の回復傾向も見られる一方、2010年代後半以降は再び減少傾向が見られ、不安定な生産推移が特徴的です。また、2023年には11,200トンと、直近数年間の平均水準程度にとどまっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 11,200
-18.55% ↓
2022年 13,750
40.31% ↑
2021年 9,800
-36.69% ↓
2020年 15,480
43.33% ↑
2019年 10,800
116% ↑
2018年 5,000
-63.64% ↓
2017年 13,750 -
2016年 13,750
-16.67% ↓
2015年 16,500
10% ↑
2014年 15,000
-4.76% ↓
2013年 15,750
-1.56% ↓
2012年 16,000
221.35% ↑
2011年 4,979
13.49% ↑
2010年 4,387
-14.57% ↓
2009年 5,135
-6.64% ↓
2008年 5,500
-35.67% ↓
2007年 8,550
-0.87% ↓
2006年 8,625
-28.72% ↓
2005年 12,100
13.08% ↑
2004年 10,700
-22.46% ↓
2003年 13,800
6.98% ↑
2002年 12,900
43.33% ↑
2001年 9,000
291.3% ↑
2000年 2,300
15% ↑
1999年 2,000
-20% ↓
1998年 2,500
108.33% ↑
1997年 1,200
-50% ↓
1996年 2,400
4.35% ↑
1995年 2,300
-83.57% ↓
1994年 14,000
70.73% ↑
1993年 8,200
-8.89% ↓
1992年 9,000
40.63% ↑
1991年 6,400
-16.88% ↓
1990年 7,700
120% ↑
1989年 3,500
-65% ↓
1988年 10,000
-51.22% ↓
1987年 20,500
83.04% ↑
1986年 11,200
72.31% ↑
1985年 6,500
-23.53% ↓
1984年 8,500
-77.63% ↓
1983年 38,000
192.31% ↑
1982年 13,000
-36.27% ↓
1981年 20,400
-29.41% ↓
1980年 28,900
381.67% ↑
1979年 6,000
-25% ↓
1978年 8,000
-51.81% ↓
1977年 16,600
-8.79% ↓
1976年 18,200
-11.65% ↓
1975年 20,600
-31.79% ↓
1974年 30,200
68.72% ↑
1973年 17,900
-45.43% ↓
1972年 32,800
86.36% ↑
1971年 17,600
29.41% ↑
1970年 13,600
-33.66% ↓
1969年 20,500
-16.33% ↓
1968年 24,500
-56.25% ↓
1967年 56,000
164.15% ↑
1966年 21,200
-68.55% ↓
1965年 67,400
-42.2% ↓
1964年 116,600
221.21% ↑
1963年 36,300
-24.69% ↓
1962年 48,200
-22.88% ↓
1961年 62,500 -

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データを基にした分析によると、イスラエルの大麦生産量は過去60年間にわたり顕著な変動を示しています。1960年代には最盛期とも言える時期があり、特に1964年の116,600トンなど、比較的高い生産量を記録しました。しかしその後、国内での農業政策の変化、耕作地の利用転換、さらには気候変動の影響も重なり、大麦の生産量は大きな下降傾向をたどることになりました。1978年以降では6000~9000トン台にとどまる年が顕著であり、1990年代には生産量が1,000~3,000トン台までに落ち込みました。この時期は灌漑の優先順位や水資源の制約が背景にあると考えられ、農業構造の変化が影響を及ぼしたと見られます。

2000年代以降、大麦生産量の技術的改善や地域的補助金政策の一部が功を奏し、生産量は一時的に改善が見られましたが、安定的な供給基盤の構築にまでは至っていません。2010年代中盤から後半にかけて生産量が一時的に1万5000トンを超える水準に回復しましたが、2018年には再び5000トンまで下落しており、依然として不安定な推移を示しています。2022年には13,750トンを記録したものの、2023年には11,200トンとやや減少しており、長期的な成長基調には至っていないことが伺えます。

イスラエルの大麦生産の不安定性には、気象条件の変動が大きな影響を与えています。同国は乾燥した地中海性気候にあり、降雨量の不足や気温の上昇、さらには水不足に依存する農業経営構造が生産量の変動要因となっています。また、地政学的リスクも要因として挙げられ、近隣諸国との紛争や水資源をめぐる争奪が農業用灌漑への影響を間接的に引き起こしていると考えられます。そのため、大麦生産を安定化させ持続可能な形で成長させるためには、気象条件に抗する技術的な農法の導入と、水資源灌漑システムの効率化が不可欠です。

未来への課題としては、持続可能な農業技術と気候変動適応型の農法への転換が重要です。具体的な施策として、乾燥耐性のある大麦品種の導入や、精密農業(IoTやAI技術を活用した農業管理手法)の活用が挙げられます。さらに、国際的な支援や地域協力が欠かせません。特に近隣の中東諸国とも連携し、効率的な水利用システムを共同開発することで、気候変動に対する地域全体のレジリエンス向上を目指すべきです。また、貧しい農業従事者への現金支援や教育・研修プログラムの提供によって、適切な農業知識と技術が普及すれば、大麦生産の回復と安定化が期待されます。

結論として、イスラエルの大麦生産量推移はこれまでに経済、地政学、気候など多面的な要因に影響を受けてきました。今後は、持続可能性を指標に据えた農業政策や国際協力の推進が不可欠です。これにより、自国内の食料生産の安定に留まらず、より広範な環境課題へと対応する基盤作りが進むことが期待されます。