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アルジェリアの大麦生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、アルジェリアの大麦生産量は長年にわたり大きな変動を続けており、最近のデータでは2023年の生産量は1,000,000トンとなっています。最も多くの生産量を記録したのは2009年で2,203,359トン、最低値は1997年の190,892トンでした。特に気候要因や灌漑技術の違いが、長期的な生産量の変動に影響を及ぼしていると考えられます。この生産量の推移は、アルジェリアの農業政策や地政学的背景とも深い関係があります。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,000,000
-37.5% ↓
2022年 1,600,000
188.1% ↑
2021年 555,364
-54.22% ↓
2020年 1,213,137
-26.38% ↓
2019年 1,647,746
-15.82% ↓
2018年 1,957,327
101.85% ↑
2017年 969,696
5.41% ↑
2016年 919,907
-10.74% ↓
2015年 1,030,556
9.7% ↑
2014年 939,401
-37.32% ↓
2013年 1,498,639
-5.85% ↓
2012年 1,591,715
26.52% ↑
2011年 1,258,080
-16.35% ↓
2010年 1,503,900
-31.75% ↓
2009年 2,203,359
456.51% ↑
2008年 395,922
-66.64% ↓
2007年 1,186,658
-3.98% ↓
2006年 1,235,880
19.66% ↑
2005年 1,032,819
-14.76% ↓
2004年 1,211,600
-0.85% ↓
2003年 1,221,976
193.67% ↑
2002年 416,112
-27.59% ↓
2001年 574,654
251.93% ↑
2000年 163,287
-67.98% ↓
1999年 510,000
-27.14% ↓
1998年 700,000
266.7% ↑
1997年 190,892
-89.4% ↓
1996年 1,800,222
207.74% ↑
1995年 584,980
149.92% ↑
1994年 234,067
-42.63% ↓
1993年 408,023
-70.82% ↓
1992年 1,398,290
-22.74% ↓
1991年 1,809,960
117.18% ↑
1990年 833,400
5.51% ↑
1989年 789,882
102.71% ↑
1988年 389,660
-52.47% ↓
1987年 819,894
-24.28% ↓
1986年 1,082,800
-18.6% ↓
1985年 1,330,180
164.61% ↑
1984年 502,700
12.52% ↑
1983年 446,753
-7.59% ↓
1982年 483,443
-7.88% ↓
1981年 524,800
-33.92% ↓
1980年 794,190
73.94% ↑
1979年 456,584
15.02% ↑
1978年 396,965
52.5% ↑
1977年 260,309
-55.78% ↓
1976年 588,672
-20.74% ↓
1975年 742,720
124.1% ↑
1974年 331,422
-11.35% ↓
1973年 373,869
-41.95% ↓
1972年 643,995
73.22% ↑
1971年 371,768
-34.94% ↓
1970年 571,438
22.53% ↑
1969年 466,377
-13.29% ↓
1968年 537,852
58.37% ↑
1967年 339,619
161.71% ↑
1966年 129,770
-65.73% ↓
1965年 378,643
36.56% ↑
1964年 277,266
-59.88% ↓
1963年 691,083
-15.59% ↓
1962年 818,700
286.33% ↑
1961年 211,919 -

アルジェリアの大麦生産量は1961年以降のデータを見ると、年間ごとに大きく上下しています。この変動の背景には気候条件、農業技術の導入、政策的な支援体制、さらには地政学的な要因が複雑に絡み合っています。特に乾燥した気候で知られる北アフリカに位置するアルジェリアでは、降雨量の不足や分布の不均衡がしばしば問題となり、これが農作物生産量の変動の大きな要因となっています。

1970年代から1980年代にかけては、生産量が500,000~800,000トン付近で安定していましたが、1985年には1,330,180トンという大幅な増加を記録しています。その後、1991年には1,809,960トン、1996年には1,800,222トンと、大麦生産量がピークを迎える時期が複数回見られました。これらの増加は、一部において政府の農業支援政策やインフラ整備による灌漑技術の向上が背景にあると考えられます。しかし同時に、こうした急激な増加の後には反動的な減少も見られ、例えば1997年の190,892トンや2000年の163,287トンは、生産量の極端な落ち込みを象徴しています。

もっとも注目すべき年は2009年で、2,203,359トンという記録的な高生産量を達成しています。この年の成功は、降水量の恵まれた年だったことや、政府の適切な支援政策が合致した結果とされています。しかしその後も安定的な増加が続くことはなく、生産量は増減を繰り返し、2021年には555,364トンにまで減少しました。これは、気候変動の影響や世界的な農業市場の変動、さらには地域的な干ばつによる灘害が主な要因と考えられます。

地政学的背景もアルジェリアの大麦生産に影響を与えています。アルジェリアは地中海沿岸の戦略的に重要な場所に位置しており、他国との農業技術協力や貿易関係が成長を促してきました。しかしながら、国内における土地資源の利用効率の低さや、長年進展していない農業政策が課題として残っており、こうした点が十分に改善されなければ、安定的な生産量の維持は難しい可能性があります。

今後の方向性としては、灌漑技術のさらなる向上を目指したインフラ整備の強化が必要です。例えば、水資源の効率的な利用を図るための現代的な灌漑システムの普及を推進すべきです。また、大麦の耐性を高める品種改良の研究を進めることも効果的でしょう。さらに、地域共同体や国際機関との協力を深め、技術や知識の共有を進めることが、アルジェリアの農業を持続可能な方向へ導く鍵となります。

アルジェリアの大麦生産は国内市場や家畜の飼料需要において重要な役割を果たしており、特に輸入依存の軽減を目指す上で欠かせない要素となっています。今後、気候変動や世界市場の変動に十分対応できる強靭な農業体制を構築することが求められます。政策的には、政府による農業支援の一貫性を確保するとともに、地域ごとの適切な対応策を強化し、持続可能な生産体制を実現することが重要です。