世界の大麦生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2019年度の大麦生産量データによると、世界で最も大麦を生産した国はロシア連邦で、生産量は20,489,088トンに達しました。続いてフランス（13,565,420トン）やドイツ（11,591,500トン）が上位にランクインしています。日本の大麦生産量は222,700トンで、上位100カ国中52位と、周辺国と比べるとかなり少ない結果となっています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	ロシア連邦	ヨーロッパ	20,489,088
2	フランス	ヨーロッパ	13,565,420
3	ドイツ	ヨーロッパ	11,591,500
4	カナダ	北アメリカ	10,382,600
5	ウクライナ	ヨーロッパ	8,916,780
6	オーストラリア	オセアニア	8,818,946
7	イギリス	ヨーロッパ	8,048,000
8	スペイン	ヨーロッパ	7,744,150
9	トルコ	アジア	7,600,000
10	カザフスタン	アジア	3,830,069
11	アルゼンチン	南アメリカ	3,784,823
12	アメリカ合衆国	北アメリカ	3,755,720
13	デンマーク	ヨーロッパ	3,624,560
14	イラン（イスラム共和国）	アジア	3,600,000
15	ポーランド	ヨーロッパ	3,311,570
16	シリア・アラブ共和国	アジア	3,053,124
17	エチオピア	アフリカ	2,378,010
18	中国	アジア	2,011,000
19	ルーマニア	ヨーロッパ	1,879,950
20	チェコ	ヨーロッパ	1,718,060
21	フィンランド	ヨーロッパ	1,701,960
22	アルジェリア	アフリカ	1,647,746
23	インド	アジア	1,633,070
24	スウェーデン	ヨーロッパ	1,546,500
25	イラク	アジア	1,518,471
26	アイルランド	ヨーロッパ	1,479,600
27	ハンガリー	ヨーロッパ	1,383,260
28	モロッコ	アフリカ	1,161,183
29	イタリア	ヨーロッパ	1,104,990
30	ベラルーシ	ヨーロッパ	1,098,189
31	アゼルバイジャン	アジア	988,184
32	メキシコ	南アメリカ	964,083
33	チュニジア	アフリカ	912,000
34	オーストリア	ヨーロッパ	828,130
35	ウルグアイ	南アメリカ	637,800
36	サウジアラビア	アジア	616,074
37	スロバキア	ヨーロッパ	599,560
38	リトアニア	ヨーロッパ	588,450
39	ノルウェー	ヨーロッパ	565,500
40	ブルガリア	ヨーロッパ	563,150
41	エストニア	ヨーロッパ	523,140
42	キルギスタン	アジア	465,864
43	ブラジル	南アメリカ	405,615
44	ベルギー	ヨーロッパ	401,060
45	ニュージーランド	オセアニア	383,651
46	セルビア	ヨーロッパ	373,340
47	ギリシャ	ヨーロッパ	366,580
48	南アフリカ	アフリカ	345,000
49	ラトビア	ヨーロッパ	305,400
50	クロアチア	ヨーロッパ	278,600
51	オランダ	ヨーロッパ	242,370
52	日本	アジア	222,700
53	チリ	南アメリカ	210,890
54	ペルー	南アメリカ	210,298
55	スイス	ヨーロッパ	190,167
56	モルドバ共和国	ヨーロッパ	168,060
57	タジキスタン	アジア	156,240
58	タイ	アジア	145,000
59	北マケドニア	ヨーロッパ	138,453
60	大韓民国	アジア	136,915
61	ウズベキスタン	アジア	133,496
62	アフガニスタン	アジア	123,576
63	エジプト	アフリカ	106,981
64	スロベニア	ヨーロッパ	102,480
65	ケニア	アフリカ	85,781
66	ボスニア・ヘルツェゴビナ	ヨーロッパ	74,462
67	ポルトガル	ヨーロッパ	71,650
68	リビア	アフリカ	70,000
69	アルメニア	アジア	68,333
70	ヨルダン	アジア	66,618
71	エリトリア	アフリカ	65,000
72	ジンバブエ	アフリカ	57,843
73	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	55,900
74	パキスタン	アジア	54,685
75	グルジア	アジア	53,500
76	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	47,951
77	ルクセンブルク	ヨーロッパ	36,050
78	レバノン	アジア	32,000
79	ネパール	アジア	30,550
80	キプロス	アジア	30,400
81	イエメン	アジア	26,933
82	タンザニア連合共和国	アフリカ	20,019
83	トルクメニスタン	アジア	15,457
84	パレスチナ国	アジア	15,330
85	エクアドル	南アメリカ	13,450
86	イスラエル	アジア	10,800
87	コロンビア	南アメリカ	8,527
88	ザンビア	アフリカ	8,417
89	アルバニア	ヨーロッパ	7,942
90	アイスランド	ヨーロッパ	7,900
91	クウェート	アジア	5,533
92	モンゴル	アジア	2,512
93	オマーン	アジア	1,901
94	モーリタニア	アフリカ	1,450
95	ブータン	アジア	1,026
96	コンゴ民主共和国	アフリカ	985
97	モンテネグロ	ヨーロッパ	983
98	レソト	アフリカ	305
99	カタール	アジア	229
100	バングラデシュ	アジア	157
101	グアテマラ	南アメリカ	18
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大麦は食糧としての役割のみならず、飼料やビール製造などにおいても重要な役割を果たす作物です。2019年度のデータでは、大麦生産国がどのように分布しているのか、またその背景にある地政学的な要因を含めて考察することが重要です。ロシア連邦が圧倒的な生産量を記録したことは、同国の広大な農地と気候条件が寄与しているためと考えられます。フランスやドイツも、農業の技術やインフラが整備されているため、高い生産量を維持しています。

日本は222,700トンと生産量がアジアの中でも少なく、隣国の韓国（136,915トン）をはじめとする他国と比べても、発展の余地が大きいことが示されています。この背景には、日本国内での消費傾向の変化や農業の高齢化、労働力不足といった課題が影響しています。

地域ごとの問題点にも目を向ける必要があります。例えば、カナダやウクライナ、オーストラリアなどは、農業の機械化が進んでおり、効率的な生産が可能です。対照的に、アフリカのエチオピアやジンバブエは、農業技術の導入が進んでいないため、大麦の生産量が限られています。これに対し、地域間協力や技術移転の促進が求められます。

また、地政学的なリスクも大麦の生産に影響を与えています。ウクライナの紛争は、農業生産に直接的な影響を与え、生産量が減少するリスクがあります。このような状況に対しては、国際的な連携を強化し、紛争地域の安定化に向けた支援策が必要です。

さらに、最近の新型コロナウイルスの影響により、供給チェーンが断裂し、農産物の輸出入にも影響が出ています。一時的な供給不足が発生する中で、各国が食糧の安全保障に注目するようになっています。これを機会に、国内農業の強化に向けた政策が急務です。

将来的な提言としては、日本は自国の大麦生産量の増加に向けた具体的な対策を講じる必要があります。例えば、農業法人の設立や先進技術の導入、若い人材の農業参入を促進する移民政策の強化が効果的です。また、国際的な市場との連携を深めることで、販売先を広げ、国内市場の安定性を確保することも重要です。

結論として、2019年度の大麦生産量ランキングからは、各国の生産能力の違いや、地域特有の課題が浮き彫りになりました。これを踏まえ、国際機関や各国政府が生産効率を上げ、持続可能な農業の実現に向けた具体的な施策を実行することが求められています。