世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関が発表したデータによれば、1978年度のオレンジ生産量ランキングでは、1位のアメリカ合衆国が約8,659,990トン、続いてブラジルが7,826,336トン、3位のメキシコが1,902,209トンを記録しました。日本は世界第16位で360,500トンを生産していました。これらのデータは、各国の農業生産の特性や地理気候条件が農産物の生産能力にどのように影響しているかを示すとともに、今後の農業政策や市場動向を考える上での重要な指標となります。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	アメリカ合衆国	北アメリカ	8,659,990
2	ブラジル	南アメリカ	7,826,336
3	メキシコ	南アメリカ	1,902,209
4	スペイン	ヨーロッパ	1,651,000
5	イタリア	ヨーロッパ	1,433,600
6	インド	アジア	1,070,000
7	イスラエル	アジア	901,800
8	エジプト	アフリカ	843,000
9	モロッコ	アフリカ	785,000
10	アルゼンチン	南アメリカ	670,000
11	トルコ	アジア	656,000
12	南アフリカ	アフリカ	592,585
13	ギリシャ	ヨーロッパ	570,821
14	パキスタン	アジア	515,000
15	エクアドル	南アメリカ	498,311
16	日本	アジア	360,500
17	オーストラリア	オセアニア	356,538
18	イラン（イスラム共和国）	アジア	353,000
19	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	313,626
20	アルジェリア	アフリカ	284,686
21	レバノン	アジア	230,000
22	インドネシア	アジア	220,000
23	キューバ	南アメリカ	192,403
24	コロンビア	南アメリカ	192,064
25	パラグアイ	南アメリカ	181,650
26	タイ	アジア	175,000
27	ペルー	南アメリカ	152,518
28	コンゴ民主共和国	アフリカ	142,500
29	イラク	アジア	136,670
30	チュニジア	アフリカ	120,100
31	ポルトガル	ヨーロッパ	97,305
32	エルサルバドル	南アメリカ	97,152
33	中国、台湾 中国省	アジア	93,400
34	中国	アジア	92,000
35	ベトナム	アジア	91,300
36	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	80,870
37	マダガスカル	アフリカ	80,005
38	コスタリカ	南アメリカ	74,000
39	パナマ	南アメリカ	62,417
40	ドミニカ共和国	南アメリカ	60,200
41	ニカラグア	南アメリカ	54,000
42	チリ	南アメリカ	53,800
43	ジャマイカ	南アメリカ	49,665
44	エスワティニ	アフリカ	44,000
45	キプロス	アジア	36,881
46	ウルグアイ	南アメリカ	34,800
47	ホンジュラス	南アメリカ	34,000
48	プエルトリコ	南アメリカ	33,566
49	リビア	アフリカ	31,755
50	ベリーズ	南アメリカ	28,005
51	カンボジア	アジア	28,000
52	ジンバブエ	アフリカ	27,000
53	ハイチ	南アメリカ	27,000
54	ブータン	アジア	25,000
55	シリア・アラブ共和国	アジア	21,124
56	ガーナ	アフリカ	21,000
57	モザンビーク	アフリカ	20,000
58	フィリピン	アジア	19,621
59	セネガル	アフリカ	18,500
60	コートジボワール	アフリカ	18,000
61	ラオス人民民主共和国	アジア	15,500
62	アフガニスタン	アジア	15,200
63	ケニア	アフリカ	13,500
64	ヨルダン	アジア	13,179
65	ベナン	アフリカ	12,000
66	中央アフリカ共和国	アフリカ	12,000
67	マレーシア	アジア	11,000
68	ガイアナ	南アメリカ	10,700
69	スリランカ	アジア	10,144
70	マリ	アフリカ	9,500
71	アルバニア	ヨーロッパ	9,400
72	トーゴ	アフリカ	9,000
73	ソマリア	アフリカ	7,500
74	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	7,100
75	リベリア	アフリカ	6,300
76	ニュージーランド	オセアニア	5,802
77	スリナム	南アメリカ	4,780
78	ドミニカ	南アメリカ	3,242
79	コンゴ	アフリカ	3,000
80	ザンビア	アフリカ	2,900
81	クック諸島	オセアニア	2,858
82	トンガ	オセアニア	2,500
83	バングラデシュ	アジア	2,398
84	フランス	ヨーロッパ	1,425
85	グレナダ	南アメリカ	961
86	マルティニーク	南アメリカ	600
87	フィジー	オセアニア	500
88	ボツワナ	アフリカ	450
89	ブルネイ ダルサラーム	アジア	300
90	レユニオン	アフリカ	273
91	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	260
92	フランス領ポリネシア	オセアニア	250
93	グアドループ	南アメリカ	240
94	フランス領ギアナ	南アメリカ	224
95	セントルシア	南アメリカ	209
96	ブルキナファソ	アフリカ	200
97	ギニアビサウ	アフリカ	200
98	クウェート	アジア	39
99	セーシェル	アフリカ	19
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1978年度のオレンジ生産量ランキングにおいて、アメリカ合衆国が首位を占めた背景には、フロリダ州やカリフォルニア州といった温暖な気候と肥沃な土壌が適条件を提供している点があります。ブラジルは2位を記録していますが、この結果は同国の広大な土地と安定した熱帯気候に起因し、生産量は8百万トンを超える規模となっています。特にブラジルはその後もオレンジ生産と輸出で世界リーダーとしての地位を強化していくことになります。アメリカとブラジルの2国だけで世界全体の主要生産国として大きな割合を占めているのが注目点です。このような集中生産は、気候変動や疫病による供給の不安定性を引き起こす可能性もあります。

日本について見てみると、16位の360,500トンという生産量を記録しています。当時の日本の生産規模は、主に温暖な地域、特に愛媛県、和歌山県、静岡県などの沿岸部での生産が支えられていました。ただし、総合生産量としては、他の主要農産国と比較して規模が相当小さいことが際立っています。これには、日本の耕地面積の制約、四季の存在、農業への機械化の進展遅れなどが関連しています。

また、インドはランキング6位に位置していますが、1,070,000トンという比較的高い生産量を持ちながら国内消費向けの生産が主であったため、当時は国際市場でのシェアが限定的でした。一方、メキシコやスペインなど、比較的規模の小さい国々が国際貿易での貢献度を高めていたのが特徴となっています。

これらのランキングから見える課題の一つは、主要生産国が限られているため、農業への地政学的リスクや自然災害の影響について懸念が残る点です。たとえば、1978年当時はオレンジの主な病害である「グリーニング病」や「サイタスカンカー」などが既に生産工程に影響を与え始めており、こうした農作物疾病への対策は今後も継続して議論されるべき課題です。

さらには、気候変動の影響も考慮する必要があります。温暖化により一部の従来適していた地域が生産に不向きになる一方で、他の地域では新たな生産ポテンシャルが発掘される可能性があります。例えば、現在ではサブトロピカルな気候に限定されているオレンジ栽培も、カナダやロシアなど非従来生産地域での試験生産が注目されつつあります。

将来的な具体的対策として、主要生産国の災害リスクや疫病リスクへの備えが不可欠です。特に感染症管理のための国際的な連携および情報共有体制の構築が必要です。また、持続可能な農業実践を推進するために、自然農法や最新の農業テクノロジー導入による効率化が鍵となります。さらに、新たな市場を発掘することも商業的な課題であり、例えばアジア市場の拡大を念頭にインフラ整備や物流改善が求められます。

結論として、1978年のデータは、各国の地理的および気候的条件が農産物生産にどのように寄与しているかを示すものであり、その後の農業の発展と課題の方向性を見極める重要な基盤となります。国際的な枠組みを活用して共通の課題に取り組むことで、持続的なオレンジ生産を維持し、未来の需要に対応していくことが重要です。