Skip to main content

世界のオレンジ生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した1962年のオレンジ生産量ランキングによると、最も多くオレンジを生産していたのはアメリカ合衆国で約548万トン、次いでブラジルが約185万トン、3位のスペインは121万トンでした。この3か国が世界全体の生産量の大部分を占めており、特にアメリカ合衆国の突出した生産量が際立っています。日本は16位で約18万トンを生産しており、他のアジア諸国と比較しても中程度の位置付けとなっています。地域ごとに見ると、特にアメリカ大陸とヨーロッパ南部に大規模な生産地が集中していることが分かります。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 アメリカ合衆国国旗 アメリカ合衆国 北アメリカ 5,480,200
2 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 1,850,900
3 スペイン国旗 スペイン ヨーロッパ 1,213,100
4 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 882,524
5 イタリア国旗 イタリア ヨーロッパ 712,200
6 インド国旗 インド アジア 670,000
7 アルゼンチン国旗 アルゼンチン 南アメリカ 518,000
8 モロッコ国旗 モロッコ アフリカ 437,000
9 イスラエル国旗 イスラエル アジア 435,400
10 南アフリカ国旗 南アフリカ アフリカ 433,286
11 エジプト国旗 エジプト アフリカ 280,000
12 アルジェリア国旗 アルジェリア アフリカ 275,820
13 ギリシャ国旗 ギリシャ ヨーロッパ 251,934
14 パキスタン国旗 パキスタン アジア 191,000
15 トルコ国旗 トルコ アジア 188,051
16 日本国旗 日本 アジア 184,500
17 オーストラリア国旗 オーストラリア オセアニア 177,832
18 ポルトガル国旗 ポルトガル ヨーロッパ 156,000
19 パラグアイ国旗 パラグアイ 南アメリカ 153,267
20 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 136,800
21 レバノン国旗 レバノン アジア 133,000
22 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 125,400
23 タイ国旗 タイ アジア 125,000
24 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 118,254
25 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 107,000
26 インドネシア国旗 インドネシア アジア 80,000
27 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 77,000
28 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 74,000
29 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 72,000
30 チュニジア国旗 チュニジア アフリカ 64,400
31 イラン(イスラム共和国)国旗 イラン(イスラム共和国) アジア 55,000
32 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 53,452
33 中国国旗 中国 アジア 49,000
34 チリ国旗 チリ 南アメリカ 48,000
35 キプロス国旗 キプロス アジア 45,200
36 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 43,000
37 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 40,000
38 ベトナム国旗 ベトナム アジア 40,000
39 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 39,400
40 ウルグアイ国旗 ウルグアイ 南アメリカ 36,000
41 プエルトリコ国旗 プエルトリコ 南アメリカ 30,118
42 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 30,000
43 ベリーズ国旗 ベリーズ 南アメリカ 29,000
44 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 26,400
45 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 26,000
46 カンボジア国旗 カンボジア アジア 21,000
47 イラク国旗 イラク アジア 20,000
48 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 20,000
49 リビア国旗 リビア アフリカ 18,971
50 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 18,000
51 ジンバブエ国旗 ジンバブエ アフリカ 17,000
52 ブータン国旗 ブータン アジア 16,500
53 ヨルダン国旗 ヨルダン アジア 15,741
54 エスワティニ国旗 エスワティニ アフリカ 15,000
55 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 14,000
56 ラオス人民民主共和国国旗 ラオス人民民主共和国 アジア 13,000
57 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 12,029
58 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 11,000
59 スリランカ国旗 スリランカ アジア 10,416
60 ベナン国旗 ベナン アフリカ 10,400
61 アフガニスタン国旗 アフガニスタン アジア 10,100
62 モザンビーク国旗 モザンビーク アフリカ 9,500
63 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 9,263
64 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 8,937
65 マレーシア国旗 マレーシア アジア 7,500
66 マリ国旗 マリ アフリカ 7,000
67 フィリピン国旗 フィリピン アジア 6,800
68 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 6,000
69 ケニア国旗 ケニア アフリカ 5,500
70 ソマリア国旗 ソマリア アフリカ 5,200
71 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 5,000
72 リベリア国旗 リベリア アフリカ 5,000
73 バングラデシュ国旗 バングラデシュ アジア 5,000
74 中国、台湾 中国省国旗 中国、台湾 中国省 アジア 3,404
75 セネガル国旗 セネガル アフリカ 3,000
76 クック諸島国旗 クック諸島 オセアニア 3,000
77 ザンビア国旗 ザンビア アフリカ 3,000
78 シリア・アラブ共和国国旗 シリア・アラブ共和国 アジア 2,800
79 アルバニア国旗 アルバニア ヨーロッパ 2,100
80 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 2,000
81 フランス国旗 フランス ヨーロッパ 1,610
82 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 1,500
83 トンガ国旗 トンガ オセアニア 1,000
84 グレナダ国旗 グレナダ 南アメリカ 770
85 ボツワナ国旗 ボツワナ アフリカ 600
86 ニュージーランド国旗 ニュージーランド オセアニア 520
87 フィジー国旗 フィジー オセアニア 500
88 ブルネイ ダルサラーム国旗 ブルネイ ダルサラーム アジア 400
89 グアドループ国旗 グアドループ 南アメリカ 260
90 フランス領ポリネシア国旗 フランス領ポリネシア オセアニア 200
91 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 200
92 マルティニーク国旗 マルティニーク 南アメリカ 200
93 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 135
94 フランス領ギアナ国旗 フランス領ギアナ 南アメリカ 70
95 セーシェル国旗 セーシェル アフリカ 8
96 クウェート国旗 クウェート アジア 7
+ すべての国を見る

1962年のオレンジ生産量データを見ると、アメリカ合衆国が圧倒的な1位を占めており、世界全体のオレンジ市場での主要な生産国であったことが明らかです。この生産量の多さは、適した気候条件、産業の整備、また農業機械の高度な導入が大きな要因と考えられます。アメリカに続くブラジルとスペインもまた、気候的条件に恵まれ、かつオレンジがそれぞれの農業輸出の重要な柱となっています。特にブラジルは、1962年時点ではランキング2位でしたが、後年さらに国際市場での競争力を高め、世界最大のオレンジ生産国となる下地を築いていました。

日本は16位で、生産量は約18万トンでした。温暖な気候の地域、特に瀬戸内地方や静岡県を中心にオレンジの栽培が行われていましたが、耕地面積や気候の違いが原因で、アメリカやブラジルに比べ大きな生産量の差が見られました。同じアジア圏ではインドが6位と高い順位で、比較的多くのオレンジを生産していました。一方で中国では、農業基盤がさらに整っていく後年に比べれば、生産量はわずか4.9万トンに過ぎず、順位も33位と低迷していました。また、韓国や北東アジア諸国では、1962年の時点ではオレンジ生産がほとんど行われていませんでした。

地理的視点からは、地中海沿岸諸国であるスペイン、イタリア、モロッコがトップ10にランクインしています。このエリアでは気候がオレンジの生育に非常に適しており、また当時からヨーロッパの市場に向けて輸出する基盤が整備されていました。一方で、アフリカ地域全体の生産量はモロッコ、南アフリカ、エジプトの3か国にほぼ集中しており、他の国々では規模が非常に小さく、地域間の格差が顕著でした。

このデータから浮かび上がる課題として、地域間の生産技術の格差が挙げられます。例えば、アメリカ合衆国のように農業機械の導入が進んだ国では生産効率が高い一方で、コンゴ民主共和国やアフガニスタンのように順位が低い国では、インフラ未整備や技術の不足が原因で生産量が伸びていません。同様に、アジアやアフリカの多くの国では、当時まだオレンジが特産作物として重視されていなかったことも量の少なさの一因と考えられます。今後、生産量の底上げを目指すには、インフラ整備、農業技術の移転、気候に配慮した新たな品種の導入などが重要といえるでしょう。

また、オレンジ生産の地政学的な側面として、当時、輸出入の貿易摩擦や冷戦下での経済的な緊張が、特定国の生産活動に影響を与えた可能性も考慮すべきです。特に冷戦下、東欧やソビエト連邦圏内では果実全般の輸出入産業が遅れており、ランキング上でその重要性が薄かったことが分かります。一方、中南米や南ヨーロッパ地域では、温暖な気候を生かして輸出主導を強化できていました。

気候変動が農業生産に深刻な影響を与え始めている現代において、過去のデータと比較することは重要です。例えば、1962年には南アフリカやモロッコが大きなシェアを誇りましたが、近代では水不足の深刻化や異常気象が生産量に影響しており、特にアフリカ諸国では技術支援や資金調達を担う国際協力が欠かせません。オレンジは生産国にとって重要な輸出作物であり、今後も国際市場での価格競争力を保つためには、高効率で持続可能な農業技術を迅速に採用していく必要があります。

最終的に、各国がオレンジを含む果物栽培の輸出促進政策を進めることで、農業を通じた経済安定を目指せる可能性があります。しかしこれは、農業だけでなく貿易政策や環境政策といった多面的なアプローチを欠かせない課題となるでしょう。世界全体で、気候変動への対策と農業の発展を同時に考慮した持続可能な農業モデルの構築が求められています。

新着記事

記事一覧を見る

キーワード検索
楽天おすすめ