最新のFood and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)のデータによると、2023年度の世界のブドウ生産量ランキングにおいて、1位は中国で13,500,000トン、2位はイタリアで6,668,830トン、3位はフランスで6,205,260トンとなりました。ブドウ生産はアジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸それぞれの地域が高い生産量を誇る中、日本は167,000トンで40位に位置し、小規模ながら特色ある生産を展開しています。
順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
---|---|---|---|
1 |
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アジア | 13,500,000 |
2 |
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ヨーロッパ | 6,668,830 |
3 |
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ヨーロッパ | 6,205,260 |
4 |
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北アメリカ | 5,361,010 |
5 |
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ヨーロッパ | 4,822,760 |
6 |
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アジア | 3,740,000 |
7 |
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アジア | 3,400,000 |
8 |
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南アメリカ | 2,320,962 |
9 |
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アフリカ | 1,973,819 |
10 |
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アフリカ | 1,924,399 |
11 |
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南アメリカ | 1,757,891 |
12 |
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アジア | 1,731,678 |
13 |
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オセアニア | 1,550,060 |
14 |
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アジア | 1,473,242 |
15 |
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南アメリカ | 1,455,312 |
16 |
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ヨーロッパ | 1,174,050 |
17 |
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アジア | 1,086,000 |
18 |
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南アメリカ | 1,011,071 |
19 |
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ヨーロッパ | 999,740 |
20 |
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ヨーロッパ | 883,895 |
21 |
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ヨーロッパ | 801,100 |
22 |
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アフリカ | 619,740 |
23 |
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ヨーロッパ | 571,100 |
24 |
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ヨーロッパ | 564,210 |
25 |
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オセアニア | 532,000 |
26 |
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南アメリカ | 481,129 |
27 |
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ヨーロッパ | 410,980 |
28 |
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アジア | 330,435 |
29 |
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ヨーロッパ | 310,760 |
30 |
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アフリカ | 309,602 |
31 |
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アジア | 272,110 |
32 |
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アジア | 266,135 |
33 |
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ヨーロッパ | 244,870 |
34 |
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アジア | 233,749 |
35 |
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アジア | 224,517 |
36 |
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アジア | 220,700 |
37 |
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アジア | 213,426 |
38 |
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アジア | 185,233 |
39 |
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ヨーロッパ | 179,705 |
40 |
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アジア | 167,000 |
41 |
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アフリカ | 159,627 |
42 |
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ヨーロッパ | 149,006 |
43 |
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ヨーロッパ | 147,800 |
44 |
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アジア | 138,839 |
45 |
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ヨーロッパ | 131,526 |
46 |
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ヨーロッパ | 127,853 |
47 |
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北アメリカ | 104,016 |
48 |
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アジア | 103,466 |
49 |
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南アメリカ | 98,349 |
50 |
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ヨーロッパ | 94,910 |
51 |
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アジア | 80,899 |
52 |
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ヨーロッパ | 78,720 |
53 |
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ヨーロッパ | 76,980 |
54 |
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アジア | 65,993 |
55 |
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アジア | 63,502 |
56 |
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アジア | 62,583 |
57 |
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アジア | 62,413 |
58 |
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アジア | 55,014 |
59 |
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アジア | 41,937 |
60 |
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ヨーロッパ | 40,700 |
61 |
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アジア | 39,543 |
62 |
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アフリカ | 38,941 |
63 |
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ヨーロッパ | 36,866 |
64 |
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南アメリカ | 33,993 |
65 |
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アフリカ | 30,824 |
66 |
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ヨーロッパ | 26,674 |
67 |
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アジア | 24,924 |
68 |
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南アメリカ | 23,066 |
69 |
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アジア | 21,530 |
70 |
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南アメリカ | 21,068 |
71 |
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南アメリカ | 20,659 |
72 |
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南アメリカ | 19,881 |
73 |
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アフリカ | 16,921 |
74 |
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ヨーロッパ | 15,402 |
75 |
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アフリカ | 13,712 |
76 |
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ヨーロッパ | 10,880 |
77 |
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ヨーロッパ | 7,400 |
78 |
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アジア | 5,111 |
79 |
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アフリカ | 4,838 |
80 |
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アフリカ | 3,572 |
81 |
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ヨーロッパ | 2,880 |
82 |
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ヨーロッパ | 2,460 |
83 |
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南アメリカ | 555 |
84 |
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南アメリカ | 539 |
85 |
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ヨーロッパ | 512 |
86 |
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ヨーロッパ | 310 |
87 |
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アジア | 220 |
88 |
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アフリカ | 210 |
89 |
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南アメリカ | 187 |
90 |
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アジア | 185 |
91 |
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アジア | 35 |
92 |
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ヨーロッパ | 10 |
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2023年度のデータに基づき、中国が他を大きく引き離して世界最大のブドウ生産国であり、総生産量13,500,000トンは2位のイタリアの約2倍に達しています。中国の農業政策は、持続可能な食糧供給の確保とアジア地域内での市場支配を目指しており、近年は輸出用ブドウの品質向上にも注力していることが特徴です。この大規模生産により、中国が果物市場での主導的地位を維持する一方、国内需要の不均衡や耕地面積の制限といった課題も浮き彫りとなっています。
イタリアとフランスはヨーロッパの代表的な生産国であり、それぞれ6,668,830トン、6,205,260トンと非常に近い生産量を記録しています。これらの国々では、伝統的なワイン生産との密接な関係がブドウ産業を支えています。特にブドウの品種や気候条件を活かした地域特有のブランド価値が高く評価されています。一方で、ヨーロッパ全般の課題としては、気候変動による影響や、労働力不足がワイン産業全体の安定性を脅かす要因となっています。
アメリカは5,361,010トンで4位につけています。その主な生産地であるカリフォルニア州は、ワイン用ブドウのほか生食用、干しブドウなど多用途型の生産を展開しています。しかし、水不足や頻発する森林火災が農業全般、とりわけ繊細なブドウ生産に与える影響が、今後も長期的なリスク要因として指摘されています。
インド(3,740,000トン、6位)やトルコ(3,400,000トン、7位)などの国々も、ここ数年でブドウの生産量を着実に伸ばしており、特に乾燥気候を活かした干しブドウやジュースなど加工用途への展開に注力しています。
日本は40位で167,000トンの生産量を記録しており、主要な輸出国と比べると規模は小さいものの、高付加価値のブランド化を進めています。シャインマスカットや巨峰のような独特の品種が市場で高い人気を博しており、国内消費とともにアジア地域への輸出も増加傾向にあります。ただし、日本の課題として挙げられるのは、高齢化する農業労働力や独自品種の栽培コストの高さです。これについては、栽培ロボットやデジタル農業技術の導入が短期的な解決策となる可能性があります。
地域別に見ると、アジアやヨーロッパの生産が多い一方、アフリカやオセアニアでは、南アフリカ(1,973,819トン)やオーストラリア(1,550,060トン)が代表的な生産国となっています。特に南アフリカの生産は、地政学的にEUやアメリカ市場と結びついており、国際貿易の中で特有の役割を果たしています。ただし、エネルギー問題や政策的不安定さが国際市場への影響を与える場合もあります。
気候変動の影響は非常に広範であり、多くの生産国で干ばつや異常気象が生産量に直接的な影響を及ぼしています。また、新型コロナのパンデミック後、輸送網や労働力の不足が依然として回復段階にあり、多くの国でコスト高騰や供給鎖の問題として課題が残されています。
今後、ブドウ産業全体では国際協力や技術革新の導入が重要となります。具体的には、乾燥地域向けの耐乾性品種の開発や、データ分析を活用した適切な資源配分の実現などが挙げられます。また、各国間での輸出入協定の見直しや、都市部消費者をターゲットとしたマーケティング戦略の強化も、生産者にとって必要不可欠なステップといえるでしょう。
結論として、2023年度のデータを見ると、生産量は国ごとの地理的条件や政策、地域市場への対応性に大きく依存していることがわかります。今後は環境保護と持続可能な生産を両立するために、一層の技術改革と地域間協力が求められるでしょう。特に気候変動対応と輸出市場の多様化が、各国のブドウ産業を成長させる鍵となると考えられます。