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ベネズエラ (ボリバル共和国)のナス生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(FAO)が発表したデータによると、ベネズエラ (ボリバル共和国)のナス生産量は1961年に400トンから始まり、長期的には増加基調を示しつつも、複数回の大幅な変動を経験しています。2022年の生産量は16,429トンで、特に2015年以降、全体として増加傾向をたどっていますが、一部の年には明確な減少も見られます。この推移には国内の政治的・経済的状況、気候変動、農業インフラなど多くの要因が影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 16,199
-1.4% ↓
2022年 16,429
5.54% ↑
2021年 15,566
2% ↑
2020年 15,260
2.29% ↑
2019年 14,919
10.62% ↑
2018年 13,487
-4.94% ↓
2017年 14,188
-27.3% ↓
2016年 19,516
10.12% ↑
2015年 17,722
51.07% ↑
2014年 11,731
20.44% ↑
2013年 9,740
13.27% ↑
2012年 8,599
-14.3% ↓
2011年 10,034
13.69% ↑
2010年 8,826
47.1% ↑
2009年 6,000
-7.61% ↓
2008年 6,494
-41.14% ↓
2007年 11,033
8.8% ↑
2006年 10,141
87.28% ↑
2005年 5,415
8.82% ↑
2004年 4,976
10.7% ↑
2003年 4,495
1.65% ↑
2002年 4,422
2.15% ↑
2001年 4,329
32.67% ↑
2000年 3,263
-23.11% ↓
1999年 4,244
13.51% ↑
1998年 3,739
22.11% ↑
1997年 3,062
-4.85% ↓
1996年 3,218
-12.7% ↓
1995年 3,686
10.56% ↑
1994年 3,334
-15.81% ↓
1993年 3,960
4.02% ↑
1992年 3,807
-11.01% ↓
1991年 4,278
-1.5% ↓
1990年 4,343
-1.81% ↓
1989年 4,423
6.19% ↑
1988年 4,165
-5.41% ↓
1987年 4,403
-2.76% ↓
1986年 4,528
-3.99% ↓
1985年 4,716
-10.99% ↓
1984年 5,298
9.53% ↑
1983年 4,837
5.5% ↑
1982年 4,585
4.54% ↑
1981年 4,386
4.55% ↑
1980年 4,195
3.71% ↑
1979年 4,045
-1.46% ↓
1978年 4,105
23.61% ↑
1977年 3,321
6.61% ↑
1976年 3,115
19.58% ↑
1975年 2,605
9.41% ↑
1974年 2,381
9.42% ↑
1973年 2,176
12.86% ↑
1972年 1,928
12.09% ↑
1971年 1,720
3.61% ↑
1970年 1,660
4.4% ↑
1969年 1,590
22.78% ↑
1968年 1,295
13.6% ↑
1967年 1,140
13.66% ↑
1966年 1,003
25.38% ↑
1965年 800
33.33% ↑
1964年 600
50% ↑
1963年 400
-20% ↓
1962年 500
25% ↑
1961年 400 -

ベネズエラ (ボリバル共和国)におけるナス生産量のデータは、1961年から始まり、その後徐々に上昇を続けています。生産量が最も顕著に成長を遂げたのは1970年代から1980年代初頭にかけてで、1972年の1,928トンから1984年には5,298トンと約2.7倍増加しました。この急成長は当時の農業改革政策や耕地面積の拡大と関連している可能性があります。しかし1985年以降は、1980年代後半の経済危機やインフレ、農業資源への投資不足を背景に、生産量はやや減少の傾向を示しました。また、1990年代に入ってから2000年代初頭にかけて、3,000~4,500トンの間で推移する一定の停滞期を迎えました。

本格的な増加は2006年以降であり、この年の10,141トンを始まりに、2007年にはさらに増加して11,033トンを記録しました。しかし、翌2008年以降は再び生産量が大幅に低下し、6,494トンや6,000トンといった数値が見られます。この変動には、主に国内の経済危機や農業資材の調達困難といった課題が影響したと考えられます。その後2010年代後半にかけては一部の年で高い数値を記録したものの、2017年(14,188トン)から2018年(13,487トン)にかけては再び減少傾向を示しています。

しかし、2020年代に入ると再び安定した増加が見られるようになり、2022年には16,429トンまで生産量が回復しました。この復調の背景には、経済政策の改善や農業支援プログラムの導入などが影響していると考えられます。また、この期間は気候面でも大規模な干ばつや洪水といった極端な気象現象が比較的少なかったことが寄与した可能性があります。

一方で、ナスの生産に潜む課題としては、依然として農業インフラの整備不足、生産者の技術的支援の欠如、地域紛争や経済制裁が挙げられます。また、近年の気候変動も、農作物の安定供給に大きな影響を与えるリスク要因として顕在化しています。例えば、急な気温上昇や不規則な降雨パターンは農産物収量の変動を引き起こす可能性があります。

地域間での比較をすると、ベネズエラのナス生産量はインドや中国といった主要生産国と比較して非常に小さい規模にとどまっています。例えば、インドではナスの生産量が年間2,000万トンを超えることが珍しくないため、ベネズエラの生産規模がいかに小規模かが分かります。これは国内市場の需要自体が限定的であるほか、輸出用インフラの未整備が国際競争力を妨げている現状を反映しています。

未来に向けては、安定的な農業発展を成し遂げるために、いくつかの明確な対策が求められます。まず、農家への経済的支援と技術指導を強化し、生産性向上を目指すべきです。また、気候対応型農業への移行を進めるため、耐候性の高い品種改良や灌漑設備の導入を支援することも重要です。さらに、地域間協力や国際市場へのアクセス拡大を通じて、ナスを含む農産物の輸出展開を模索するべきです。

結論として、ベネズエラにおけるナスの生産量推移は、一貫した上昇を見せ続けながらも国内外の様々な課題に直面してきました。現在の成長基調を維持し国際市場での存在感を高めるためには、前述の対策を着実に実施すると同時に、国内外の農業政策や経済状況の変化に対応する柔軟な戦略が求められます。