世界のナス生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

出典： Food and Agriculture Organization「国際連合食糧農業機関」

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した1990年度のナス生産量ランキングによると、中国が4,576,000トンでトップを占め、次いでインドが3,000,000トンを生産しました。日本は554,400トンで4位にランクインしており、主にアジア圏の国々が上位を占める中、トルコやエジプトなどの国も名を連ねています。このデータは、ナスの生産がどの地域で盛んに行われているかを示し、農業政策や食糧安全保障における考慮点を浮き彫りにしています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	4,576,000
2	インド	アジア	3,000,000
3	トルコ	アジア	735,000
4	日本	アジア	554,400
5	エジプト	アフリカ	385,000
6	イタリア	ヨーロッパ	271,368
7	スペイン	ヨーロッパ	152,542
8	イラン（イスラム共和国）	アジア	150,000
9	イラク	アジア	144,300
10	インドネシア	アジア	138,388
11	シリア・アラブ共和国	アジア	134,500
12	フィリピン	アジア	112,704
13	スリランカ	アジア	69,580
14	ギリシャ	ヨーロッパ	67,544
15	パキスタン	アジア	62,243
16	サウジアラビア	アジア	60,076
17	ヨルダン	アジア	59,489
18	タイ	アジア	59,000
19	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	46,000
20	モロッコ	アフリカ	42,159
21	コートジボワール	アフリカ	40,000
22	アラブ首長国連邦	アジア	38,792
23	アメリカ合衆国	北アメリカ	38,000
24	レバノン	アジア	34,000
25	イスラエル	アジア	32,100
26	中国、台湾中国省	アジア	29,698
27	オランダ	ヨーロッパ	26,600
28	メキシコ	南アメリカ	25,000
29	フランス	ヨーロッパ	23,400
30	大韓民国	アジア	21,701
31	アルジェリア	アフリカ	21,614
32	ブルガリア	ヨーロッパ	19,890
33	アルバニア	ヨーロッパ	12,000
34	ポルトガル	ヨーロッパ	7,200
35	ガーナ	アフリカ	6,400
36	クウェート	アジア	6,000
37	リビア	アフリカ	5,700
38	ドミニカ共和国	南アメリカ	4,748
39	オマーン	アジア	4,700
40	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	4,343
41	レユニオン	アフリカ	3,174
42	コロンビア	南アメリカ	3,132
43	キプロス	アジア	2,700
44	イエメン	アジア	2,312
45	カタール	アジア	1,331
46	モーリシャス	アフリカ	1,230
47	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	1,081
48	コンゴ	アフリカ	1,000
49	マダガスカル	アフリカ	870
50	ハイチ	南アメリカ	648
51	ホンジュラス	南アメリカ	480
52	中国、香港特別行政区	アジア	430
53	グアドループ	南アメリカ	300
54	フィジー	オセアニア	273
55	バーレーン	アジア	258
56	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	230
57	チュニジア	アフリカ	150
58	カメルーン	アフリカ	100
59	ジャマイカ	南アメリカ	79
60	ブルネイダルサラーム	アジア	64
61	ジブチ	アフリカ	40
62	マルティニーク	南アメリカ	30
+ すべての国を見る

ナスは、アジアを中心に多く生産されている重要な作物の一つです。1990年度の生産データを見てみると、特に中国とインドが圧倒的な量を誇っており、これは両国ともに高い消費ニーズと生産技術の向上を背景にしています。中国は世界の約60%のナスを生産しており、この状況は今後も持続する可能性があります。しかし、このような大規模生産には環境への負荷や農薬の多用といった課題が伴います。特に地政学的な状況が不安定な地域では、農業に対する投資や技術移転が阻害されるリスクも考えられます。

日本は554,400トンで4位でしたが、これは国内需要が高いためであり、品質の高さや、生産者の技術力の賜物といえるでしょう。しかし、日本国内での生産量は年々減少傾向にあり、食糧自給率の低下が懸念されています。日本への影響として、外国からの輸入依存度が高まり、災害や国際情勢の不安定さが食糧安全保障に悪影響を及ぼす恐れがあります。

特にアジア地域では、栽培技術の進歩が見られる一方で、気候変動や自然災害が生産に影響を与えています。たとえば、台風や洪水による作物の損失は深刻な問題として浮上しています。加えて、農業従事者の高齢化も地域の生産能力を低下させる要因となっています。政府は今後、農業の振興策や後継者の育成、食育の推進など、多角的な対策が求められます。

また、国際的な視点から見ると、現在進行中の食糧問題や気候変動問題がナスの生産に与える影響も見逃せません。資源の安定供給を確保するためには、国際間の協力が不可欠です。特に、将来的な紛争や資源争奪戦が予測される地域では、食糧供給ルートの確保がますます難しくなることが懸念されます。このようなリスクを避けるためには、地域間協力の枠組みを構築し、安定した生産基盤を築くことが急務です。

未来の食糧安全保障を見据え、日本を含めた各国は生産力の向上だけでなく、持続可能な農業技術の導入を進めることが求められます。そして、国際機関や各国政府は、相互に協力しあい、地域間の枠組みを強化することによって、安定した農業生産を実現していく必要があります。これが、今後のナス生産の持続可能性を高め、食糧問題の解決に寄与する道だと言えるでしょう。