Skip to main content

ベネズエラ (ボリバル共和国)の桃(モモ)・ネクタリン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関が提供した最新のデータによると、ベネズエラの桃とネクタリンの生産量は、1961年から2023年にかけて大きな変動を見せています。この間、特に2007年から2013年にかけては急激な増加が見られましたが、その後の2017年以降は減少と回復を繰り返しています。2022年に76,679トンのピークを記録する一方、2023年には44,961トンと再び減少しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 44,961
-41.36% ↓
2022年 76,679
55% ↑
2021年 49,471
65.91% ↑
2020年 29,819
5.05% ↑
2019年 28,385
-14.89% ↓
2018年 33,349
-30.21% ↓
2017年 47,787
-33.67% ↓
2016年 72,044
-1.83% ↓
2015年 73,386
-2.19% ↓
2014年 75,032
-0.06% ↓
2013年 75,079
24.13% ↑
2012年 60,486
33.18% ↑
2011年 45,416
10.49% ↑
2010年 41,104
8.17% ↑
2009年 38,000
-2.02% ↓
2008年 38,782
-2.72% ↓
2007年 39,868
31.83% ↑
2006年 30,241
30.27% ↑
2005年 23,214
65.63% ↑
2004年 14,016
-39.52% ↓
2003年 23,173
11.06% ↑
2002年 20,865
29.6% ↑
2001年 16,099
-19.82% ↓
2000年 20,079
-9.62% ↓
1999年 22,217
45.54% ↑
1998年 15,265
24.56% ↑
1997年 12,255
25.25% ↑
1996年 9,784
31.77% ↑
1995年 7,425
-13.62% ↓
1994年 8,596
7.26% ↑
1993年 8,014
1.19% ↑
1992年 7,920
-1.47% ↓
1991年 8,038
-10.69% ↓
1990年 9,000
0.76% ↑
1989年 8,932
5.5% ↑
1988年 8,466
0.98% ↑
1987年 8,384
0.7% ↑
1986年 8,326
5.27% ↑
1985年 7,909
5.47% ↑
1984年 7,499
1.27% ↑
1983年 7,405
0.9% ↑
1982年 7,339
0.89% ↑
1981年 7,274
3.34% ↑
1980年 7,039
-2.67% ↓
1979年 7,232
-9.35% ↓
1978年 7,978
9.6% ↑
1977年 7,279
8.24% ↑
1976年 6,725
14.2% ↑
1975年 5,889
16.48% ↑
1974年 5,056
14.21% ↑
1973年 4,427
14.6% ↑
1972年 3,863
14.29% ↑
1971年 3,380
113.92% ↑
1970年 1,580
14.91% ↑
1969年 1,375
14.2% ↑
1968年 1,204
15.11% ↑
1967年 1,046
15.07% ↑
1966年 909
36.69% ↑
1965年 665
10.28% ↑
1964年 603
10.24% ↑
1963年 547
10.28% ↑
1962年 496
10.22% ↑
1961年 450 -

1961年に450トンから始まったベネズエラの桃とネクタリンの生産量は、1970年代に入り急速に増加し、1971年には3,380トン、さらに1979年には7,232トンへと拡大しました。この時期の成長は、生産技術の向上と農地の拡大が寄与したと考えられます。しかし1980年代に入ると成長は緩やかになり、約8,000トン前後で安定した推移が続きました。1990年代になると再び上昇に転じ、特に1997年から2007年にかけて顕著な成長が見られ、この期間の後半で生産量は39,868トンに達しました。

その後、2012年から2014年までの期間では、急激な増加が見られ、最も高い生産量となった2014年には75,032トンを記録しました。この増加は、国内需要の高まりや輸出可能性の拡大を背景に、農業政策や資本投資が押し上げた結果と考えられます。しかしながら、2017年以降には再び減少傾向に転じ、2019年の28,385トンを底に回復の兆しも見られますが、2023年にはやや停滞し44,961トンとなりました。

これらの変動の背景には、経済的な不安定性や社会的な課題が影響していると考えられます。例えば、2014年以降の原油価格の下落はベネズエラ経済に甚大な打撃を与え、農業分野への投資や輸送インフラの維持を困難にしました。また、近年のパンデミックも農業活動に悪影響を与え、労働力や物流の不足が生産量減少に繋がっています。

地政学的リスクも無視できない要因です。国際制裁や政情不安が、農業技術の導入や外部からの資源供給を難しくさせています。これにより、農業に必要な機械や肥料の輸入が制約され、生産性が大きく低下する結果となっています。また、気候変動の影響もあり、強い干ばつや異常気象が収穫量にマイナスの影響を及ぼしました。

ベネズエラの桃・ネクタリン生産の将来にはいくつかの課題と対策が考えられます。一つ目は、国内の農業政策の改善を通じて、生産効率を向上させることです。特に、農家に対してトレーニングプログラムを導入することや効率的な灌漑技術を普及させることが有効です。二つ目として、地政学的リスクを軽減するため、地域間協力や国際的な支援を拡大させることが挙げられます。例えば、新たな貿易ルートの開拓や他国農業企業との技術提携を進めることが有効でしょう。さらに、気候変動に対する対策として、気候に対応した頑丈な品種の導入などが必要です。

結論として、ベネズエラの桃とネクタリンの生産は、非常に大きな可能性を秘めながらも、多くの課題を抱えています。これを克服するためには、国内外を問わない多方面からの支援および政策改善が重要になるでしょう。この生産分野が安定すれば、国内の経済状況の改善に寄与するのみならず、同国が果実の輸出市場において競争力を持つポジションを確立することも期待できます。