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ベネズエラ (ボリバル共和国)のパパイヤ生産量推移(1961年~2023年)

FAO(国際連合食糧農業機関)が2024年7月に公表したデータによると、ベネズエラのパパイヤ生産量は1960年代から長期的に増加傾向を示しており、特に1990年代中盤から2000年代にかけて顕著な成長を記録しました。ただし、近年(2018年以降)、生産量はやや減少または横ばいの傾向を見せ、特に2019年には生産量が急減する局面がありました。以下の本文では、これらの傾向の背景や課題、そして解決策について考察しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 159,082
1.63% ↑
2022年 156,533
-0.04% ↓
2021年 156,598
-0.37% ↓
2020年 157,177
55.37% ↑
2019年 101,165
-34.51% ↓
2018年 154,480
-3.87% ↓
2017年 160,707
-9.3% ↓
2016年 177,180
1.46% ↑
2015年 174,624
-0.16% ↓
2014年 174,907
-5.24% ↓
2013年 184,580
3.75% ↑
2012年 177,915
3.67% ↑
2011年 171,620
5.4% ↑
2010年 162,822
25.25% ↑
2009年 130,000
1.55% ↑
2008年 128,020
-3.02% ↓
2007年 132,013
-12.78% ↓
2006年 151,353
28.2% ↑
2005年 118,063
-10.39% ↓
2004年 131,753
-11% ↓
2003年 148,030
-3.08% ↓
2002年 152,738
17.31% ↑
2001年 130,204
13.98% ↑
2000年 114,234
15.45% ↑
1999年 98,948
1.53% ↑
1998年 97,455
11.87% ↑
1997年 87,117
8.14% ↑
1996年 80,559
11.14% ↑
1995年 72,487
39% ↑
1994年 52,149
52.63% ↑
1993年 34,166
0.07% ↑
1992年 34,142
-2.61% ↓
1991年 35,058
8.57% ↑
1990年 32,290
6.62% ↑
1989年 30,284
-4.4% ↓
1988年 31,678
-5.57% ↓
1987年 33,547
-4.06% ↓
1986年 34,967
6.82% ↑
1985年 32,733
1.14% ↑
1984年 32,365
-5.93% ↓
1983年 34,405
3.05% ↑
1982年 33,387
0.53% ↑
1981年 33,211
-5.84% ↓
1980年 35,271
0.78% ↑
1979年 34,998
-1.43% ↓
1978年 35,505
-13.43% ↓
1977年 41,011
33.32% ↑
1976年 30,761
-1.17% ↓
1975年 31,125
-8.76% ↓
1974年 34,113
-4.31% ↓
1973年 35,649
7.02% ↑
1972年 33,311
6.8% ↑
1971年 31,190
0.31% ↑
1970年 31,093
3.1% ↑
1969年 30,158
3.1% ↑
1968年 29,251
3.1% ↑
1967年 28,372
3.1% ↑
1966年 27,519
-14.37% ↓
1965年 32,136
7% ↑
1964年 30,034
14.49% ↑
1963年 26,233
7% ↑
1962年 24,517
7% ↑
1961年 22,913 -

1961年から2023年にわたるデータを見ると、ベネズエラのパパイヤ生産量は初期の低い水準(22,913トン)から徐々に成長し、1990年代に劇的な拡大を見せました。特に1994年以降は、52,149トンから2000年代初頭にかけて急速な伸びを記録し、2002年には152,738トン、2013年には184,580トンとピークに達しています。この間、パパイヤが国内外で需要を拡大し、生産体制の強化や農業技術の改良が進んだことが背景と考えられます。

一方で、近年には別の動向が見て取れます。特に2019年には101,165トンと急激に生産量が減少し、2020年以降は微増したものの、2023年でも159,082トンとピーク時からはやや低い水準にとどまっています。この急減の要因について考えると、いくつかの仮説が浮かび上がります。第一に、ベネズエラ国内の経済危機による農業資源の不足です。ベネズエラは近年、インフレや通貨安など深刻な経済問題に直面しており、これが農業への投資低下を招いた可能性があります。第二に、新型コロナウイルスなどの外的要因も無視できません。パンデミックは輸送網を混乱させ、農作物の流通や販売に影響を与え、生産意欲を低下させる要素となったかもしれません。

こうした背景を踏まえると、現在の課題は主に以下の点に集約されます。一つは安定した農業資源の供給確保です。パパイヤ栽培には適度な肥料や灌漑が必要とされますが、これらが不足すれば生産量に悪影響を及ぼします。次に、農業労働力の維持や、技術指導を受け農作業を効率化する環境整備があげられます。さらに、輸出市場の開拓や輸送インフラの改善によって、農家の収益性を高め、持続可能な生産へと導く取り組みも不可欠です。

加えて、気候変動も見過ごせない要因です。パパイヤは熱帯性の果物であり、高温多湿の環境を好みますが、極端な気象変動に弱い特性があります。そのため、気候変動による干ばつや豪雨が生育に直接影響を与えるリスクが高まっています。こうしたリスクを踏まえた気候適応型の農業技術導入が必要です。

提言として、まず、農業技術を共有するための地域間協力や国際機関の支援強化を挙げられます。例えば、FAOや他の国際機関と連携し、ベネズエラに持続可能な農業支援プロジェクトを実施することで、安定した資源供給や技術指導を実現できます。また、パパイヤは健康に良い果物として国際的な需要も高いことから、輸出産業としての可能性を活かす政策を推進するべきです。さらに、国内の農業投資環境を整え、地元農家への金融サポートや低金利融資制度を確立することも重要です。

結論として、ベネズエラのパパイヤ生産は過去数十年で飛躍的な成長を遂げてきましたが、経済的、気候的、社会的な課題に直面しています。これらを克服するためには、現地政府だけでなく国際社会も連携して農業基盤を強化する必要があります。気候変動リスクや国際的な市場動向を考慮に入れた長期的な農業計画が、自国のみならず近隣国や世界市場全体に利益をもたらすと考えられます。

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