世界のナス生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関（FAO）が発表した2020年のナス生産量ランキングによると、中国が約3,658万トンで1位、次いでインドが約1,268万トン、エジプトが約128万トンでそれぞれ2位と3位を占めています。この2カ国だけで全世界の生産量の80％以上を占めるという圧倒的な数字を示しています。また、日本は297,000トンの生産量で9位にランクインし、他の先進国ではイタリア（8位）、スペイン（10位）、アメリカ（23位）などが目立っています。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	中国	アジア	36,581,247
2	インド	アジア	12,682,000
3	エジプト	アフリカ	1,278,350
4	トルコ	アジア	835,422
5	インドネシア	アジア	618,202
6	イラン（イスラム共和国）	アジア	595,336
7	バングラデシュ	アジア	558,000
8	イタリア	ヨーロッパ	304,690
9	日本	アジア	297,000
10	スペイン	ヨーロッパ	282,200
11	フィリピン	アジア	242,730
12	イラク	アジア	207,202
13	ウズベキスタン	アジア	188,000
14	シリア・アラブ共和国	アジア	180,002
15	アルジェリア	アフリカ	178,417
16	スリランカ	アジア	141,882
17	カザフスタン	アジア	125,054
18	メキシコ	南アメリカ	112,195
19	サウジアラビア	アジア	109,138
20	コートジボワール	アフリカ	109,052
21	パキスタン	アジア	100,184
22	マリ	アフリカ	99,841
23	アメリカ合衆国	北アメリカ	98,973
24	ルーマニア	ヨーロッパ	88,420
25	スーダン	アフリカ	88,009
26	ルワンダ	アフリカ	83,186
27	アゼルバイジャン	アジア	80,637
28	ウクライナ	ヨーロッパ	67,910
29	オランダ	ヨーロッパ	65,000
30	アルメニア	アジア	62,408
31	ギリシャ	ヨーロッパ	60,980
32	モロッコ	アフリカ	60,913
33	ヨルダン	アジア	57,356
34	フランス	ヨーロッパ	57,060
35	ガーナ	アフリカ	52,111
36	朝鮮民主主義人民共和国	アジア	49,188
37	パレスチナ国	アジア	49,060
38	イスラエル	アジア	47,431
39	ガイアナ	南アメリカ	46,411
40	マレーシア	アジア	39,786
41	オマーン	アジア	39,226
42	中国、台湾 中国省	アジア	35,344
43	アルバニア	ヨーロッパ	34,680
44	マラウイ	アフリカ	32,020
45	レバノン	アジア	26,980
46	ドミニカ共和国	南アメリカ	24,741
47	クウェート	アジア	21,596
48	タイ	アジア	21,236
49	アラブ首長国連邦	アジア	20,571
50	ホンジュラス	南アメリカ	20,552
51	コロンビア	南アメリカ	16,569
52	ニジェール	アフリカ	16,363
53	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	15,260
54	ベルギー	ヨーロッパ	11,400
55	ブルガリア	ヨーロッパ	9,920
56	ポルトガル	ヨーロッパ	6,500
57	カタール	アジア	5,770
58	大韓民国	アジア	5,131
59	イエメン	アジア	4,796
60	セネガル	アフリカ	4,363
61	モルドバ共和国	ヨーロッパ	4,183
62	フィジー	オセアニア	4,147
63	グルジア	アジア	4,100
64	モーリシャス	アフリカ	3,496
65	リビア	アフリカ	2,900
66	コンゴ	アフリカ	2,624
67	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	2,325
68	カメルーン	アフリカ	2,179
69	セルビア	ヨーロッパ	2,054
70	マダガスカル	アフリカ	1,790
71	バーレーン	アジア	1,500
72	オーストリア	ヨーロッパ	1,420
73	キプロス	アジア	1,340
74	プエルトリコ	南アメリカ	1,075
75	北マケドニア	ヨーロッパ	972
76	ハイチ	南アメリカ	859
77	マルタ	ヨーロッパ	850
78	ハンガリー	ヨーロッパ	830
79	チュニジア	アフリカ	699
80	キルギスタン	アジア	564
81	スロベニア	ヨーロッパ	550
82	ドミニカ	南アメリカ	504
83	ポーランド	ヨーロッパ	500
84	ブータン	アジア	429
85	ペルー	南アメリカ	427
86	ジャマイカ	南アメリカ	352
87	ブルネイ ダルサラーム	アジア	341
88	中国、香港特別行政区	アジア	270
89	ニューカレドニア	オセアニア	198
90	スロバキア	ヨーロッパ	110
91	ガボン	アフリカ	101
92	コスタリカ	南アメリカ	97
93	ジブチ	アフリカ	57
94	アンティグア・バーブーダ	南アメリカ	34
95	スウェーデン	ヨーロッパ	20
96	ナウル	オセアニア	1
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ナスは、広く食べられる野菜のひとつで、炒め物、煮物、グリル料理などさまざまな調理法で利用されるため、その生産量は各国の食文化や農業生産の特徴を反映しています。2020年の世界ランキングを見ると、中国が圧倒的な生産量を誇り、全世界のナス生産の約63％を占めています。これは中国が広大な農地と効率的な農業インフラ、さらにナスを日常的に消費する食文化を併せ持っていることを示しています。その次にランクインするインドもナスが食事の中で重要な役割を果たしており、人口の多さと家庭菜園の普及が生産量に貢献していると考えられます。

エジプトやトルコなど中東・地中海地域では、伝統的な料理にナスが多用されるため、これらの国々がランキングの上位に位置しています。一方で、日本、イタリア、スペインのような先進国は、一定の農業技術を背景に安定的な生産量を維持していますが、中国やインドと比較すると生産量では大きな差があります。

しかし、ナス生産は地政学的背景や環境条件に大きく左右される特性があります。中東地域やアフリカ諸国では灌漑設備が不十分なため、干ばつが頻発すると生産量が不安定になる傾向があります。また、新型コロナウイルス感染症が2020年に世界規模で拡大したことによる物流の停滞は、一部地域ではナスの流通や輸出に影響を与えた可能性があります。

さらに、日本のナス生産量は297,000トンで世界9位となっていますが、中国やインドと比べると桁違いに少ないことが明らかです。その理由の一つとして、日本の農地面積が限られている点があげられます。また、日本国内での労働力不足も農業全般の課題として挙げられており、これは特に単一作物の大量生産に影響を与えています。

未来に向けた課題としては、ナスの生産効率を高める技術革新や気候変動が与える影響への対策が挙げられます。特に気候変動は農作物の収穫量や品質に直接影響を及ぼすため、各国が灌漑技術の改良や耐干ばつ性に優れた作物の開発を進めることが求められます。また、農業分野での国際協力も重要であり、知識や技術を共有することで、食料不足に悩む地域の生産性向上に寄与する可能性があります。

今後の具体的な対策として、日本ではスマート農業やロボット技術を活用し、労働力不足を補完する取り組みを進めることが有効でしょう。また、各国ではナスの流通を支えるサプライチェーンの強化や、輸出向け作物の品質管理体制の向上が必要です。さらに、FAOや各国の農業機関が共同で持続可能な農業の実現を目指す枠組みを構築することも一つの方向性となるでしょう。このような努力によって、世界全体のナス生産がさらに効率化し、より多くの人々に安定的に供給されることが期待されます。