Skip to main content

世界のカカオ豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

1979年度における世界のカカオ豆生産量ランキングでは、コートジボワールが397,759トンで第1位を占め、続いてブラジル336,326トン、ガーナ280,800トンが上位3位に位置しています。上位国は主に西アフリカと南米に集中しており、これらの国々が世界全体のカカオ豆供給を支えていることが確認できます。一方、インドやフィリピンのようなアジア地域、および中米やカリブ海諸国の生産量は比較的少量にとどまっています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 397,759
2 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 336,326
3 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 280,800
4 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 151,000
5 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 123,179
6 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 77,407
7 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 37,754
8 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 35,916
9 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 32,300
10 マレーシア国旗 マレーシア アジア 28,515
11 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 27,000
12 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 17,590
13 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 15,300
14 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 10,365
15 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 9,111
16 インドネシア国旗 インドネシア アジア 8,632
17 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 7,500
18 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 6,000
19 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 5,700
20 ガボン国旗 ガボン アフリカ 4,754
21 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 4,262
22 ギニア国旗 ギニア アフリカ 4,000
23 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 4,000
24 フィリピン国旗 フィリピン アジア 3,827
25 リベリア国旗 リベリア アフリカ 3,446
26 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 2,772
27 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 2,628
28 グレナダ国旗 グレナダ 南アメリカ 2,625
29 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 2,020
30 スリランカ国旗 スリランカ アジア 2,000
31 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 1,690
32 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 1,679
33 サモア国旗 サモア オセアニア 1,632
34 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 1,614
35 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 1,450
36 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 1,366
37 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 1,100
38 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 1,000
39 インド国旗 インド アジア 800
40 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 500
41 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 500
42 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 428
43 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 310
44 ソロモン諸島国旗 ソロモン諸島 オセアニア 309
45 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 200
46 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 200
47 フィジー国旗 フィジー オセアニア 144
48 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 120
49 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 108
50 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 83
51 ベリーズ国旗 ベリーズ 南アメリカ 45
52 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 40
53 東ティモール国旗 東ティモール アジア 20
54 コモロ国旗 コモロ アフリカ 18
55 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 15
56 グアドループ国旗 グアドループ 南アメリカ 10
+ すべての国を見る

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した1979年のデータに基づくと、世界全体のカカオ豆生産において、西アフリカのコートジボワール、ガーナ、ナイジェリアが重要な役割を担っていることが明らかになっています。特に、コートジボワールの生産量は突出しており、ブラジルやガーナを大きく上回っています。この地域の豊かな気候条件と肥沃な土地が、世界的なチョコレート産業を支える一方で、地政学的に重要な位置づけを持つ資源となっています。

一方、同じ1979年のデータを見ると南米ではブラジルが飛び抜けた生産量を誇り、エクアドル、コロンビアといった国も一定のシェアを占めていますが、西アフリカの国々と比べると依然として小規模な生産に留まっています。また、メキシコやドミニカ共和国といった中米・カリブ海諸国は気候条件上、カカオ栽培に適しているものの、労働力や技術の不足、生産性向上のための投資不足により、大規模な生産には至っていない状況がうかがえます。

アジアやオセアニア地域では、1979年度のデータからはインドネシア、マレーシア、フィリピンのような国々が徐々に生産活動を始めていますが、まだその生産規模は小さく、他地域に比べて発展途上であることが分かります。この当時、これらの国々では農業政策やインフラの整備が進んでおらず、生産効率および輸出能力は限定的でした。

このランキングを見ると、カカオ豆生産が特定の国々に大きく依存している状況が浮き彫りになります。依存構造がもたらすリスクとして、西アフリカの地政学的問題や気候リスクは見過ごせないものです。仮に天候不順や政治的安定性の低下が生じれば、主要生産国での供給が途絶し、世界中のカカオ市場に大きな影響を及ぼす可能性があります。

未来に向けた課題として、まず主要生産国では、農園で働く労働者が直面する社会的問題に取り組む必要があります。例えば、児童労働の問題や公平な報酬の確保が求められます。一方で、新興生産国においては、技術移転や農業インフラの改善を通じて生産効率を向上させることが重要です。

地政学的背景において、カカオ豆という資源が一部地域に集中している現状から、紛争のエスカレーションや資源争奪の火種になる可能性も捨てきれません。このようなリスクを軽減するためには、生産国と消費国が協力して持続可能な供給ネットワークを確立することが不可欠です。たとえば、生産国間で共同の調査や支援プロジェクトを行うこと、消費国側がカカオの原産地に関心を寄せて持続可能な取引を進めることが考えられます。

最終的には、各国や国際機関が連携し、生産の多様化と持続性確保を進めることがカカオ産業の安定を支える鍵となります。現在のランキングからは、個々の国々が果たしている役割の大きさとともに、今後国際的課題の解決が求められる分野であることが確認できます。可能性を活かしながらも、リスクを適切に管理することで、未来のカカオ供給はより安全で持続可能なものとなるはずです。

新着記事

記事一覧を見る

キーワード検索
楽天おすすめ