世界のカカオ豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2019年度のカカオ豆生産量ランキングは、コートジボワールが2,235,043トンという圧倒的な生産量で世界第1位を占めています。第2位のガーナは811,700トンで、これに続く形です。アフリカ諸国が上位を占める一方、インドネシアが734,795トンで第3位となり、アジア地域でも重要な生産地であることがわかります。全体的には上位10カ国で世界のカカオ豆生産量の大部分が集中しています。下位では、小規模生産国が数百トン規模の生産をしており、特にカリブ諸国やアジアの一部の小国の貢献が見られます。

順位	国名	地域	生産量(トン)
1	コートジボワール	アフリカ	2,235,043
2	ガーナ	アフリカ	811,700
3	インドネシア	アジア	734,795
4	カメルーン	アフリカ	301,255
5	エクアドル	南アメリカ	283,680
6	ブラジル	南アメリカ	259,451
7	ナイジェリア	アフリカ	250,000
8	ペルー	南アメリカ	141,775
9	コロンビア	南アメリカ	102,154
10	ドミニカ共和国	南アメリカ	76,113
11	パプアニューギニア	オセアニア	35,700
12	ウガンダ	アフリカ	35,000
13	ベネズエラ (ボリバル共和国)	南アメリカ	28,749
14	メキシコ	南アメリカ	28,452
15	インド	アジア	24,000
16	コンゴ民主共和国	アフリカ	22,058
17	ギニア	アフリカ	21,600
18	シエラレオネ	アフリカ	14,648
19	リベリア	アフリカ	13,000
20	グアテマラ	南アメリカ	11,657
21	トーゴ	アフリカ	10,600
22	マダガスカル	アフリカ	10,175
23	フィリピン	アジア	8,489
24	ニカラグア	南アメリカ	7,348
25	タンザニア連合共和国	アフリカ	7,000
26	ボリビア (多民族国家)	南アメリカ	5,835
27	コンゴ	アフリカ	5,000
28	ソロモン諸島	オセアニア	4,200
29	ハイチ	南アメリカ	4,000
30	ベトナム	アジア	3,000
31	サントメ・プリンシペ	アフリカ	3,000
32	キューバ	南アメリカ	1,799
33	スリランカ	アジア	1,499
34	バヌアツ	オセアニア	1,104
35	マレーシア	アジア	1,017
36	ホンジュラス	南アメリカ	1,000
37	赤道ギニア	アフリカ	1,000
38	ドミニカ	南アメリカ	1,000
39	コスタリカ	南アメリカ	800
40	パナマ	南アメリカ	749
41	グレナダ	南アメリカ	633
42	サモア	オセアニア	482
43	ガイアナ	南アメリカ	478
44	アンゴラ	アフリカ	448
45	トリニダード・トバゴ	南アメリカ	400
46	エルサルバドル	南アメリカ	365
47	ジャマイカ	南アメリカ	326
48	セントビンセントおよびグレナディーン諸島	南アメリカ	226
49	東ティモール	アジア	175
50	中央アフリカ共和国	アフリカ	132
51	タイ	アジア	123
52	ベリーズ	南アメリカ	110
53	ガボン	アフリカ	100
54	コモロ	アフリカ	42
55	ミクロネシア連邦	オセアニア	32
56	セントルシア	南アメリカ	20
57	フィジー	オセアニア	17
58	スリナム	南アメリカ	5
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2019年度の世界のカカオ豆生産量に関するデータは、世界中のカカオ豆供給とチョコレート産業における地理的な偏りを明らかにするものです。特に、コートジボワール、ガーナ、インドネシアは、生産能力の高さにおいて他を大きく引き離しており、これら3カ国だけで世界全体のカカオ豆供給の過半数を担っています。カカオ豆は主にチョコレート製品の原料として使用されますが、これらの生産国自身がそれらを大量に消費するわけではなく、主要な輸出先のほとんどが欧米諸国の加工業界です。

コートジボワールは単独で2,235,043トンを生産しており、全世界の主要な供給元としての地位を確立しています。同国の生産が世界市場に与える影響は非常に大きく、天候の不良や政治的な不安定が供給不足や価格高騰を招く懸念があります。ガーナ（811,700トン）とインドネシア（734,795トン）の2国も引けを取らず、特にガーナは高品質なカカオを生産しており、国際的なブランドからも高い評価を受けています。

一方で、生産能力の向上と持続可能性は、多くの国で大きな課題です。カメルーン（301,255トン）やナイジェリア（250,000トン）などの同じ西アフリカ圏の生産国では、未熟なインフラや労働条件の悪化が依然として大きな問題です。これらの問題への取り組みとして、国際機関やチョコレートメーカーがフェアトレード（公正取引）の推進を行っていますが、持続的な改善には至っていません。また、気候変動も生産地域に計り知れない影響を与えており、特に干ばつや豪雨などの気象条件がカカオ栽培に悪影響を及ぼしています。

アジア地域に目を向けると、インドネシアに次ぎパプアニューギニア（35,700トン）やインド（24,000トン）がランキングに現れていますが、これらの生産は非常に地域限定的であり、輸出の規模も限られています。一方、エクアドル（283,680トン）やペルー（141,775トン）は、南米における主要生産国で、特にペルーはカカオの独自性と品質で注目されています。

将来的な課題としては、カカオ豆生産国における貧困問題、児童労働、土地の劣化問題が挙げられます。これに対応するためには、農業技術の向上、生産者への適正な利益配分の確保、そして公正な労働環境の構築が必要です。さらに、気候変動対策として、耐旱性のあるカカオ品種の研究開発や植林政策の推進が重要です。また、生産国間の連携を強化するために、地域的な協力枠組みを策定し、技術共有や市場開拓を図るべきでしょう。

これらの取り組みを加速させることで、世界中のカカオ生産国が持続可能で強固な供給基盤を築くことができるでしょう。同時に、発展途上国としての経済的自立を促進し、より公正で安定した世界的な農業貿易体系の実現にもつながります。国際社会や主要なカカオ消費産業に従事する企業においても、これらの変革を支援する責任が求められるのです。