Skip to main content

世界のカカオ豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2017年度のカカオ豆生産量ランキングによると、1位はコートジボワールで生産量は2,034,000トンと圧倒的な規模を誇り、2位のガーナ(969,300トン)を大きく引き離しています。続いてインドネシアが3位(590,684トン)にランクインしており、西アフリカ諸国がカカオ生産の中心地として世界市場を支えています。トップ10にはブラジルやエクアドルなど南米からも複数の国がランクインしており、アジアや中南米も重要な生産地として認識されます。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 2,034,000
2 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 969,300
3 インドネシア国旗 インドネシア アジア 590,684
4 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 322,248
5 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 250,000
6 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 235,809
7 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 205,955
8 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 121,814
9 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 89,282
10 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 86,599
11 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 48,903
12 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 36,900
13 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 35,000
14 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 27,466
15 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 27,287
16 ギニア国旗 ギニア アフリカ 19,900
17 インド国旗 インド アジア 19,000
18 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 13,500
19 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 13,000
20 リベリア国旗 リベリア アフリカ 12,000
21 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 11,830
22 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 10,834
23 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 8,500
24 フィリピン国旗 フィリピン アジア 7,009
25 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 6,600
26 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 5,518
27 ソロモン諸島国旗 ソロモン諸島 オセアニア 4,600
28 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 3,501
29 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 3,500
30 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 2,500
31 スリランカ国旗 スリランカ アジア 1,485
32 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 1,100
33 マレーシア国旗 マレーシア アジア 1,012
34 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 1,000
35 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 1,000
36 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 913
37 グレナダ国旗 グレナダ 南アメリカ 700
38 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 660
39 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 545
40 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 500
41 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 480
42 サモア国旗 サモア オセアニア 480
43 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 448
44 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 350
45 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 305
46 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 245
47 ベリーズ国旗 ベリーズ 南アメリカ 244
48 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 221
49 東ティモール国旗 東ティモール アジア 178
50 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 131
51 タイ国旗 タイ アジア 125
52 ガボン国旗 ガボン アフリカ 100
53 コモロ国旗 コモロ アフリカ 43
54 ミクロネシア連邦国旗 ミクロネシア連邦 オセアニア 32
55 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 21
56 フィジー国旗 フィジー オセアニア 12
57 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 4
+ すべての国を見る

カカオは世界中で消費されるチョコレートの原料となる非常に重要な農産物です。2017年度のデータを見ると、全体の生産量で圧倒的な差をつけているのがコートジボワールで、2,034,000トンを生産しています。同国は世界のカカオ生産量の約43%を担っており、1国でほぼ半分を供給していることになります。次いでガーナが969,300トン、インドネシアが590,684トンとなり、この3カ国だけで世界全体のカカオ生産の大部分を占めています。これらの国々では、カカオは経済の主要な輸出品であり、農業従事者の生活基盤にもなっています。

さらにランキングを細かく見ると、4位のカメルーン(322,248トン)と5位のナイジェリア(250,000トン)も西アフリカ地域の国々であり、このエリアが世界的な生産の中心地であることが明確です。一方で、6位のブラジル(235,809トン)や7位のエクアドル(205,955トン)など、南米諸国も一定の生産量を保持しており、地域的な特徴が垣間見えます。

これらのデータが示す一方で、カカオ生産が抱える課題も浮き彫りになっています。西アフリカを中心とするカカオ生産国では、気候変動や過剰な農地利用による環境劣化、小規模農家の低賃金など、深刻な問題が報告されています。例えば、気温の上昇や雨量の変動がカカオの生産地帯に影響を及ぼし、収穫量の減少や品質の低下が懸念されています。また、児童労働の問題や、収入の不安定さが農家の経済的苦境を深めているとも指摘されています。

一方、アジア地域ではカカオ生産の拡大が見られますが、こちらは主に国内市場や地域市場の需要に応じた小規模な生産が多く、国際市場への影響は西アフリカや南米ほど大きくありません。しかし、中国やインドなどの新興経済国ではチョコレート消費量が増加しており、将来的にはアジアのカカオ生産がさらに注目を集める可能性があります。

地域格差を解消し、生産の安定性を高めるためには、いくつかの具体的な取り組みが必要です。例えば、気候変動に柔軟に対応できる品種改良の研究開発を進めること、その結果として環境影響の少ない栽培手法を普及させることが挙げられます。また、途上国の小規模農家に対しては、フェアトレード制度をより広く普及させることで、収入の安定化や生活環境の向上を促進すべきです。加えて、地域間協力の枠組みを強化し、技術移転や金融支援を通じて競争力を向上させることが求められます。

国際市場における地政学的リスクも無視できません。カカオ生産に依存する国々では、内戦や政情不安が輸出入の停滞を引き起こし、国際価格の変動を招くリスクがあります。このような状況を回避するためには、国際機関が仲介的な役割を果たし、紛争予防と平和構築に積極的に関与することが重要です。

2017年度のデータは、市場や生産国が抱える課題を浮き彫りにする一方で、持続可能な方法に向けた可能性も提示しています。これらの課題に対処することで、カカオ生産は持続可能性を高めるとともに、消費者側のニーズに応える産業として成長することが期待されます。国際的な協力と技術革新が今後の重要な鍵となるでしょう。

新着記事

記事一覧を見る

キーワード検索
楽天おすすめ