1976年における世界のカカオ豆生産量のランキングは、ガーナがトップに立ち、326,700トンを生産しました。次いでコートジボワールが232,330トン、ブラジルが231,796トンで続きます。上位3カ国での生産量が特に多く、アフリカと中南米の国々が主要な生産地であることが見て取れます。一方で、これらの国々以外でも小規模ながら多くの地域でカカオ豆生産が行われていることが分かります。このデータは、国際連合食糧農業機関(FAO)によるもので、当時の農業と貿易構造、経済的背景を反映しています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
アフリカ | 326,700 |
| 2 |
|
アフリカ | 232,330 |
| 3 |
|
南アメリカ | 231,796 |
| 4 |
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アフリカ | 181,000 |
| 5 |
|
アフリカ | 82,500 |
| 6 |
|
南アメリカ | 65,192 |
| 7 |
|
南アメリカ | 33,100 |
| 8 |
|
オセアニア | 31,900 |
| 9 |
|
南アメリカ | 31,011 |
| 10 |
|
南アメリカ | 29,200 |
| 11 |
|
アジア | 15,170 |
| 12 |
|
南アメリカ | 15,091 |
| 13 |
|
アフリカ | 14,100 |
| 14 |
|
アフリカ | 7,000 |
| 15 |
|
アフリカ | 6,000 |
| 16 |
|
南アメリカ | 5,855 |
| 17 |
|
アフリカ | 5,790 |
| 18 |
|
アフリカ | 5,400 |
| 19 |
|
アフリカ | 4,000 |
| 20 |
|
アジア | 3,909 |
| 21 |
|
アフリカ | 3,573 |
| 22 |
|
南アメリカ | 3,250 |
| 23 |
|
アジア | 3,200 |
| 24 |
|
南アメリカ | 3,000 |
| 25 |
|
南アメリカ | 2,995 |
| 26 |
|
南アメリカ | 2,713 |
| 27 |
|
南アメリカ | 2,607 |
| 28 |
|
アフリカ | 2,513 |
| 29 |
|
アフリカ | 2,332 |
| 30 |
|
南アメリカ | 1,646 |
| 31 |
|
アフリカ | 1,557 |
| 32 |
|
オセアニア | 1,500 |
| 33 |
|
アジア | 1,400 |
| 34 |
|
南アメリカ | 1,353 |
| 35 |
|
南アメリカ | 925 |
| 36 |
|
アフリカ | 800 |
| 37 |
|
南アメリカ | 704 |
| 38 |
|
オセアニア | 700 |
| 39 |
|
南アメリカ | 621 |
| 40 |
|
南アメリカ | 320 |
| 41 |
|
南アメリカ | 300 |
| 42 |
|
アフリカ | 300 |
| 43 |
|
南アメリカ | 250 |
| 44 |
|
アフリカ | 200 |
| 45 |
|
オセアニア | 114 |
| 46 |
|
南アメリカ | 113 |
| 47 |
|
南アメリカ | 100 |
| 48 |
|
オセアニア | 88 |
| 49 |
|
南アメリカ | 78 |
| 50 |
|
南アメリカ | 58 |
| 51 |
|
南アメリカ | 42 |
| 52 |
|
アフリカ | 40 |
| 53 |
|
南アメリカ | 40 |
| 54 |
|
アジア | 20 |
| 55 |
|
アフリカ | 15 |
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1976年のカカオ豆生産量ランキングを見ると、上位3カ国のガーナ、コートジボワール、ブラジルが非常に高い生産量を持ち、この3カ国で年間生産量の大部分を占めていることが分かります。特にガーナは326,700トンという圧倒的な数値を記録し、カカオ豆生産の分野で世界をリードしています。これには、ガーナが長い歴史にわたってカカオ豆生産に適した気候条件や豊かな土壌を持ち、人手を必要とする農業が主要産業であったことが影響しています。
一方、コートジボワールとブラジルはほぼ同じような生産規模を示しており、232,330トンと231,796トンでわずかにコートジボワールが上回りました。これら両国もまた、熱帯気候の恵みを受けながら、広大な農地を活用して生産を行っています。ナイジェリアも含めた上位4カ国のみで世界全体の生産量の大半を占めていることから、生産の集中度が高いことが分かります。
ランキングをさらに分析すると、カメルーンやエクアドル、ドミニカ共和国といった国々が中規模の生産を行っており、世界的な供給を下支えしています。また、その後に続く国々では、小規模の生産に留まる地域が多いことがデータから読み取れます。メキシコ、マレーシア、ベネズエラなどの国々も含めた状況は、地域別に気候や農業政策が大きな影響を及ぼしていることを示唆しています。
このランキングには、いくつかの課題も浮き彫りになっています。一つは、カカオ豆生産が特定の地域に集中していることから、生産地の一極化が進んでいることです。その結果、特にアフリカ諸国における気候変動のリスクが非常に大きくなり、潜在的な作物病害や市場変動による影響が深刻化する可能性があります。また、いまだ多くの生産国では、農業部門の経済価値が十分に他産業へつながっていないため、農村部での貧困が主要な問題として残されています。
もう一つの課題は、人手に多く依存するカカオ栽培プロセスの効率化です。当時の状況から見て技術の導入が限定的であったことも、生産性向上やサステナブルな農業への移行を妨げる要因となっていました。これに関連して、児童労働や過酷な労働環境といった倫理的な問題も一部で問題視されており、国際社会からの大きな関心を集めるようになっていました。
解決策としては、まず初めにカカオ豆生産国どうしの協力促進が必要です。近隣国間で生産や技術の共有を進め、病害対策やより効率的な生産方法への移行を図ることが重要です。二つ目として、国際的な技術提供の枠組みを強化し、気候変動に対応した新しい農法を導入する支援が求められます。また、生産地の多様化も必要であり、新興生産国への育成支援やインフラ投資を通じて、リスク分散を行うべきです。さらに、倫理的な問題を解消するためには、適正な取引価格を保証するフェアトレードの推進が効果的です。
これらの取り組みは、単に農業部門の発展を支えることにとどまらず、貧困削減や地域の社会安定化にも寄与すると考えられます。国際連合や多国籍企業を含めたステークホルダーは、持続可能な開発目標(SDGs)の一環として、特にアフリカや中南米において持続可能な農業に向けた取り組みを加速させるべきです。
長期的に見れば、カカオ豆生産の地域間協力や持続可能性の追求は、地球全体の農業生態系の保護にもつながるものと考えられます。そのため、関係各国だけでなく、世界全体がこの課題に取り組む必要があります。