Skip to main content

世界のカカオ豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

2020年度のカカオ豆生産量ランキングによると、1位はコートジボワールで2,200,000トン、2位はガーナで800,000トン、3位はインドネシアで720,660トンと、アフリカと東南アジア地域の国々が大きな割合を占めています。全体の生産量の多くがこれらの上位3カ国で占められており、特にコートジボワールが圧倒的な生産力を誇っています。一方、上位と下位の生産量の差は大きく、下位の国々の現状は生産効率や経済基盤での課題を反映している可能性があります。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 2,200,000
2 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 800,000
3 インドネシア国旗 インドネシア アジア 720,660
4 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 357,608
5 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 327,903
6 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 280,077
7 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 269,740
8 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 158,944
9 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 77,681
10 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 63,416
11 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 38,000
12 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 35,000
13 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 29,429
14 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 27,827
15 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 26,337
16 インド国旗 インド アジア 26,000
17 ギニア国旗 ギニア アフリカ 22,400
18 リベリア国旗 リベリア アフリカ 18,000
19 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 18,000
20 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 14,000
21 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 13,000
22 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 12,564
23 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 11,688
24 フィリピン国旗 フィリピン アジア 9,341
25 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 7,508
26 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 7,000
27 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 5,875
28 ソロモン諸島国旗 ソロモン諸島 オセアニア 4,500
29 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 3,000
30 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 2,000
31 ベトナム国旗 ベトナム アジア 2,000
32 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 1,577
33 スリランカ国旗 スリランカ アジア 1,455
34 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 1,000
35 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 1,000
36 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 1,000
37 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 800
38 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 745
39 マレーシア国旗 マレーシア アジア 706
40 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 673
41 グレナダ国旗 グレナダ 南アメリカ 539
42 サモア国旗 サモア オセアニア 481
43 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 480
44 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 451
45 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 375
46 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 300
47 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 228
48 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 193
49 東ティモール国旗 東ティモール アジア 176
50 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 134
51 タイ国旗 タイ アジア 124
52 ベリーズ国旗 ベリーズ 南アメリカ 112
53 ガボン国旗 ガボン アフリカ 100
54 コモロ国旗 コモロ アフリカ 43
55 ミクロネシア連邦国旗 ミクロネシア連邦 オセアニア 32
56 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 18
57 フィジー国旗 フィジー オセアニア 9
58 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 5
+ すべての国を見る

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、カカオ豆生産の世界ランキングでは、コートジボワールが突出した生産量を誇り、世界全体のカカオ豆供給の中枢を担っていることが明らかです。同国の2020年の生産量2,200,000トンは、第2位のガーナの800,000トンを大きく引き離しており、さらに第3位のインドネシア(720,660トン)との間にも significant な違いを示しています。この3カ国だけで、世界のカカオ豆生産量の約70%を占めており、カカオ豆市場における支配的な地位が伺えます。

このランキングから、カカオ豆生産は特定の地域に集中しているという特徴が浮き彫りになります。特に、西アフリカ諸国(コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア)においては、地理的条件や気候がカカオ栽培に適しているだけでなく、その経済がカカオ生産に大きく依存していることも背景にあると考えられます。例えば、コートジボワールではカカオ産業が雇用の基盤となり、多くの農家がこれに従事しています。一方で、東南アジアではインドネシアが同地域を代表しており、カカオはアフリカ型と異なる運営スタイルを採用しています。

しかし、この生産集中には課題も伴います。まず、カカオ生産は気候変動の影響を受けやすく、長期的な収量低下が懸念されています。特に西アフリカ地域では、気温上昇と降雨量の変動が既に耕作可能地に影響を及ぼしており、生産の持続可能性が問われています。また、農家の多くは小規模農場を運営しており、収益性の低下や適正価格の確保が課題となっています。さらに、紛争や不安定な政治状況がカカオ輸出の安定を脅かすこともあり、地政学的な要因が密接に絡んでいます。

エクアドルやブラジルなど中南米諸国は比較的高品質なカカオ(フィノ・デ・アロマ種)を生産することで差別化を図っており、これが近年の高級チョコレート市場の拡大に役立っています。一方で、政策支援や農業技術の向上が進まない国々(例:リベリアやシエラレオネなど)は生産量が少なく、国際市場での競争力に課題があります。

この状況を受け、いくつかの具体的な提案が浮かび上がります。まず、主要生産国においては、気候変動への対策を強化し、生産技術を改善することが急務です。具体的には、耐病性や耐乾燥性の高い品種の普及、農地の効率的な利用、そして農業従事者への経済的支援が重要です。また、西アフリカ地域では、地域間の協調を促進し、輸出価格の安定に向けた共同行動を取るべきです。これには、国際的な枠組みに基づいた価格設定やフェアトレードの原則の徹底が含まれるでしょう。

さらに、中小規模の生産者が多い地域では、現地の教育やインフラの整備を進めることで、生産性の向上を支援することが可能です。同時に、消費地である日本や欧米諸国においても、持続可能な生産と調達を支えるための需給バランスを管理し、エシカルな(倫理的な)購買行動を促進する努力が欠かせません。

最後に、地政学的リスクへの対応が極めて重要です。カカオ豆生産が特定地域に集中している現状は、紛争や自然災害、新型コロナのような疫病流行時に世界市場への影響を高めかねません。したがって、生産地の分散化を進めることでリスクを低減し、世界全体で持続可能なカカオ供給を実現する方策が必要です。

このランキングから見えるデータは、単に生産量の優劣を示すだけでなく、世界の食料・農業政策全般にわたる深い示唆を与えています。各国が協力して、グローバルな供給連鎖の安定を共同で確保していくことが求められる時代であると言えるでしょう。

新着記事

記事一覧を見る

キーワード検索
楽天おすすめ