1978年度のカカオ豆生産量ランキングデータによると、世界一のカカオ豆生産国はコートジボワール(318,381トン)で、2位のブラジル(284,490トン)と3位のガーナ(268,200トン)が続きました。このランキングでは、特にアフリカ諸国と南米諸国が上位を占めており、カカオ豆の生産が熱帯気候に大きく依存していることを示しています。一方で、日本や中国、韓国など、主にカカオを輸入する立場の国々も存在しており、その需要と生産地構造の分布が明確に示されています。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
アフリカ | 318,381 |
| 2 |
|
南アメリカ | 284,490 |
| 3 |
|
アフリカ | 268,200 |
| 4 |
|
アフリカ | 157,000 |
| 5 |
|
アフリカ | 110,865 |
| 6 |
|
南アメリカ | 72,085 |
| 7 |
|
南アメリカ | 42,159 |
| 8 |
|
南アメリカ | 36,960 |
| 9 |
|
南アメリカ | 31,000 |
| 10 |
|
オセアニア | 29,500 |
| 11 |
|
アジア | 21,879 |
| 12 |
|
南アメリカ | 16,610 |
| 13 |
|
アフリカ | 12,600 |
| 14 |
|
南アメリカ | 10,381 |
| 15 |
|
アフリカ | 7,100 |
| 16 |
|
アフリカ | 7,000 |
| 17 |
|
アフリカ | 6,000 |
| 18 |
|
アジア | 5,496 |
| 19 |
|
南アメリカ | 4,522 |
| 20 |
|
アフリカ | 4,300 |
| 21 |
|
アフリカ | 4,043 |
| 22 |
|
南アメリカ | 4,039 |
| 23 |
|
アフリカ | 4,000 |
| 24 |
|
南アメリカ | 4,000 |
| 25 |
|
アフリカ | 3,710 |
| 26 |
|
南アメリカ | 3,398 |
| 27 |
|
アジア | 3,082 |
| 28 |
|
南アメリカ | 2,436 |
| 29 |
|
アフリカ | 2,275 |
| 30 |
|
南アメリカ | 2,165 |
| 31 |
|
アジア | 2,000 |
| 32 |
|
南アメリカ | 1,797 |
| 33 |
|
南アメリカ | 1,582 |
| 34 |
|
アフリカ | 1,570 |
| 35 |
|
アフリカ | 1,530 |
| 36 |
|
オセアニア | 1,241 |
| 37 |
|
南アメリカ | 1,192 |
| 38 |
|
オセアニア | 1,000 |
| 39 |
|
南アメリカ | 705 |
| 40 |
|
南アメリカ | 500 |
| 41 |
|
南アメリカ | 500 |
| 42 |
|
アジア | 500 |
| 43 |
|
南アメリカ | 306 |
| 44 |
|
オセアニア | 235 |
| 45 |
|
アフリカ | 200 |
| 46 |
|
アフリカ | 200 |
| 47 |
|
オセアニア | 123 |
| 48 |
|
南アメリカ | 120 |
| 49 |
|
南アメリカ | 100 |
| 50 |
|
アフリカ | 80 |
| 51 |
|
南アメリカ | 50 |
| 52 |
|
南アメリカ | 47 |
| 53 |
|
南アメリカ | 45 |
| 54 |
|
南アメリカ | 40 |
| 55 |
|
アジア | 20 |
| 56 |
|
アフリカ | 15 |
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1978年のデータを見る限り、カカオ豆の生産量は主に西アフリカと南米、そして少数のアジアや太平洋の国々に集中していました。コートジボワールが他国を引き離してトップの生産量を誇り、特にアフリカ地域が世界最大のカカオ生産地であることを示しています。次いでブラジルやエクアドルなど、南米諸国が重要な生産地として挙げられます。また、カメルーンやナイジェリアなどの国々も2桁万トン規模での生産を行っており、カカオ豆の主要生産地のトップ10はほぼ発展途上国によって占められていることが注目点です。
カカオ豆の生産には高温多湿の気候が必要であるため、熱帯地域のほぼ限られた国々で生産が行われています。この地域は主に赤道周辺に分布しており、地理的条件がカカオ産業に大きな影響を与えていることがうかがえます。一方で、これらの生産国では農業の労働条件や環境への影響、さらにはカカオ価格の国際的な変動により、不安定な収入構造に直面している農家も多いことが知られています。例えば西アフリカ地域では、当時から児童労働や収益の不平等といった社会問題が露呈しており、国際的な支援や持続可能な取り組みが求められていました。
生産量上位の国々が熱帯地域に集中している一方で、アジアや太平洋の国々(例えばインドネシアやパプアニューギニア)が徐々に生産国としての地位を築き始めていることも興味深い点です。当時はまだ生産量が少ないものの、現代においてこれらの地域は世界的な生産拡大に寄与しており、1978年からの動向をさかのぼると、将来を見据えた積極的な投資や栽培技術の向上が進められていたと考えられます。例えばインドネシアでは、生産の近代化やプランテーションの拡大に加え、政府の農業支援政策が見られるようになってきました。
未来の課題として、カカオ豆生産のサステナビリティ(持続可能性)が挙げられます。気候変動が生育環境に与える影響や、土壌劣化といった問題により、生産適地が縮小することが懸念されています。特に気温上昇や降雨量の変動は、従来の生産地の能力を大きく損ないかねません。また、カカオ生産地における社会経済的問題を解決することも重要です。これには生産者への公正な収益配分や、インフラ整備、教育の充実が含まれます。近年ではフェアトレードや有機栽培などの取り組みが進んでおり、これらの活動を強化することで、より公平で持続的なカカオ産業が築かれることが期待されます。
さらに、消費国である日本やアメリカ、ヨーロッパ諸国では、輸入に全面的に依存しており、これらの国がカカオ豆の生産元における問題への関与や責任を果たすことも重要です。消費大国として輸入元の労働環境や環境保護に配慮する政策を立案することが、国際社会全体の倫理的基盤をより強固にするでしょう。
総じて、1978年のカカオ豆生産量ランキングデータは、特定の地域に集中している熱帯産業のダイナミズムと、当時の地政学的および経済的背景を反映しています。これを受けて、国際機関や政府が協力して行う災害リスク対策、長期的な生産計画の策定、ならびに地域間の格差是正のための枠組みづくりが、未来のカカオ産業に求められる解決策として挙げられるでしょう。