国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization)が発表した1987年度のカカオ豆生産量ランキングによると、世界最大の生産国はコートジボワールで、生産量は664,031トンとなりました。2位にはブラジル(328,740トン)、3位にガーナ(188,170トン)が続き、これら上位3カ国で世界全体の生産量の約50%以上を占めています。一方、アジアや南アメリカ、カリブ地域でも生産が見られるものの、生産量に大きな格差があります。
| 順位 | 国名 | 地域 | 生産量(トン) |
|---|---|---|---|
| 1 |
|
アフリカ | 664,031 |
| 2 |
|
南アメリカ | 328,740 |
| 3 |
|
アフリカ | 188,170 |
| 4 |
|
アジア | 167,000 |
| 5 |
|
アフリカ | 150,000 |
| 6 |
|
アフリカ | 132,800 |
| 7 |
|
南アメリカ | 57,529 |
| 8 |
|
南アメリカ | 53,680 |
| 9 |
|
アジア | 50,199 |
| 10 |
|
南アメリカ | 43,102 |
| 11 |
|
南アメリカ | 42,487 |
| 12 |
|
オセアニア | 32,000 |
| 13 |
|
アフリカ | 23,500 |
| 14 |
|
南アメリカ | 14,080 |
| 15 |
|
南アメリカ | 12,614 |
| 16 |
|
アフリカ | 11,057 |
| 17 |
|
アジア | 8,848 |
| 18 |
|
アフリカ | 8,300 |
| 19 |
|
アジア | 7,000 |
| 20 |
|
アフリカ | 5,500 |
| 21 |
|
南アメリカ | 5,189 |
| 22 |
|
アフリカ | 3,957 |
| 23 |
|
南アメリカ | 3,640 |
| 24 |
|
南アメリカ | 3,592 |
| 25 |
|
南アメリカ | 3,186 |
| 26 |
|
アフリカ | 3,100 |
| 27 |
|
アフリカ | 3,100 |
| 28 |
|
アフリカ | 3,000 |
| 29 |
|
オセアニア | 2,681 |
| 30 |
|
アジア | 2,500 |
| 31 |
|
南アメリカ | 2,443 |
| 32 |
|
南アメリカ | 2,300 |
| 33 |
|
南アメリカ | 2,203 |
| 34 |
|
アフリカ | 1,982 |
| 35 |
|
南アメリカ | 1,753 |
| 36 |
|
アフリカ | 1,751 |
| 37 |
|
アフリカ | 1,574 |
| 38 |
|
南アメリカ | 1,551 |
| 39 |
|
南アメリカ | 1,501 |
| 40 |
|
オセアニア | 1,168 |
| 41 |
|
オセアニア | 700 |
| 42 |
|
オセアニア | 468 |
| 43 |
|
アジア | 400 |
| 44 |
|
南アメリカ | 400 |
| 45 |
|
南アメリカ | 200 |
| 46 |
|
南アメリカ | 155 |
| 47 |
|
南アメリカ | 150 |
| 48 |
|
アフリカ | 100 |
| 49 |
|
アフリカ | 100 |
| 50 |
|
南アメリカ | 100 |
| 51 |
|
アフリカ | 70 |
| 52 |
|
南アメリカ | 66 |
| 53 |
|
アフリカ | 44 |
| 54 |
|
南アメリカ | 42 |
| 55 |
|
南アメリカ | 27 |
| 56 |
|
アジア | 25 |
| 57 |
|
アフリカ | 21 |
| 58 |
|
オセアニア | 20 |
| 59 |
|
南アメリカ | 5 |
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1987年のカカオ豆生産量データを見ると、コートジボワールが圧倒的なリーダーとして、この分野での地位を確立していることがわかります。この西アフリカの国は、歴史的に農業への依存が高く、特にカカオ豆の輸出が経済を支える重要な柱となっています。ブラジルやガーナも、主要なカカオ生産国としてその名前を刻んでいますが、コートジボワールと比較すると生産量でかなりの差があることが顕著です。特にアフリカ西部諸国、なかでもガーナやナイジェリアなどは、土壌や気候条件がカカオ栽培に適しており、そのため世界的なカカオ豆供給の中心地となっています。
一方で、ランキングに見られる多様性は興味深い点です。カリブ海諸国やアジア、南米など、広範な地域でカカオ生産が行われていますが、それぞれの生産量には大きな隔たりが存在します。例えば、1位のコートジボワール(664,031トン)と最下位のグアドループ(5トン)では明確な生産能力の違いが見える一方で、農業技術や労働力、土地面積といった背景要因がその違いを生んでいると考えられます。
ただし、このランキングはカカオ豆の生産量に焦点を当てたものに過ぎません。従って、特定地域が直面する課題も織り込む必要があります。まず、アフリカ西部の生産国では生産依存経済のリスクが高まりつつある点が挙げられます。この地域では、カカオ依存が国内雇用の安定性やインフラ整備の不足といった課題を抱える中、価格の変動に伴う経済不安が頻発する可能性が懸念されています。このほか、熱帯雨林の破壊やプランテーション化が進行しており、持続可能性を確保するための国際的な調整も急務です。特に、ブラジルや東南アジアの生産国では、生態系破壊とバランスを取るための政策立案が必要だと考えられます。
また、地政学的リスクも忘れてはなりません。特に、コートジボワールやガーナを含む西アフリカ地域では、政治不安や紛争がカカオ供給に及ぼす影響は無視できません。この状況では、サプライチェーンの安定化に向けた国際機関の支援が重要となります。一方、インドやインドネシアといった成長する新興市場では、地域生産の拡大が期待されています。しかしながら、これらの国々では品質管理や競争力強化に向けた投資が比較的不足しており、国際市場でのさらなる地位確立には技術革新が求められます。
未来に向けて、いくつかの具体的方策を提案したいと思います。まず、生産国内部での経済的多様化を進めることで、カカオ依存型経済からの脱却を目指すことが重要です。また、農業技術の改良を含む持続可能なプラクティスの導入も急務です。さらに、国際共同体を通じたフェアトレード体制や環境に配慮した生産への移行を推進すべきだと考えられます。このような取り組みは、生産者の収入向上とともに、地球規模での環境保全にも寄与します。
結論として、1987年のデータは、世界のカカオ豆生産の広がりと課題を可視化しています。主要生産国が経済的に重要な役割を担う一方で、持続可能性や地域発展を考慮する必要があります。これらは、地球環境と人々の生活の両面でバランスを取るための重要なステップとなるでしょう。