Skip to main content

世界のカカオ豆生産量ランキング【1961〜2023】国別推移・年間比較データ

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した2001年度のカカオ豆生産量ランキングによると、1位はコートジボワールで1,212,428トン、2位はインドネシアで536,804トン、3位はガーナで389,591トンでした。この3か国だけで世界のカカオ豆生産の大部分を占めています。一方、日本や先進国でカカオ生産を行っている国はランクインしておらず、カカオ豆の供給は主にアフリカ、西アジア、ラテンアメリカの国々が担っています。

順位 国名 地域 生産量(トン)
1 コートジボワール国旗 コートジボワール アフリカ 1,212,428
2 インドネシア国旗 インドネシア アジア 536,804
3 ガーナ国旗 ガーナ アフリカ 389,591
4 ナイジェリア国旗 ナイジェリア アフリカ 340,000
5 ブラジル国旗 ブラジル 南アメリカ 185,662
6 カメルーン国旗 カメルーン アフリカ 122,100
7 エクアドル国旗 エクアドル 南アメリカ 76,030
8 マレーシア国旗 マレーシア アジア 57,708
9 メキシコ国旗 メキシコ 南アメリカ 46,738
10 ドミニカ共和国国旗 ドミニカ共和国 南アメリカ 44,908
11 パプアニューギニア国旗 パプアニューギニア オセアニア 38,800
12 コロンビア国旗 コロンビア 南アメリカ 36,070
13 ペルー国旗 ペルー 南アメリカ 23,652
14 ベネズエラ (ボリバル共和国)国旗 ベネズエラ (ボリバル共和国) 南アメリカ 15,834
15 シエラレオネ国旗 シエラレオネ アフリカ 11,000
16 トーゴ国旗 トーゴ アフリカ 10,200
17 グアテマラ国旗 グアテマラ 南アメリカ 6,840
18 インド国旗 インド アジア 6,540
19 フィリピン国旗 フィリピン アジア 6,531
20 コンゴ民主共和国国旗 コンゴ民主共和国 アフリカ 6,235
21 マダガスカル国旗 マダガスカル アフリカ 4,410
22 ボリビア (多民族国家)国旗 ボリビア (多民族国家) 南アメリカ 4,320
23 ハイチ国旗 ハイチ 南アメリカ 4,300
24 赤道ギニア国旗 赤道ギニア アフリカ 4,000
25 ウガンダ国旗 ウガンダ アフリカ 3,950
26 サントメ・プリンシペ国旗 サントメ・プリンシペ アフリカ 3,652
27 スリランカ国旗 スリランカ アジア 3,410
28 タンザニア連合共和国国旗 タンザニア連合共和国 アフリカ 2,300
29 ソロモン諸島国旗 ソロモン諸島 オセアニア 2,038
30 ホンジュラス国旗 ホンジュラス 南アメリカ 2,000
31 キューバ国旗 キューバ 南アメリカ 1,900
32 ギニア国旗 ギニア アフリカ 1,800
33 タイ国旗 タイ アジア 1,454
34 コンゴ国旗 コンゴ アフリカ 1,278
35 ジャマイカ国旗 ジャマイカ 南アメリカ 1,150
36 リベリア国旗 リベリア アフリカ 1,000
37 バヌアツ国旗 バヌアツ オセアニア 799
38 コスタリカ国旗 コスタリカ 南アメリカ 708
39 グレナダ国旗 グレナダ 南アメリカ 688
40 トリニダード・トバゴ国旗 トリニダード・トバゴ 南アメリカ 611
41 サモア国旗 サモア オセアニア 498
42 ガボン国旗 ガボン アフリカ 416
43 パナマ国旗 パナマ 南アメリカ 301
44 ニカラグア国旗 ニカラグア 南アメリカ 300
45 ガイアナ国旗 ガイアナ 南アメリカ 261
46 アンゴラ国旗 アンゴラ アフリカ 199
47 ドミニカ国旗 ドミニカ 南アメリカ 188
48 セントビンセントおよびグレナディーン諸島国旗 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 南アメリカ 180
49 エルサルバドル国旗 エルサルバドル 南アメリカ 160
50 ベナン国旗 ベナン アフリカ 100
51 東ティモール国旗 東ティモール アジア 97
52 中央アフリカ共和国国旗 中央アフリカ共和国 アフリカ 82
53 ミクロネシア連邦国旗 ミクロネシア連邦 オセアニア 33
54 ベリーズ国旗 ベリーズ 南アメリカ 30
55 セントルシア国旗 セントルシア 南アメリカ 30
56 コモロ国旗 コモロ アフリカ 26
57 スリナム国旗 スリナム 南アメリカ 8
58 フィジー国旗 フィジー オセアニア 5
+ すべての国を見る

2001年度のカカオ豆生産量のデータを詳しく見ると、自給用の消費ではなく商品作物としてのカカオ生産が、特に西・中部アフリカ諸国で顕著であることがわかります。コートジボワールが世界の生産量の首位を占め、1,212,428トンという圧倒的な数字を記録しています。この国は、世界のチョコレート産業を支える重要な供給国といえます。2、3位となるインドネシアとガーナも、それぞれ536,804トンと389,591トンを生産しており、この上位3か国で世界のカカオ豆生産の約70%を占めています。

これらトップ生産国の気候条件や地理的位置は、カカオ栽培に非常に適していることが強みと言えます。ただし、それに伴う課題も存在します。例えば、カカオ農園での収益低下により、持続可能な農業の実現が困難になったり、労働条件の悪化が報告されています。また、一部には児童労働の問題や違法伐採による環境破壊も指摘されています。これらの点から、環境保全や倫理的な労働基準を担保したカカオ生産への取り組みが急務とされています。

地域別に見ると、西アフリカが世界のカカオ豆供給の中心地となっていますが、次にインドネシアやマレーシアがリードする東南アジア、さらにブラジルやエクアドルを含むラテンアメリカが主要な生産拠点となっています。特にエクアドルでは、フレーバーカカオといった高品質品種が注目を集め、プレミアム市場での価値が増しています。一方、アメリカ、日本、ヨーロッパの国々など主要消費国は、ほとんどがこれら生産国に依存しています。そのため、カカオ豆市場は、供給国と消費国の大きな経済的関連性の中で動いています。

今後の課題としては、生産地での気候変動による脅威が増加していることが挙げられます。カカオは十分な湿度と特定の気温条件を必要とするデリケートな作物です。そのため地球温暖化が進む中、乾燥化や降水量の減少が、主要産地のカカオ生産に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに備えるため、生産国には持続可能な農業技術を取り入れることが重要です。例えば、アグロフォレストリー(森林農業)の導入により、土壌の保全や生物多様性の保護が考えられます。また、国際機関や消費国側の企業も、フェアトレード認証の導入や生産者支援プログラムを通じて、現地の生産者を支える取り組みが求められます。

このランキングを通じ、カカオ豆は単なる食材ではなく、地球規模の社会・経済・環境の状況を反映する重要な作物であることがわかります。未来に向けては、気候変動対策、倫理的な労働環境の確保、消費国との連携を強化することで、生産国側も持続可能な利益を享受し続ける社会を築く必要があります。特に消費国である日本のような国では、カカオ豆の輸入先となる生産国との協力を深めることが、今後の市場安定のために大切なステップとなるでしょう。

新着記事

記事一覧を見る

キーワード検索
楽天おすすめ